幸せなうちに知っておきたい「離婚と年金」結婚前後のマネープラン(5)

今月は結婚前後のマネープランについて考えてきましたが、今週は少し先のことも考えてみます。それも「離婚したときのお金」の話や「離婚したときの年金」のお話です。

夫婦が仲良く暮らせることが一番ですし、そのためにお金のルールをスッキリさせよう、とお話してきましたが、やむをえず離婚の選択をすることもあります。

そのときになって初めて考えるのではなく、結婚というタイミングに基本的な仕組みを知っておくことは決してムダではないはずです。

仲がいいうちに離婚のことも知識に入れておく

知人の新婚カップルとお話をしていたとき、「離婚と年金について知りたいことがあったらいつでも相談してください」といったところ、後日知人から「うちの妻が怒っていたよ。『幸せいっぱいのときになんで離婚の話なんかするのよ!』と」といわれたことがあります。

「幸せいっぱいのときに確かに余計なお世話だったかな」と反省した一方、「むしろ幸せで仲がいいうちに離婚のことを知識として知っておくべきだ」とも思いました。

新婚のときに離婚の際の条件について契約書を交わすのはさすがに行きすぎだと思いますが、離婚の基本的な仕組みは知っておいて損はないからです。いざ離婚となると双方とも混乱し、冷静ではいられないでしょう。いまのうちに勉強しておいた方がアタマの整理ができ、将来役立つかもしれないのです。

離婚の際は財産を分割するのが基本

離婚とお金について簡単に整理すると、3つのお金の問題を解決する必要があります。

まず、「慰謝料」の問題です。離婚の原因が明らかに片方にある場合(有責配偶者という)、お金を払うことで離婚の同意を得ることがあります。どちらにも原因がある、あるいは特に求めない場合は慰謝料を払わないで離婚することもあります。

次に「養育費」の問題です。子どもがまだ未成年である場合、どちらかが子どもを引き取り育てることになります。しかし社会人になるまでにかかる費用は夫婦が協力して負担するべきであり、その費用について定めるものです。年収の少ないほうが子どもを育てる場合、年収の多いほうが定期的に送金する約束などを決めます。

最後に「財産分与」です。結婚している期間に得た財産は基本的に夫婦で半分ずつにして離婚をします。それぞれの口座にある預貯金額(結婚前にあった金額は除く)や住宅などの財産を整理し、分割していきます。家は簡単に分割できませんので、住宅ローンがある場合も含めて相談しながら決定します。

離婚についての同意が得られなかったり、財産の分割について合意に至らない場合などは、家庭裁判所の調停を受けることもできます。

誤解が多い「離婚と年金分割」

「離婚をしたとき、年金も分割できる」という基本知識を知っている人は多いと思います。会社員が加入する厚生年金は年収に応じて保険料を納め、保険料に応じて受給権が得られる仕組みですが、個人に帰属することになり、離婚時に年収の高かった夫は年金の権利を持って行ってしまうことになります。これでは専業主婦である妻が不利益を被る可能性があります。

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