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相続トラブル百科

相続した家が空き家に…こんな物件はにらまれる 司法書士 川原田慶太

2015/5/29

 5月26日から全面施行された「空き家対策特別措置法」がニュースをにぎわせています。倒壊しかけて危険な状態になっていたり、出入り自由となって放火や不審火の温床となっていたり、いわゆる「ゴミ屋敷」化していたりする空き家の管理が社会問題化し、対策を求める声があがっていました。行政側の取り組み強化がいよいよ本格的にスタートしたわけですが、実はこの対策、相続とも無縁ではありません。

京都市は行政代執行で空き家の解体を始めた(京都市上京区)

 特に深刻な状態となっている物件については、要注意物件(「特定空家等」と呼ばれます)として認定され、重点的に市区町村からマークされます。まず、「空き家の管理を適切にお願いします」と役所から「助言」や「指導」が来ます。それでも改善しなければ、次はよりニュアンスの強い「勧告」レベルに進みます。最終的には、取り壊しや廃棄など、強制力をもった「措置」レベルに至る可能性があるのです。

 ここでいよいよ、相続の問題が登場です。所有者が生きていれば当然のように本人に対して通知がありますが、亡くなっていた場合はどうなるのか。残念ながら、おとがめなし、とはいきません。引き続き、その相続人が指導や勧告などの対象となってきます。

 これまでの法律では、不動産はあくまで私有の財産であり、行政が踏み込んだ手続きをするのは難しい状況にありました。関係者の居所をつかむための調査にも一定の制約があり、手出しがしにくかったのです。しかし、一連の特措法により、行政側が空き家の所有者や相続人に以前よりも簡単にアクセスできるようになりました。

 要注意物件に認定されるかどうかには複数の判定ポイントがあり、法律上では4つの基準から判断されることになっています。国土交通省のガイドラインなども参考にして、どのような空き家が「特定空き家」となるのかみていきましょう。

(1)危険な空き家

 そのまま放置すると建物が倒壊したり、壁が崩れたりするような物件です。例えば、柱が傾いている、土台が腐っている、屋根や外壁が崩れ落ちそうになっている、土地を囲っているコンクリートの擁壁(ようへき)のひび割れがひどい――など、物理的に危ない箇所が目立つ空き家は要注意です。

(2)不衛生な空き家

 化学物質や汚水が漏れ出ていたり、「ゴミ屋敷」状態となっていたりするような物件です。例えば、アスベストを吹き付けた部分がむき出しになっている、トイレの浄化槽が壊れたり排水が流れ出たりなどして臭う、ごみの放置や不法投棄で臭いがきつくなっていたり、ネズミなどが大量発生してしまっている――など、地域住民の生活に影響が出てしまっているケースがあてはまってきます。

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