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広がるカード決済、用途別に賢く使い分け

2015/5/29

買い物代金の支払いに使うカードの種類が増えてきた。カード各社は消費者の利用を増やすため、用途別にきめ細かい商品をそろえている。カードごとの特徴を理解して賢く使い分ければ、カード払いの便利さやお得さを生かしつつ、使いすぎなどのリスクを避けることも可能だ。

カードには大きく分けて後払いのクレジットカード、即時払いのデビットカード、前払いのプリペイドカードの3種類がある。

このうち最も普及しているのがクレジットカードだ。収入や過去の支払い実績などを基に設定される与信枠の範囲内であれば、後払いで買い物ができる。支払い方法は一括払い、分割払い、ボーナス払いなど様々だ。

後払いの利点は、例えば給料日前で手持ちの現金が少ない場合でも買い物ができる点だ。海外旅行保険などの付帯サービスが充実している利点もある。しかし預金が少なくても買い物ができるだけに、使いすぎのリスクを伴う。使用する際には自制心と計画性が大切になる。

即時決済のデビットカードは銀行口座と連動しており、カードを使って買い物をすると、即座に口座から代金が引き落とされる仕組みだ。多額の現金を持ち歩くリスクがないうえ、ATMに出向く必要がなく、引き出し手数料もかからない。与信枠はないが、口座ごとに1日の引き出し限度額が決まっている場合がある。インターネットで各種カード情報を紹介している消費生活評論家の岩田昭男氏は「学生がカードの使い方を勉強するにはうってつけだ」と指摘する。預金残高以内でしか使えないが、こちらも残高管理のために計画利用を心がけた方がいい。

プリペイドカードは前払い式で、あらかじめ入金した金額だけ使える。過度な使い込みを避けるには最適なカードだ。交通系や流通系の電子マネーに似ており、コンビニやスーパーにおける食費や雑貨など毎日の少額の買い物などに向いている。ただ入金額に有効期限があることには注意が必要だ。

政府はカードを中心にしたキャッシュレス決済をしやすい環境を東京五輪が開催される2020年までに整えたい考えだ。今後は整備が遅れている地方や観光地でもカードが使えるようになる可能性が高い。最近は用途としても、公共料金だけでなく、家賃などもカードで支払うケースが増えている。

カード各社は潜在的な需要を取り込もうと、利用者向けに様々な還元策を用意している。最も一般的なのがポイント制度だ。カードで支払った金額の一定割合がポイントとして還元される。TポイントやPonta(ポンタ)のような共通ポイントを付与するカードもある。よく立ち寄るレストランや専門店などでどんなポイントが使えるかを覚えておけば、カードを選ぶのに役立つだろう。

一般的にポイントの還元率はクレジットカードが最も高い。だがポイントをより多く得る「裏技」も少なくない。例えばクレジットカードからプリペイドカードへの入金でポイントを得たうえで、プリペイドカードの利用時にさらにポイントを稼ぐといった方法もある。ただ「ポイントを獲得しようとするあまり、カードで浪費してしまっては本末転倒になる」(岩田氏)。ポイントはカードを使っているうちに、結果的にたまっていたと気づくぐらいがちょうどいいのかもしれない。(湯田昌之)

[日本経済新聞朝刊2015年5月23日付]

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