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テラス席が豊富 キュープラザ原宿は「朝食ビル」だ

2015/5/2

日経トレンディネット

「キュープラザ原宿」の外観。地下2階、地上11階の棟と、地下1階、地上2階の2棟からなり、約120平方メートルの壁面緑化を配している

2015年3月27日、渋谷と表参道をつなぐ明治通り沿いに「キュープラザ原宿」がオープンした。この商業施設には「センスオブプレイス バイ アーバンリサーチ」初のレストラン併設ショップのほか、スペースシャワーネットワークのカフェ「AREA-Q」やポートランド発の老舗パンケーキ店「オリジナル パンケーキハウス」など、飲食店11店舗が出店。そのほか、エステサロンやヘアサロン、ウエディングサービスなど、地下2階から地上11階までに合計16テナント、18店舗が入居している。

渋谷の大規模な再開発を着々と進めている東急不動産は、「渋谷から表参道をつなぐエリアの新たなランドマークにしたい」と気合十分。2012年に旧GAP跡地にオープンした「東急プラザ 表参道原宿」が「東急プラザ」ブランドの旗艦店なのに対し、キュープラザ原宿は都市型商業施設の新ブランド「キュープラザ」の第一号となる。

東急プラザ表参道原宿は森をフィーチャーしたコンセプトで話題になったが、キュープラザ原宿もまた、緑や光を感じる居心地の良い都市型商業施設を目指したという。「ネットで買えるものがあふれている中、リアルでなければ体験できない心地良さ、価値を提供していきたい」(東急不動産都市事業ユニット 都市事業本部 商業施設開発部 事業企画グループ兼リーシンググループ グループリーダー 大久保次朗氏)。その狙いはどのような形で反映されているのか。早速、施設を訪れた。

施設の顔となる1階に陣取るのはアーバンリサーチが手がけるファストファッションブランド「センスオブプレイス バイ アーバンリサーチ」の旗艦店
センスオブプレイス バイ アーバンリサーチの2階には新業態のカフェレストラン「タイニーガーデンキッチン」を併設

■人気の朝食メニューが目白押し

11店舗ある飲食店の中でも特に目立つのが、朝食メニューを看板とする店。パンケーキやエッグベネディクトなどの人気朝食メニューが名物の「オリジナルパンケーキハウス」(8階)、目玉焼きボウルなど朝食の新しい楽しみ方を提案する「グッドモーニングカフェ&グリル キュウリ」(3階)、スムージーやアサイーボウルなど健康的な朝食メニューが充実しているハワイアン・カフェ&ダイニング「アロハテーブル」(3階)など、まるで「朝食ビル」といった趣。「施設を訪れる人々に気持ちの良い時間を過ごしていただき、新しい気分で新しい一日がスタートできる空間や時間を提供したい」(大久保グループリーダー)という。

3階の「グッドモーニングカフェ&グリル キュウリ」では、7種類の朝食メニュー「アサイチ」を提供。写真はキュープラザ原宿店オリジナルの「GMCGQ目玉焼きボウル」(税込み680円)。ライスの上に半熟の目玉焼きにトマトソテー、キュウリが乗り、シソとエシャロットを使ったしょうゆベースのソースがかかっている。豪華な卵かけごはんのイメージ
「グッドモーニングカフェ&グリル キュウリ」の朝メニュー「本日の新鮮野菜のサラダボウル」(税込み800円)。すごいボリュームで、野菜をしっかり食べたい人におすすめだ。季節野菜のタパス6種付き

■生地の粉を選べるピザ、好みの量をカットできるステーキも

ほかにも、ユニークな飲食店がそろう。キュープラザ原宿の最上階の「シックスマーズ ステーキ&バル」は、ニューヨークのおしゃれスポット「ミートパッキング地区」をイメージ。ニュージーランド産プレミアムビーフ「RESERVE」を、好みの量でカットして提供する。

最上階にある「シックスマーズ ステーキアンドバル」の2フロア吹き抜けの店内からは 新都心・渋谷方面・スカイツリーと多方面の眺望が楽しめ、ダイニング・バーカウンター・個室と趣向の異なる席がある
「シックスマーズ ステーキ&バル」ではニュージーランド産プレミアムビーフ「RESERVE」を好みの量でカットして提供する

「ピッツェリア カンテラ」では、国産小麦「春よこい」を石臼でひいた全粒粉ピッツアを提供。生地を、普通の小麦と全粒粉の2種類から選べる。東京・立川にある本店で好評の全粒粉パンを、ピザにも応用できないか研究したとのことで、「ここでしか食べられない生地」とのこと。また店内中央には生ハムのスライサーがあり、注文のたびにスライスして提供している。使用しているホバート社のスライサーは非常に薄くスライスできるのが特徴で、口に入れた瞬間に溶けるような薄さの生ハムが味わえるという。

9階にある「ピッツェリア カンテラ」は生地に全粒粉を使ったピザが売り。モチモチした食感に独特の香ばしさが加わり、皮だけでも満足できるほどのおいしさだった
4階にある「スミス」はラウンジ、ボックス席、個室、テラス席の約100席が設けられており、用途によって使い分けが可能。写真はボックス席を用意したラウンジスペースで、職人の街・ブルックリンをイメージし、一つひとつ異なるデザインのアンティークの椅子が置かれている

ダイニングバー「スミス」では、オリジナルのクラフトビールのほか、樽(たる)から注ぐクラフトビール8種類と約40種類の瓶入りクラフトビールが味わえる。また自社農園で採れた野菜を使ったピザ、サツマイモやニンジン、ゴボウ、レンコン、ジャガイモの野菜チップスなど、ビールに合う野菜料理も豊富だ。

「スミス」で提供している、パイ生地を折り返して焼いたブルックリンスタイルの「ディープパイピッツァ」。写真は「ベーコンとホクホクポテトのクリームソースパイピッツァ」(1520円)

■ほとんどの飲食店に絶景&開放感抜群のテラス席

施設内のレストランは、どこも間口に対して奥行きがあり、開放感もある。東急プラザ 表参道原宿の敷地面積が約1769平方メートルなのに対し、同施設は約2152平方メートル。キュープラザ原宿のほうが敷地面積が広いのだ。

さらに特筆すべきは、ほとんどの飲食店がテラス席を用意していること。席数に差はあるが、どこも見晴らしが良く、非常に快適だった。これからのシーズンは、テラス席の争奪戦になるだろう。また床がフローリングだったり、無垢(むく)の木材を使用していたりする店が多いのも、開放感を感じる理由かもしれない。「明るく開放感があり、光や緑を感じられる施設を目指した」(大久保グループリーダー)という狙いが、インテリアにしっかり反映されているようだ。

「シックスマーズ ステーキ&バル」の地上40メートル以上の高さで東京の夜景を一望できるオープンエアのテラス席
「アロハテーブル」のテラス席

意外だったのは、物販が1~2階の「センスオブプレイス バイ アーバンリサーチ」のみで、飲食店やヘアサロン、エステサロンが大部分を占める出店構成。その理由については、「施設全体をリラックスして日常の気分を切り替えられる場所にしたいと考えたため」(大久保グループリーダー)だという。

ターゲット年齢を聞いたところ、「昨今、実年齢に対してマインド年齢が若く、流行に対する感度が高い層が増えている。特定の年齢層、買いたいものがあって訪れる人というより、『何かを感じたい』とポジティブな探求心を持っている人、ライフスタイルをより充実させたいと考えている人がターゲット」(同)とのこと。

原宿エリアはほかの繁華街と比べると物販の店が多いぶん、飲食店が分散していて、飲食店が集合している施設といえばこれまではマグノリアベーカリーやカフェカイラなどが出店している「ジャイル(GYRE)」くらいしかなかった。一人でもグループでも使い勝手が良く、さまざまな専門性を持った店の多いキュープラザ原宿は人気を呼びそうだ。

「ピッツェリア カンテラ」のテラス席

(ライター 桑原恵美子)

[日経トレンディネット 2015年4月2日付の記事を基に再構成]

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