2015/6/30

ではサマータイムのメリットの方はどうであったか。残念ながら、期待された省エネ効果はさほどでもないことも明らかになってしまった。先の調査に関わったフランスの議員団はこれらの結果を受けて、このような人為的で不自然な制度は止めるべきであると勧告している。すなわち国際的には時代遅れの制度なのである。

日本でも福田内閣時代にサマータイムの導入が検討されたが、先のような反論が数多く出され結局見送られた。あの時の論議は忘れられたのであろうか…。「朝型勤務」などと名称を変えても、これは改悪版サマータイムであり、科学的な視点から見ればその導入には理がない。

「早起きが辛いのは最初だけ」のウソ

公務員の朝型勤務は夏限定であるが、一部の商社が取り入れているのは「永続的な」朝型勤務である。これは後ほどご説明するように、別の意味で非常にキツイ。そもそも朝型勤務によって生産性は向上するのだろうか。私はかなり懐疑的である。少なくとも一部の労働者にとってはかなり厳しい状況が待ち受けているだろう。

ともあれ、ある企業のホームページに掲載されている朝型勤務の「成功例」を見てみよう。法務部勤務のN氏の1日だそうである。

ひゃー、少なくともN氏は「標準的な」成功例ではない。N氏のアクティビティを見るに、営業1課でも十分番を張れる強者とみた。そもそも朝型勤務の導入前から早起きを楽に実践できていた方ではないだろうか。加えて、朝7時半から預けられる社員用託児所があり、その10分後には出社という恵まれた…いやいや、やめておこう。

「早起きが辛いのは最初だけ」「早起きは早寝に通じる」などという楽観論もよく聞くが、コトはそう単純ではない。確かに、普段より早起きすると体内時計の時刻は早まる(朝型にシフトする)。ポイントは太陽光を浴びるタイミングの変化である。午前中、特に早朝に網膜に入射する強い光は(当日ではなく)翌日の体内時計をより朝型にシフトする作用があるからだ。

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成人の3割は夜型。そして、朝型シフト効果は1日のみ
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