錦織効果で松岡修造も、最新タレントパワー急上昇組
日経エンタテインメント!
表は、2014年調査から「タレントパワースコア」を大幅に伸ばした人をランキングした「急上昇TOP30」だ。総合の上位にはまだ届かないものの、「関心度」が高く、「認知度」の伸びしろがある次世代スターが数多くランクインするのが特徴。それを象徴するように、今回はスコアが21.3ポイント伸びた広瀬すずがトップだった。ドラマ初主演が話題になった『学校のカイダン』(2015年1月期)が放送されたタイミングで一気に上昇した。
2位には、総合でも4位と躍進したプロテニス選手の錦織圭、3位には投手と打者の"二刀流"で結果を出し続けているプロ野球選手の大谷翔平が入った。錦織が全米オープンテニスで決勝に進出した2014年9月には、かつての指導者である松岡修造の関心度が連動してアップ。以前からお茶の間に存在感を示していた松岡も、異例の急上昇を見せ15位にランクイン。大谷は2014年11月に『アメトーーク!』(テレ朝系)で芸人たちのトークテーマになり、これをきっかけに野球ファン以外の認知度も高まった。
ランキング全体を見ると、俳優業では高視聴率ドラマとNHK作品への出演が大きく影響していることが分かる。民放ドラマからは、平均視聴率21.3%を記録した木村拓哉主演の『HERO』(2014年7月期)で、レギュラーメンバーの検事役に抜てきされた吉田羊(よう)がスコアを11.8ポイント上げて5位にランクイン。同じく検事役に加わった松重豊も13位に入った。松重は主演作『孤独のグルメ Season4』(2014年7月期)のほか、杏ふんする主人公の父親を演じた『デート』(2015年1月期)も好評だった。
そのほか、平均視聴率16.0%のヒット作『きょうは会社休みます。』(2014年10月期)で、綾瀬はるか演じるヒロインの年下の彼を好演した福士蒼汰が10位に、最高視聴率16.7%を取った『昼顔』(2014年7月期)で評価を上げた斎藤工(たくみ)が21位に入った。
引退後に伸びた織田信成
NHK作品では、2014年の大河ドラマ『軍師官兵衛』に、8月から淀役で登場した二階堂ふみが7位に。二階堂の場合、2014年6月公開の浅野忠信とW主演した映画『私の男』が、モスクワ国際映画祭で最優秀作品賞を受賞して関心度が高まり、その後に日本全国の幅広い層に知られるチャンスとなる大河ドラマに出演したことで認知度が上昇した。また、朝ドラ出演者への注目度は例年同様高く、2014年3月まで放送された『ごちそうさん』のキャストでは東出昌大が9位、高畑充希が11位。そのあと2014年4月から9月まで放送された『花子とアン』からは、12位に鈴木亮平、22位に高梨臨(りん)、27位に窪田正孝がランクインした。彼らは朝ドラ後も民放連ドラなどに継続して起用されており、今後も活躍が期待できる。
音楽の分野では、2014年にデビュー25周年を迎え、記念シングルをリリースするなど精力的に活動したDREAMS COME TRUEの吉田美和が4位に入った。『NHK紅白歌合戦』初出場組としては、May J.が8位、SEKAI NO OWARIが25位。May J.は、250億円超の興行収入を記録した映画『アナと雪の女王』の日本版エンドソングを担当したことで、認知度が飛躍的に伸びた。14位の三代目J Soul Brothersは、『R.Y.U.S.E.I.』の日本レコード大賞受賞などでスコアがアップした。
バラエティー界からは、織田信成が18位に入った。フィギュアスケート選手引退後の2014年春頃からバラエティー番組に出演するようになり、すぐに感極まる"号泣キャラ"で一躍人気者に。高い認知度はそのままに、選手時代を上回る関心度を得られるようになった。
芸人では、総合でも大きく順位を上げた博多華丸・大吉が唯一TOP30入り。女性タレントのニューフェースとしては、スポーツニュースや情報番組のレギュラーに加えて、トークバラエティーへの出演回数が増えている小島瑠璃子が30位に滑り込んだ。
[調査概要]アーキテクト「タレントパワーランキング」調査(アーキテクト/http://www.talentsearch.jp/)からデータを入手 [調査方法]FAX調査 [実施時期]年4回(2月・5月・8月・11月) [調査地域]東京・千葉・埼玉・神奈川 [調査対象]タレントを一部入れ替えながら毎回1270組以上を調査 [回答者]アーキテクトの登録モニターより4400人を抽出(調査タレントを4グループに分割。10歳から59歳まで5歳きざみで男女それぞれ50人を抽出。60代は男女それぞれ50人抽出)。
●タレントに関する質問項目
A.各タレントの認知について、次の3段階から1つ選択してもらった。
(1)名前も顔も知っている (2)名前は知っているが、顔は思い浮かばない (3)このタレントを知らない
B.設問「A」で「(1)名前も顔も知っている」と回答したタレントに対して、「そのタレントがテレビ・映画・雑誌・DVDなどに出ていると関心があるか(見たい・聴きたい・知りたい)」を、次の4段階から1つ選択してもらった。
(1)とても見たい・聴きたい・知りたい (2)見たい・聴きたい・知りたい (3)見たくない・聴きたくない・知りたくない (4)まったく見たくない・聴きたくない・知りたくない
●認知度、関心度、タレントパワースコアの算出方法
認知度:質問Aで、「(1)名前も顔も知っている」と回答した人の割合(%)。
関心度:質問Bで、「(1)とても見たい・聴きたい・知りたい」か「(2)見たい・聴きたい・知りたい」と回答した人の合計値(%)。算出母数は質問Aで「(1)名前も顔も知っている」と回答した人の数。
タレントパワースコア:「認知度」と「関心度」を掛け合わせた値。そのタレントに、どれだけの人たちが引きつけられているか、「人気度」を示す指数。タレントが人々を引きつける力(=タレントパワー)の指標とした。具体的には、「認知度」に「関心度」の加重ポイント(「(1)とても見たい・聴きたい・知りたい」に「(2)見たい・聴きたい・知りたい」の1/3を加えた合計値)を乗じて算出した。
※ 上記方法で算出した2015年2月時点でのデータを2015年版、2014年2月時点でのデータを2014年版としている。タレントパワースコアは小数点第2位で四捨五入。順位は小数点第2位以下も含めてつけた。
(ライター 内藤悦子)
[日経エンタテインメント! 2015年6月号の記事を基に再構成]
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