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徴兵迫る男性グループも…韓流スターは今【K-POP編】

日経エンタテインメント!

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NIKKEI STYLE

 『冬ソナ』ブームから12年、K-POPブームから5年。当時、一世を風靡したスターたちは日本での「韓流ブーム」が去った今、どうしているのだろう。その現状は、いまだトップに立ち続ける人、残念ながら人気が下降した人と悲喜こもごも。彼らの今を紹介するこの企画、先週の「俳優編」に続き、今回は「K-POP編」をお届けしよう。

メンバーの徴兵、脱退、交代で心機一転、新グループの続出で戦国時代に

2003年から起こった韓流ドラマブームに少し陰りが見え始めていた2010年から、KARA、少女時代、2PM、SHINeeなど、人気者の日本デビューが相次ぎ、K-POPはにわかに全国的ブームに。両国間の関係が冷え、日本では一時の勢いは衰えたものの、中国ほかアジアでは若い世代を中心に、ファッションをまねしたり、ダンスをカバーしたりと、K‐POPカルチャーが浸透している。

この5年を経て、日本で人気者になったグループはどうしているのか…。まず女性グループは、KARAのメンバーが事務所と契約でもめ、2減1増の4人で奮闘中。元メンバーのジヨンは日本で女優やモデルとして活動し、同じく脱退組のニコルは韓国でソロ歌手に。KARAと日本でしのぎを削った少女時代も、歌姫ジェシカが脱退した。

息の合ったダンスが売りのK-POPグループにとって、メンバー脱退や変更は痛手だ。いじめ疑惑が原因で脱退者が出たT‐ARAの例もあり、多くの女性グループは今、傷心のなか、心機一転、頑張っている。

毎月新人が出てくる韓国

一方、男性には徴兵制度が大きな壁として立ちはだかる。芸能活動をできるだけ長くするため、入隊時期を期限ギリギリの30歳にまで延ばすのが通例だ。

もうひとつ、男性グループの最近の動静に共通しているのは、熱しやすく冷めやすい韓国ファンに向け、次々と新人グループが出てくるため、その勢いにのまれてしまうケースだ。10年前は、韓国で年に2~3の新人グループが誕生する程度だったのが、今では毎月のように新人がデビューする時代。

デビューラッシュが加速した原因に、アジアでのアイドルビジネスの成功事例を見て、モデル事務所ほか、既存の芸能事務所以外の新興勢力が参入してきたことがある。その結果、サバイバル競争が激化。新人たちも、名前を覚えてもらえるようになるまで時間がかかるため、先輩たちに遠慮していられない。数カ国語を操るメンバーをグループに入れるなど、韓国だけでなく、中国ほかアジアの国にも活動の場を拡大中だ。

ただ実績としては、これまで新興事務所にはアイドル育成のノウハウがなく、かけられる予算も少ないので失敗続きだった。しかし、ここ数年、VIXX、防弾少年団といった、事務所が小さくても大健闘する若手も現れている。女性グループも、清純派で成功したA pink、セクシー系で台頭したGirl's Day、独自路線を貫くクレヨン・ポップと、個性を売りに、頭角を現すグループが目立っている。

そこで、大手事務所も次々と新人を投入し、自らが築いてきた帝国の維持に懸命だ。3大事務所のSM、YG、JYPからは、日本で初のイベントに10万人を動員し、今や最もチケットが入手困難な韓国歌手といわれるEXO(SM)、デビュー曲で本国1位を奪取したWINNER(YG)、多国籍グループGOT7(JYP)という若手男性グループが登場し、まさに群雄割拠の様相を呈している。

人気グループのメンバーがソロ活動で人気維持

次々と新人が現れ、うかうかしていられない先輩たち。そこで、最近では人気グループのメンバーがソロ活動も掛け持ちするのがはやりだ。SUPER JUNIORのキュヒョン、SHINeeのジョンヒョン、CNBLUEのヨンファと、有名グループのメンバーのソロの作品が、次々と韓国の歌番組で1位に。グループの生き残りには、ソロでの「出稼ぎ」が欠かせない。

K-POP、人気「男性アーティスト」たちの今

●MBLAQ(エムブラック): メンバー脱退、入隊間近で空中分解か

5人組だったが、俳優としても活躍するイ・ジュン、チョンドゥンの2人が2014年11月のコンサートを最後に契約満了で脱退。事務所も移籍。残るメンバーのうち年長者のスンホ、G.Oも2015年28歳を迎え、入隊しなければならない年齢になりつつあり、グループの存続そのものが危ぶまれている。

●CNBLUE(シーエヌブルー): バンドに加え、役者業も幅広く

デビュー当時はギター&ボーカルのヨンファばかりが目立っていたが、現在はバンド活動も充実させながら、メンバーそれぞれがドラマにバラエティーに大活躍。「先輩FTISLANDを人気で上回った」と事務所社長がテレビ番組で発言し、FTISLANDのホンギの怒りを買うという一幕も。

●SHINee(シャイニー): 待望の東京ドーム公演が決定

東方神起、SUPER JUNIORら事務所の先輩には一歩及ばず、後輩EXOには突き上げられと厳しい立場に置かれていたが、2014年秋から日本全国をまわるホール&アリーナツアーを開催。さらに、夢だった東京ドームライブも発表され、ファンはもちろんメンバーも号泣して喜びを表した。

●SUPER JUNIOR(スーパージュニア):韓国史上初の既婚者アイドル誕生に騒然…

2005年のデビュー以降、様々なトラブルに悩まされながらもリーダーのイトゥクの見事な統率力でトップアイドルの座を守り続ける。だが2014年末、ソンミンの結婚発表にファンが大激怒。彼の誠意のない態度はイトゥクをも怒らせ、今も怒りは解けていない模様。

●超新星: メンバー入隊をプラスに変える策略が成功

リーダーのユナクの入隊という最大の危機を乗り越えたと思ったら、2014年夏には一番人気のソンジェが入隊。今後もメンバー入隊を控える超新星だが、兵役をむしろ当たり前のこととして捉え、ファンと一緒に超新星を守るというストーリーを描いた。結果、ファン離れを防ぎ人気を維持。

●WINNER(ウィナー): 新人賞を総なめにしたBIGBANGの弟分

YG ENTERTAINMENTがBIGBANGの弟的グループとしてデビューさせた新人で、デビュー前には社内オーディションとして別グループと激しくバトル。直前までBチーム(現iKON)が勝つかと思われていたが、ギリギリで勝ち残り、デビューを勝ち取った。

●EXO(エクソ): 一番チケットが取れない韓国アーティスト

2013年、韓国で1stアルバムがミリオンヒットに。翌年、日本初の単独コンサート直前に中国人メンバーの脱退騒動に見舞われたが、チケットは1.47秒で完売。今、最も生で会えないアイドル。新人だが、K-POPブームの行く末のカギを握る存在。

●2PM(トゥーピーエム): 大型新人が続々登場し、韓国では存在感薄く…

デビュー当時、野獣アイドルで一世を風靡した2PMも今や30歳目前。ニックンの飲酒運転で活動を自粛している間に韓国では大型新人が続々登場し、賞レースからも遠ざかっている。しかし日本では安定的な人気を誇り、2014年はソロツアーも活発だった。

●VIXX(ヴィックス): ダーク・ファンタジーの世界観で人気に

2012年韓国デビューのVIXXは同期がEXO、B.A.Pといずれも大型新人グループ。当初は彼らに人気で劣ったが、翌年『傷つく準備はできている』で試みたダークなコンセプトのイメージが大受けし、認知度がアップ。先輩グループを追い落とす勢いがある。

●防弾少年団: かわいくて実力も文句ナシの超大型新人

ヒップホップにありがちな悪ガキのイメージを覆し、アイドル的ルックス、実力を武器にする正統派。中高生を中心に爆発的な人気を誇っている。ライバルグループからの支持も高いが、本人たちは仲間同士でいるほうが気楽なようで、芸能界に友人はほぼいないという報道も。

K-POP、人気「女性アーティスト」たちの今

●KARA(カラ): 新メンバー・ヨンジの人気がうなぎのぼり

ニコル、ジヨンがKARAを抜け、一時はグループ存続すらも危ぶまれたが、新メンバーに選抜オーディションを勝ち抜いたヨンジが2014年に抜てきされた。キュートなルックスと天然キャラで人気が爆発。バラエティーにもひっぱりだこで、今ではすっかりKARAの顔に。

●Girl's Day(ガールズデイ): 恋愛体質の肉食系セクシー路線で成功

2013年に16歳年上のトニー・アン(元H.O.T)との熱愛・破局が報じられるなど、恋愛が解禁になった途端スキャンダルを連発。2015年はリーダーのソジンがEXOのD.Oとの交際をほのめかしファンをやきもきさせるなど、セクシーアイドルの面目躍如ぶりを見せている。

●SISTAR(シスター): 健全な色気と実力で女性人気高し

デビュー当初は「歌はうまいが外見はイマイチ」という評価が多かったが、芸能活動の間に自然に磨かれ、今では健康的セクシーの代名詞に。特にボーカルのヒョリンの黒光りするダイナマイトボディーはこびない女の強さを象徴しているようで、女性からの人気が高い。

●T-ARA(ティアラ): いじめ疑惑で韓国では再起にかける

2012年にファヨンが、その翌年には彼女の穴を埋めるべく加入したアルムも脱退。メンバー間のいじめ疑惑を払拭できず、すっかり落ち目に。ソロ活動や海外公演でお茶を濁す活動が続いた。2014年末に韓国デビュー5年でようやく本国初単独コンサートを開催。2015年は再起にかける。

●4Minute(フォーミニッツ): 大人になって真面目になったか…

韓国のセクシーアイコンのヒョナをはじめ、デビュー当時は高校1年生だったソヒョンも成人し、大人の女性のグループに成長。一時はあちこちで浮名を流したヒョナの魔性の女っぷりもすっかり鳴りを潜め、メンバーやf(x)のエンバなど女性とばかり付き合っているのがさびしい。

●AOA(エーオーエー): 当て振りをやめてセクシー路線へ

FTISLAND、CNBLUEの事務所FNC初の女子アイドルとして、デビュー当初は楽器演奏(当て振り)していたが売れずに断念。セクシー路線に方向転換してから人気が出始め、2014年は『Like a Cat』の猫ダンスと猫耳スタイルで人気者に。

●Apink(エーピンク): ファンの嫉妬も何のその、日本でデビュー

清純派アイドルとして2011年デビュー当初から男性人気は抜群だったが、2013年にナウンがSHINeeのテミンと『私たち結婚しました』に共演してSHINeeファンの集中砲火を浴びる羽目に。しかし、おおむね男女ともに人気は高く、2014年日本デビューを飾った。

●クレヨン・ポップ: パクリ疑惑以降、人気と勢いに陰り…

2013年発表曲の『Bar Bar Bar』の不思議なダンスや衣装で一大ブームを巻き起こすも、年末に発表した新曲に盗作疑惑が発生。衣装でのパクリ疑惑と散々で人気失速。しかし海外では個性的なスタイルが大絶賛で、2014年、レディー・ガガの招へいで米ツアーの舞台に立った。

●少女時代: 脱退、熱愛発覚も、大勢に影響なし

2014年1月にユナ、スヨンの熱愛が報道され、その後もメンバーの熱愛が続々発覚。さらにジェシカの脱退もあり一時は騒然となったが、2014年末には日本デビューから4年で夢の東京ドーム公演を実現。ざわめく周囲を一蹴し、トップアイドルのプライドを見せた。

●2NE1(トゥエニーワン): 海外人気を武器に米進出を計画中

2014年2月に発表したアルバム『Crush』が米ビルボード誌のチャートにランクインし、アメリカ進出も視野に入ってきたタイミングで、韓国に輸入が禁じられている薬物をメンバーが取り扱った疑惑が出て活動がストップ。事なきを得て、2015年はCLのアメリカ進出も予定されている。

(ライター 小田ナリ子、日経エンタテインメント! 白倉資大)

[日経エンタテインメント! 2015年4月号の記事を基に再構成]

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