フード・レストラン

おでかけナビ

ラフォーレ原宿、フードコートで食の流行発信

2015/7/4

日経トレンディネット

 東京・原宿の商業ビル「ラフォーレ原宿」に「ヘルシー」「トレンド」をキーワードにした新感覚のフードコート「GOOD MEAL MARKET」が2015年4月29日にオープンした。出店しているのは、日本初上陸のメキシカン・プレミアムファストフード「Guzman y Gomez(グズマン イー ゴメズ)」、天然のハチミツが詰まったハチの巣(コムハニー)など自然素材で作ったオーガニック・アイスクリーム専門店「MILKCOW(ミルクカウ)」、行列が絶えないフレンチフライ専門店「AND THE FRIET(アンド ザ フリット)」の3店。

日本初上陸の「Guzman y Gomez」は、新鮮な食材と手作りにこだわったメキシカン・プレミアムファストフード。
フレンチフライの「AND THE FRIET」も出店(左)。韓国アイスクリーム店「MILKCOW」はハチの巣のトッピングが売り(右)。

 ラフォーレ原宿といえば、流行の発信地・原宿のランドマーク的存在。最先端の個性的なブランドが集まるショッピングスポットとして長い歴史を持つ。そのラフォーレ原宿がなぜ今、フードコートをオープンさせるのか。

 「当館は来館者数に対して座れる休憩スペースが少なく、疲れると階段に座って休む人も少なくなかった。『ショッピングの合間にゆっくりできる場所が欲しい』という声に応えた」(ラフォーレ原宿 業務推進部営業開発グループ 神田千穂氏)という。ただ、より切実な理由もあるようだ。

 「ここ数年間、原宿では食のトレンドで話題となる店が増えているが、『流行の発信』をテーマに展開してきたラフォーレ原宿には、食のトレンドに敏感な人の来館が少なかった。より広域の方々に来ていただくため、プレミアムファストフードを集めた都市型フードコートを作りたいと考えた」(ラフォーレ原宿の安藤正志副館長)。つまり、原宿がファッションの流行発信地から、食の流行発信地に変貌している現状への対応といえそうだ。

 また近年ファッションに敏感な層が自分の食べているものをSNSで発信する傾向が強まっていることも、背景にある。「もともと原宿はクレープなど片手で持って歩きながら食べられるワンハンドフードの流行発信地。その伝統も踏まえ、ワンハンドスタイルのフードを集めた。ワンハンドフードはビジュアル的に映え、SNSで拡散しやすいのも大きな理由」(安藤副館長)という。

メキシコ風のカラフルなインテリアの、GYG横イートインスペース

■メニューのカスタマイズは1万種類以上

 今回ラフォーレ原宿にオープンしたGuzman y Gomez(以降、GYG)は、2006年にオーストラリアで1号店をオープンし、現在までオーストラリアに57店舗、シンガポールに1店舗があり、原宿店は海外2カ国目となる。

 メキシカンファストフードといえば、2015年4月21日に米国発チェーン「タコベル」が渋谷にオープンし話題を集めた。しかし、GYGは従来のファストフード店と一線を画す店だという。いったいどこが違うのか。

 ひとつは、メニューの種類。一般のファストフード店では主要なフードメニューは多くても十数種類程度だが、同店ではブリトーやタコス、エンチラーダなどのグランドメニュー8種類、具は鶏肉や牛肉、魚など7種から選べ、この組み合わせだけですでに56種類。さらに「アボカド追加」「メキシカンライスを玄米に変更」「トルティーヤを全粒粉に変更」「フィリングに炒めた野菜(ファフィータ)を追加」などのカスタマイズも可能だ。グランドメニューが11種類ある本国のショップなら、なんと1万種類以上の組み合わせが可能だという。本体だけでこれだけカスタマイズできるのに、さらに辛さの違う3種類のサルサソースと3種類の薬味をセルフサービスで追加できる。

基本の注文は2段階。まず「ブリトー」「ブリトーボウル」「ケサディーヤ」「ナチョス」などの8種から選ぶ。
続けて、フィリング(具)を「チキン」「ビーフ」「フィッシュ」「ベジタブル」などの7種から選ぶ。

 食べる前にこの選択肢の多さに驚いたが、看板商品のブリトーを実際に見て、さらに驚いた。コンビニで売られている薄型のフォルムと違い、フィリングがパンパンに詰まっていて、海苔巻のような円筒形。持つとずっしり重い。食べてみると、レストランで普通に食べる本格的な一品料理をトルティーヤで巻いて食べているような感じで、さらに驚いた。

 聞けば一つひとつ非常に手がかかっていて、例えばスパイシーポークは豚肉の脂肪を取り除いてソテーしてから鍋で4~5時間煮込み、手で肉の塊を引き裂き、チポレーソース(メキシコ風バーベキューソース)でマリネしている。そのチポレーソースもピーカンの木でスモークしたチポレーチリに、オニオン、ブラウンシュガー、ビネガー、スパイスで味付け…といった具合だ。ハンドメイド重視の調理法で、下ごしらえに手間と時間をかけているのが、これまでのファストフード店との大きな違いだ。ただし店頭では「注文後4分以内の提供」を鉄則にしている。

自家製のコーンチップスにアボカドディップや野菜をトッピングした「ナチョス(ラージ)」(1450円)。

■海外で日本人観光客が行列している店はヒットする

 GYGはトランジットジェネラルオフィス(港区)のグループ会社がフランチャイズライセンス契約を結んでいる。トランジットジェネラルオフィスといえば、「ビルズ」や「マックス ブレナー」などの日本進出を手掛け、「外食のヒットメーカー」として知られている。中村貞裕社長に、「なぜ今、メキシカンなのか」を聞いた。

 「メキシカンはニューヨーク、西海岸をはじめ世界中にあるワールドスタンダードフードだが、日本には全くと言っていいほどなかったので、いつかやりたいと思っていた。これまでの経験で、ハワイやニューヨーク、台湾、シドニーで行列ができていて、そこに日本人の観光客も並んでいる店は日本でも必ずヒットしている。GYGもランチタイムの行列が名物になっていて、日本でも成功すると確信した」(中村社長)。

 味付けなどで日本人向けのアレンジを一切していないのは、旅行で本店の味を知っている日本人が多いこと、また食に関して成熟した経験値を持っている今の日本人なら、本場そのままの味のほうが受けると考えたからだという。ただしサイズに関しては、本店のサイズだと日本人には大きすぎるため、本店のレギュラーサイズを日本ではラージに、本店のミニサイズをレギュラーに設定している。

 GYGは今後の20年間で国内に100店舗を展開予定。本国の店舗数を超える勢いで、日本での展開に大きな期待を寄せていることがうかがえる。「メキシコ料理というと古くさくてヘビーな料理と思われがちだが、我々が提供したいのは新しくて若々しいメキシカンブランドのヘルシーなフード。朝届いたばかりの食材を新鮮なまま提供することで、本場のメキシカンフードのおいしさとラテンカルチャー体験を日本にも広めたい」(GYGのスティーブン・マークス社長)。

3種類の辛さのソースがかけられる(無料)。
スパニッシュオニオン、ハラペーニョのピクルス、フレッシュコリアンダーも取り放題。

■デザートには蜂の巣アイス? それとも甘いポテトフライ?

 GYGの隣にはスパイシーなメキシコ料理の後にぴったりのアイスクリームショップ、MILKCOWがある。韓国で大ブームを起こしている「ハチの巣スイーツ」を提供するカフェで、2014年11月1日、広尾に日本一号店をオープンしている。

 人気ナンバーワンは、天然のコムハニー(ハチミツの入ったハチの巣)をトッピングした「ミルキーキューブ」。蜂の巣には巣房とともに、蜜蜂が蓄えた蜂蜜がそのまま含まれていて、花の香りや風味が味わえる。ビタミンやミネラルなどの豊富な栄養素もとれるため、韓国では美容に良いスイーツとして人気なのだという。

 アイスクリームには、嬬恋(つまごい)高原(群馬県)の松本牧場の農薬や化学肥料などを一切使っていない有機牛乳を使用。トッピングや味付け用のコーヒーやシロップ、チョコレート、フルーツ、ヨーグルトも全てオーガニックだという。

 その隣には、広尾で長い行列が有名だったフレンチフライ専門店のAND THE FRIETがオープン。原宿店先行発売のメニューのひとつが、ベルギー産ビンチェ種のフリットをたっぷりの砂糖でコーティングし、バターシロップとホイップクリームをかけた「シュガーバターフリット」。「『原宿の街に合うフリット』をイメージした、初のスイーツフリット。原宿のワンハンドフードの新定番を目指している」(同店広報担当の竹島友美氏)。

 また同店限定のディップとして、たっぷりの明太子を使用した「明太子バターマヨ」を提供。そのほか、素材やホームメイドにこだわったオリジナルソーダも、これまでの2種類から5種類に増やしている。フレンチフライによく合うドリンクとして、これからの季節のおすすめだという。

「ミルキーキューブ」(630円)は、アイスクリーム「ミルキーウェイ」にコムハニーをトッピング。
原宿店の限定ディップは、たっぷりの明太子を使用した「明太子バターマヨ」。

(ライター 桑原恵美子)

[日経トレンディネット 2015年5月1日付の記事を基に再構成]

フード・レストラン

ALL CHANNEL