固定資産税・相続税… 路線価で決まる住宅の税金

親の自宅を相続したり、マイホームを購入したりするとかかるのが住宅の税金。相続税や固定資産税を払った経験のある人は多いだろう。いずれも国税庁や市町村が公表する路線価が課税評価の基準になる。路線価の基本と仕組みを知って、家計への影響を把握しよう。

「親が亡くなったら相続税がかかるのか」。東京都に住む50代の男性会社員は金融機関の紹介で大手税理士法人を訪れた。近くに住む父親は病気がちで入退院を繰り返している。1月からの相続増税で都市部に親の自宅がある場合は課税される可能性があると聞き、心配になったという。

相続税の対象になるかどうかをチェックする際に重要なのが自宅の評価だ。相続財産から差し引ける基礎控除が今年から4割縮小した。財産の大半が自宅という都市部の中流層にとっては、自宅の評価の大半を占める土地の評価額が課税されるかどうかのカギを握る。

土地の相続税評価額は国税庁が7月に公表する路線価がもとになる。路線価は道路に面する土地の1平方メートル当たりの評価額。全国の土地の個数は膨大で、一つ一つに価格をつけるのは事実上できない。そこで個々の土地は原則、土地が接する道路をもとに評価している。

相続財産の評価額や税額は納税者が自分で計算し、税務署に申告・納税しなければならない。土地の評価額の基本を知っておこう。評価額は路線価に土地の面積を掛けて求める。自宅が1つの道路にだけ面していればその路線価に面積を掛ける(図B)。

自宅の正面と側方の二つが道路に面しているケースでは側方の路線価も加味して計算する。間口や奥行きの状況、土地の形も勘案する。間口が標準より狭かったり、奥行きが長かったり、土地の形が整っていなかったりする場合はその分を減額する。税額は土地の評価額をもとに課税標準額を出し、税率を掛けて決まる。

ただ納税者の負担が大きくならないよう土地の評価額を下げる仕組みがある。配偶者や親と同居していた子どもなどが自宅の土地を相続する場合、330平方メートルまでは評価額を80%減らす小規模宅地等の特例だ。特例を使えるかどうかが相続税の有無を左右するケースは多いので、よく条件を確かめよう。

「親の家の固定資産税はどれくらいなのか」。東京都や神奈川県を中心に相続税の申告・相談を手掛けるランドマーク税理士法人は今年に入り、こんな問い合わせも相次いでいる。相続税の申告代理の依頼件数は前年比30%増。なかでも「相続後に毎年かかる固定資産税の負担に耐えられるのかと心配する人が目立つ」(清田幸弘代表税理士)。

住宅の敷地にかかる固定資産税は相続税と同じように試算できる。もとになるのが市町村が4月から6月にかけて公表する路線価。国税庁が公表するものとは別のデータで、評価額は基本的に路線価に面積を掛けて求める。200平方メートルまでは6分の1に減額できる。実際には市町村が評価額と税額を計算して通知するのを受けて納税するが、自分でおおまかに試算しておけば慌てずに済みそうだ。

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