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黄色い電車も中央線♪ 人気路線は謎だらけ?

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 東京の電車はややこしい。中でもJR中央線は格別だ。時間帯によってルートが変わったり、快速なのに途中から各駅停車になったり。「中央・総武線」とまとめて書かれることが多い総武線との関係も分かりにくい。どうしてこんなことになったのか。歴史をひもとくと、その答えが見えてくる。

中央線と総武線、御茶ノ水駅で相互乗り入れ

「まもなく、1番線に快速高尾行きが参ります」。JR御茶ノ水駅(東京・千代田)のホームに、オレンジ色のラインが入った電車がやってきた。しばらくすると隣の2番線には黄色い帯の電車が。こちらは各駅停車の三鷹行きだ。

ホーム上の表記を見てみる。1番線は「中央線(快速)」、2番線は「中央・総武線(各駅停車)」となっている。

念のためJR東日本のホームページで駅構内図を見てみると、1番線は「中央線快速(新宿・立川・高尾方面)」で2番線は「中央線各駅停車(新宿・中野・三鷹方面)」となっている。御茶ノ水駅にくる電車は中央線なのか、それとも総武線なのか。そもそも中央線と総武線は何が違うのか。JR東に聞いた。

「中央線と総武線は御茶ノ水駅で相互に乗り入れているんです。正式な線区名では、高尾駅―御茶ノ水駅が中央本線、御茶ノ水駅―千葉駅が総武本線となっています」

オレンジが中央線で黄色が総武線、というのは実は正確ではないという。黄色い帯の電車であっても、御茶ノ水駅から三鷹駅までは中央線の各駅停車なのだ。ただ、混乱を避けるため駅などでは「中央・総武線(各駅停車)」などの表記をしているようだ。

「オレンジが快速、黄色が各停」が基本

ややこしいのは中央線も総武線も複々線になっていること。複々線とは同じ方向に2線ずつ走っている線路のことで、中央線と総武線の場合、それぞれ快速と各駅停車となっている。

高尾・三鷹方面からやってきた中央線の快速電車は、御茶ノ水駅から東京駅へ向かう。同じく三鷹方面から来た中央線の各停は御茶ノ水駅で総武線に乗り入れ、秋葉原駅を経由して千葉駅に向かう。こちらは東京駅には止まらない。基本的にオレンジが快速、黄色が各停と考えればすっきりする。

ただし、この法則が当てはまらない場面がある。早朝や深夜の時間帯だ。中央線は快速も各停もすべてが東京駅発着となり、総武線との乗り入れがなくなる。総武線は御茶ノ水駅が終点となる。普段は秋葉原駅から新宿駅まで乗り換えなしなのに、23時台は御茶ノ水駅で乗り換えが必要になるのだ。しかもオレンジの電車なのに、快速ではなく各停になる電車まで出てくる。車両のやりくりのためというが、実にややこしい。

快速の扱いも面倒だ。東京から西に向かう中央線快速の場合、中野駅を過ぎると各駅に止まるようになる。隣を走る中央線の各停と全く同じになるのだ。

杉並3駅問題もある。杉並区にある高円寺・阿佐ケ谷・西荻窪駅は、平日は快速も各停も止まる。しかし土日になると、快速は通過してしまう。慣れていないと戸惑いそうだ。

御茶ノ水を目指した2つの路線

同じ線路の上を走る中央線と総武線。なぜ御茶ノ水駅で呼び方が変わるのか。歴史を振り返ってみた。

中央線のルーツは甲武鉄道だ。新宿から羽村まで、玉川上水に沿った馬車鉄道を造る構想から始まった。1880年代に計画が浮上し、「新宿―立川」間が1889年(明治22年)に開業した。

20世紀になると、都心部を目指した。1904年には御茶ノ水駅に到達。1906年に甲武鉄道が国有化されると、八王子以西で建設が進んでいた中央線と一体化した。こうして御茶ノ水駅は、一時的ではあるが中央線のターミナル駅となった。

一方の総武線は、総武鉄道がルーツだ。1894年に「市川―佐倉」間で開業した。こちらも都心部を目指し、錦糸町、両国橋と延伸を続ける。同じく1907年に国有化され、関東大震災の後、中央線との乗り入れ計画が持ち上がった。このとき接続駅となったのが、御茶ノ水駅だったのだ。

現在、総武線の起点は東京駅となっている。起点を示すゼロキロポストも東京駅にある。だが実は、御茶ノ水駅にもゼロキロポストが残っている。2番線と3番線の間だ。探してみるのも楽しい。

ちなみに中央線のゼロキロポストは東京駅にあるが、厳密には起点は神田駅だ。「東京―神田」間は東北本線の扱いになるため、路線の重複を避けて神田にずらしたとのことだった。

かつて「飯田町駅」があった

中央線の歴史を調べていると、今はない駅の名前にぶつかった。飯田町駅。飯田橋ではない。飯田橋の近くにあった、かつてのターミナル駅だ。

開設は1895年。現在の飯田橋駅よりやや東側、隣の水道橋駅に向かう途中にあった。実はこの飯田町駅、歴史に名を残す駅でもある。日本の鉄道で初めて、電車の営業運転が行われた駅なのだ。

日本で最初の鉄道が走ったのは「新橋―横浜」間で、1872年のことだ。蒸気機関車だった。それから32年後の1904年8月、「飯田町―中野」間を、電気を動力とする電車が走った。既に路面電車はあったが、鉄道路線では初めてのことだった。

ちなみに中央線にはもう一つ、「日本初」がある。女性専用車両だ。女性専用車両と聞くと最近のことのように思えるがさにあらず。1912年、明治45年には既に、中央線で導入された。

当時の朝日新聞によると、名前は「婦人専用電車」。不良少年から女子学生を守る目的で始まった。午前8時半前後と午後3時半前後の時間帯に、2両編成のうち1両を女性専用としたという。

話を戻そう。華々しくデビューした飯田町駅だったが、旅客駅としては長くは続かなかった。中央線の複々線化に伴い、隣の牛込駅と統合することになったのだ。こうして生まれたのが現在の飯田橋駅だ。1928年のことだ。飯田町駅が旅客駅として営業したのは、わずか24年にすぎなかった。

飯田町駅はその後も貨物駅として存続したが、1999年に廃駅に。現在はホテルやオフィスビルからなる複合施設「アイガーデンエア」となっている。JR貨物の旧本社も、オフィスビルに生まれ変わった。

アイガーデンエアの敷地内を歩いてみると、線路らしきものがあった。敷地の外側から建物まで、アプローチのようにまっすぐ延びている。試しにレール幅を測ってみると、ちょうど1067ミリ。現在の中央線と同じ幅だ。かつてここに線路がありターミナルがあったことを、さりげなく伝えている。

飯田橋駅、JR都内最大の急カーブ駅

飯田橋駅のホームを歩いてみると、電車とホームの幅がずいぶん開いていることに気づく。JR東によると、最大33センチあるらしい。うっかりすると人が落ちてしまうくらいの隙間だ。実際、年間10件ほどの転落事故があるという。

なぜこれほどの隙間が生まれたのか。

地図を見るとよく分かる。飯田橋駅のホームは、急カーブに設置されているのだ。JR東の駅としては、東京都内で最大のカーブだとか。

何もわざわざこんな急カーブに駅を造らなくても…と思うが、それは違う。最初に駅を設置したときには、ここまでのカーブではなかったのだ。

飯田橋駅ができたのは1928年。当時はまだ車両編成が短く、ホームも短かった。その分、カーブもさほどなかった。しかし輸送需要の増加に伴いホームを水道橋方面に延ばした結果、急カーブになってしまったのだ。

飯田橋駅、2020年までにホーム移設

JR東では現在、飯田橋駅のホームを新宿駅寄りに約200メートル、移設する計画を進めている。直線を確保できる西側に移すことで隙間は10~15センチ程度に抑えられるという。2020年までの完成を目指す。

今回の工事区間は、一部が史跡に指定されている。江戸城外堀跡だ。文化財保護法に基づく史跡のため、工事では配慮が必要となる。設計方法などは第三者委員会で協議する予定だ。

ホーム移設と同時に、飯田橋駅前には約1000平方メートルの駅前広場ができる予定。周辺環境は大きく変わりそうだ。

住宅街のイメージもあり、地方出身者にはハードルの高い中央線。それでも沿線の人気は高い。停車駅に注意しながら、沿線散歩を楽しみたい。

(河尻定)

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