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なぜか漏れる個人情報、子供に教えるスマホの危険

2015/5/22

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日経DUAL

スマートフォン(スマホ)やゲーム機で子どもが簡単にインターネットへアクセスできる時代、昔では考えられなかったような事件に子どもが巻き込まれる可能性が増えてきました。そこで今、携帯電話会社は子ども向けの安全教室に力を入れています。先日、小学生とその保護者を対象にNTTドコモが行った安全教室の様子を紹介します。

今回取材したのは、杉並区立杉並第十小学校の体育館で開かれた「スマホ・ケータイ安全教室(入門編)」。参加したのは、杉並区立杉並第十小学校の5年生と6年生ですが、開催日は土曜日に設定され、保護者も参加できるようになっていました。講師を務めたのはNTTドコモあんしんインストラクターの山崎義道さん。さて、どんな授業になるのでしょうか。

(写真:勝山弘一、以下同)

スマホや携帯以外にも、インターネットにつながるものがある

――児童の前に立った山崎さんは、会場全体をぐるっと見渡した後、子ども達に最初の質問をしました。

山崎さん:まず、皆さんに質問があります。「一回でもスマートフォンや携帯電話を使ったことがあるよ」という人は、手を挙げてください。

――児童のほとんどが手を挙げました。

山崎さん:なるほど、なるほど。ほとんどの人が、使ったことがあるんですね。それでは、スマートフォンや携帯電話でどんなことができるのか、知っている人はいますか。

児童:「通話」「ゲーム」「メール」「動画を見る」「LINE」……。

山崎さん:たくさん出てきましたね。スマートフォンや携帯電話は、いろんなことができる便利な道具ですよね。でも、間違えた使い方をしてしまうと、自分や家族、友達を悲しませることになるかもしれません。今日は、そういうことにならないように、どんなことに気を付けなければいけないのかを一緒に考えていきたいと思います。

ではまず、インターネットについて質問します。最近は、様々な機器でインターネットを使っていますよね。「インターネット」につながる機器というと、何が思い浮かびますか。

児童:「パソコン」「スマホ」「ケータイ」「タブレット」「携帯ゲーム機」……。

山崎さん:そうですね。最近では「携帯ゲーム機」や「携帯オーディオプレーヤー」でも、インターネットを使えるようになっています。まだ自分用の携帯電話やスマートフォンを持っていないけれど、携帯ゲーム機だったら持っているという人は、たくさんいますね。皆さんにとって、インターネットはとても身近な存在になっているんです。

「個人情報」ってどんな情報なの?

――次に山崎さんは、インターネットで怖い目に遭わないように、特に気を付けなければいけないことを説明し始めます。

山崎さん:それでは、インターネットで気を付けなければいけないことを考えていきましょう。そのためのヒントを、これから2つ言います。1つ目は「インターネットを見ているのは、自分の友達だけじゃない」ということ。そして2つ目は、インターネットに掲載された情報は「どんどんコピーされたり、悪いことに使われたりすることもある」ということ。この2つのヒントを基に、インターネットについて考えましょう。

ではまず、「情報発信」について考えていきましょう。情報発信というのは、自分からインターネット上に情報を載せたりしていくことです。大人たちは、SNS(交流サイト)などで色々な情報を発信していますね。自分や他人の情報のことを、よく「○○情報」って言いますが、知っている人はいますか。

児童:個人情報!

山崎さん:そう、個人情報ですね。個人情報とは、その情報を使って個人を特定できる情報のことをいいます。それでは、どんな情報が個人情報に当たると思いますか。

児童:「電話番号」「住所」「名前」「生年月日」「メールアドレス」……。

山崎さん:そうですね。そういうものが個人情報ですね。その他にも、色々あります。例えば、「顔の写真」も大切な個人情報です。このような、「どこの誰だか分かってしまう」個人情報を、インターネット上に掲載していいと思いますか。

児童:危ないからダメ!

――ここまでは、誰でも知っているような個人情報の話です。子どもたちは、山崎さんの質問に対し、順調に答えていきました。ここで、山崎さんは一枚の写真を取り出します。山崎さんは、この写真を使って、もっと分かりにくい個人情報の説明を始めました。

子ども達に質問しながら解説を進める山崎さん

安全そうな情報も、組み合わせれば個人が特定できる

山崎さん:では、こんな写真ならどうでしょう。ある男の子がスイミングスクールで昇級したときに、自宅の近くで撮影した記念写真です。この男の子は、うれしさのあまり、この写真をインターネット上に掲載しようとしています。でも、実はこの写真には「載せても大丈夫なの?」という情報が隠されています。どれだと思いますか。

児童:「認定書に名前が書かれている」「かばんにスイミングスクールのロゴが入ってる」……。

山崎さん:そうですね。認定証には、通っているスイミングスクールの名前も書かれています。しかしその他にも、場所が特定できる情報があります。男の子だけでなく、背景も見てみましょう。電信柱には、住所らしきものが見えていますよね。この場所を知っている人なら、この写真をどこで撮影したのか、すぐに分かってしまいます。このように、なんでもない写真に見えても、そこにはたくさんの情報が隠されているのです。

「個人につながる情報」にも、注意が必要です。「学校名」「学年」「よく遊ぶ場所」「通っている塾」などの情報は、それだけでは誰かを特定できません。しかし、これらの情報を組み合わせると、個人を特定できる場合があります。ですから、これからは名前や顔写真のような明らかな個人情報だけでなく、個人情報につながるかもしれないささいな情報も、インターネットに掲載しないように注意してください。

保護者や地域の住民向けに、会場で配られた「ケータイ安全教室ポイントブック」

(ライター 秋葉けんた)

[日経DUAL 2015年4月7日付の掲載記事を基に再構成]