売れ筋が最適にはあらず 日本の投信はコスト高

日本の公募投資信託の残高が4月末で100兆円規模と過去最高になった。脱デフレ期待を背景に個人マネーの流入に弾みが付いているためだ。ただし残高上位の顔ぶれを米国と比べると日本は高コスト型が目立つ。売れ筋の違いを手掛かりに投信選びのポイントを探った。

「これが投信の売れ筋ランキングです」。会社員、小河曜子さん(仮名、33)が今春、大手証券の都内の支店を訪れると、窓口の女性に一覧表を見せられた。将来に備えて投資を始めようと考えていたが、初心者には投資対象が分かりにくい投信が多く、購入に踏み切れなかったという。

「売れ筋という言葉に引きずられなかったのは正解」と話すのは外資系運用会社社長を経て現在は投資教育を手掛ける岡本和久氏。「売れ筋が自分の資産形成に適した商品とは限らない」からだ。

アクティブ型が上位

投信の純資産残高上位を日米で比べると、日本は運用担当者の腕で市場平均を上回ることを目指すアクティブ(積極運用)型が5位までを占める(表A)。日経平均株価など市場平均に連動する低コストのインデックス型はゼロ。これは残高10位までをみても同じだ。

アクティブ型は信託報酬などコスト負担が大きいので、長期運用になるほどインデックス型に負ける傾向がある。もちろん長期で好成績のアクティブ型もあるが事前に選ぶのは簡単でないため「インデックス型を中心に運用する方が長期で資産を増やしやすい」(吉井崇裕イデア・ファンド・コンサルティング代表)との声が多い。

グラフBでは世界の不動産投資信託(REIT)、高格付けの海外債券、日本株の各分野で残高が最も多いアクティブ型投信の基準価格をそれぞれ代表的なインデックス型と比べた。いずれもインデックス型の上昇率が上回る。「こうした傾向は海外でも目立ち、米国では資金がインデックス型にシフトしている」(投信評価会社モーニングスターの朝倉智也社長)。米国では10年前には残高5位のうち4本がアクティブ型だったが、現在は1本だ。

注目記事
次のページ
入れ替わり激しく