オフィスの机、「ぐちゃぐちゃ」からの脱出法事務効率化コンサルタント、オダギリ展子さん

新年度が始まり、心機一転とばかり整理整頓した机が、1カ月もたたないのにもうぐちゃぐちゃ――。そんな人も少なくないのでは。事務効率化コンサルタントのオダギリ展子さんによると、机の周りをきれいに保つコツは「小かたづけ」。ひと仕事終えるたびに机まわりをいったん整理するとよいという。ノウハウを伝授してもらった。
おだぎり・のぶこ 金沢市出身、1963年生まれ。特許事務や貿易事務に携わり、ミスを防ぐためのノウハウや事務効率化のテクニックを身につけた。最近の著書に「デスクワーク整理術」(三笠書房)など。講演やセミナーも多数行っている。

――整理整頓や事務の効率化はどちらかといえば地味な作業です。なぜ注目したのですか。

「昔働いた特許事務所での経験がきっかけでした。どの職場もそうですが、特にミスが許されない仕事でした。独特のおきてがあり、例えば封筒は3辺を切り開いて、中に残った書類がないかまでチェックします。厳しいですがおきてを守って仕事をすると実際ミスが減り、結果的に効率が上がりました」

「その後も貿易事務などを通じてノウハウを積み上げました。他の人にも生かしてもらえればと、10年ほど前にメールマガジンでアイデアを紹介し始めました。自分では当たり前と思っていたFAXの送り方などが意外にも好評を得たため独立して講演や執筆活動に入りました」

――きちんと片付けられる人とできない人の違いは何でしょうか。

「目的意識があるかどうかだと思います。仕事で一度ミスをすれば、致命的な結果になることもある。挽回するのに2倍、3倍の労力もかかります。そうした事態を絶対に避けよう、と意識することで、片付けをやろうと思うはず。見た目が汚いから仕方なく整理整頓するのはしんどいし、習慣として長続きしないですね」

――「ぐちゃぐちゃ机」をすっきり整理するポイントを教えてください。

「まず、最初に不要なものは捨てます。次に使用頻度と利き手に応じてモノの置き場所を決めます。机上に置くモノは最小限に。横の3段引き出しには上から文具、伝票、書類ファイルなどを収納し、使う回数の多いモノから手元近くに置きます。中央の広い引き出しには仕掛かり中の仕事を離席・休憩時に一時的にしまいます」

「書類管理も大事です。机上に広げる書類は1案件分にとどめます。新しく入ってくる書類やメモは受け取る場所をひとつに集約し、散乱しないようにすること。作業段階に応じてボックスファイルや3段トレーに入れて管理しておくと混乱しなくていいですね」

――きれいな机を長く保つ秘訣はありますか。

「おすすめしたいのは『小かたづけ』です。ひとつの仕事が片付いたら、いったん書類をまとめファイルやペンを元の場所に戻し、いらない書類やゴミも捨てます。ある職場の先輩がやっているのを見て私も実践しました。1日の仕事の最後に片付けようとする人が多いと思いますが、小かたづけの方がいったん気分もリフレッシュして次の仕事にかかれます」

「ただ、仕事に不要なものがすべて無駄というわけではありません。会社の規定や雰囲気などにもよりますが、机に家族や動物の写真を貼ったり自分の好きな小物を置いたりしても構いません。仕事のモチベーションをあげるものは積極的に活用してください」

――机をきれいにしておくことで私生活も変わるというのが持論ですね。

「机周りを整理しておくことは、仕事を効率化するために最も大事なポイントのひとつです。私は以前、ある職場で担当者が多いときで月に100時間していた残業を自分が引き継いだ後、ゼロにしました。仕事を定時で終えて友人と会ったり、料理教室などの習い事に通ったり。私生活を楽しめるようになりました」

「きれいな机で仕事に集中できれば、効率が上がるうえミスを防ぐことにつながる。その結果、残業やストレスが減ります。多くの人々が、机の周りをすっきりさせて、仕事も私生活も充実する――。それが私の願いです」