ブームを巻き起こした、韓流スターは今【俳優編】日経エンタテインメント!

『冬ソナ』ブームから12年、K‐POPブームから5年。当時、一世を風靡したスターたちは日本での「韓流ブーム」が去った今、どうしているのだろう。その現状は、いまだトップに立ち続ける人、残念ながら人気が下降した人と悲喜こもごも。彼らの今を2週にわたってお届けする。今回は「俳優編」。

ビジネスのトラブルや訴訟に巻き込まれるケースが目立つ男優

実業家としても活動するペ・ヨンジュン。『冬のソナタ』でアジアの大スターになったペ・ヨンジュン(2013年撮影)

日本で韓流ブームに火がつき始めたのは2003年のことだった。この年、日本で初めて『冬のソナタ』(ペ・ヨンジュン主演)がNHK・BS2で放送され、じわじわと人気が拡大していった。そのペ・ヨンジュンを中心とした「韓流四天王(イ・ビョンホン、チャン・ドンゴン、ウォンビン)」が男優人気の核に。女優では『冬ソナ』のヒロイン「ジウ姫」ことチェ・ジウや『宮廷女官チャングムの誓い』のイ・ヨンエなど、男女いずれもNHKで放送されたドラマを通じて人気に火がついた。

あれから12年を経て、彼らの活動もかなり変化した。男優ではスキャンダルに見舞われた例が少なくなく、特に訴訟がらみでイメージに傷がついたスターが多く見られる。まず、近年は俳優というより実業家としての活動が多かった、かの「ヨンさま」、ペ・ヨンジュンは、2014年秋、ビジネスにまつわる詐欺で訴えられ、沈黙中。一方、上流階級出身でドラマやバラエティーで人気だったリュ・シウォンは、元妻に離婚訴訟を起こされた揚げ句、3年間の泥沼劇の果てにDV(ドメスティックバイオレンス)疑惑まで浮上した。

元交際相手に結婚詐欺で訴えられた過去があるイ・ビョンホンは、飲み会の席での猥(わい)談をネタに女子アイドルと女性モデルに脅迫され、逆に訴訟を起こす立場に。幸いにも今回は被害者であったこと、さらにハリウッドで「韓国の顔」として活躍し、人気女優との結婚というプライベートの充実もあって、ファン離れは最小限にとどまった。

その他、クォン・サンウはイベントがらみの金銭トラブル、カン・ジファンは事務所との契約問題で訴訟に。パク・シフも事務所と移籍問題でもめ、事務所の代表が仕掛けたハニートラップと思われる女性から、性的暴力で訴えられたりと散々な目に…。人気者ほど巨額の金が動くため、ビジネスでトラブルが起きやすく活動に支障が出る。周囲の嫉妬、本人がてんぐになった場合もあるだろうが、実は韓国では、大ブレークした俳優がその後も人気を維持し続けることが難しく、成功例は少数だ。

女優はヒット作のイメージ抜けず…飽きられないのは至難の業

一方、女優についても、あまりにもビッグになりすぎて、その後伸び悩むというのは男優と共通のようだ。しかし、トラブルに巻き込まれるのではなく、ヒット作の役柄のイメージが強すぎて、他の役がうまくはまらない、という事情が多い。例えば、『冬のソナタ』に出演したチェ・ジウのようにスターの座を獲得すると、ファンは、役のイメージを守ってほしいと期待する。有り難いことだが、役柄が固定するのは、職業俳優としてはつらい。

かつて映画『猟奇的な彼女』(2003年日本公開)の鮮烈なヒロイン役で魅了した国民的女優のチョン・ジヒョンも、直後の出演作には真逆のホラー映画『4人の食卓』を選んだ。しかし韓国で2013年放送の主演ドラマ『星から来たあなた』で最高視聴率33.2%という再ブレークに恵まれるまで、12年もかかった。これを見ると、『宮 ~Love in Palace』で大ブレイクしたユン・ウネのように、その後もラブコメに出演を絞ったのは賢明な選択か。

スターはトラブルを避けるのも難しいが、多様な役柄を演じ分け、飽きられないのも至難の業。これも韓国俳優の浮き沈みが激しい理由だ。

韓流スター、人気「男優」たちの今

●イ・ビョンホン: 脅迫を返り討ち、待望の第1子も誕生

『美しき日々』で大ブレーク、ハリウッドでの成功、12歳年下の美人女優イ・ミンジョンと結婚と、韓流四天王の中では最も公私ともに成功している一方、相変わらず女性問題が絶えない様子。2014年は下ネタ動画を元に恐喝されたが、相手側の女性アイドル&モデルの実刑判決で幕を下ろした。3月には第1子が誕生。

●クォン・サンウ: 11年ぶりの豪華共演で再起を懸ける

『天国の階段』でチェ・ジウとともに韓流ブームに乗った彼だが、金銭トラブルに巻き込まれ、多数の裁判を抱える羽目に。さらに2008年、電撃結婚が決定打となりファン離れが加速した。2児の父親で、2014年は11年ぶりにチェ・ジウと共演して再起を懸けたが、視聴率争いで敗北。

●チャン・グンソク: 日本では人気キープも韓国では下降気味

俳優、歌手の他にバンド「TEAM H」を結成。サマーソニックに出演したりと日本では精力的に活動しているが、本国より日本で人気。子役出身でキャリアが長く、本人はクレバーだがいつまでもイケメン俳優扱い。日本人気を当て込んだ出演作が多く、演技派の実力を発揮できないのが残念。

●ヒョンビン: 海兵隊出身で箔をつけ、男性人気もアップ

2010年『シークレット・ガーデン』が大ヒットした直後にソン・ヘギョとの破局が伝えられ、そのまま入隊。それも、訓練がとても厳しいことで知られる海兵隊に自ら志願したことで男性からの支持も一気に高まった。2015年、除隊後初のドラマ『ハイド・ジキル、私』で完全復活なるか。

●リュ・シウォン: DV疑惑で離婚、スキャンダル王に転落

『美しき日々』で大ブレーク。朝鮮時代から続く名家の子息という肩書と微笑みで日本では人気の俳優・歌手だったが、2010年の結婚を気に人気が下降。1年半後に妻から離婚調停を起こされる。3年間にもわたるドロ沼離婚劇の合間にはDV説や脅迫説まで流れ、芸能人として致命的なイメージダウンとなった。

●ソ・ジソプ: 兵役と親友の死を乗り越えて飛躍

2004年の『バリでの出来事』『ごめん、愛してる』で爆発的な人気を獲得するも、翌年にあっさり入隊。除隊後には初主演映画『映画は映画だ』で新人賞を総なめにした。2010年に亡くなったパク・ヨンハの親友で、告別式では彼の遺影を胸に号泣する姿が涙を誘った。

●ソン・スンホン: 中華圏の人気でワールドスターへと成長

『冬ソナ』と同じ四季シリーズ『秋の童話』『夏の香り』に出演し、韓流スターともてはやされるも、兵役逃れが発覚。しかし悔い改める姿が好感を呼び、除隊後は人気が加速。特に中国で人気で、今年は中韓合作映画『第3の愛』の主演も決定した。

●チャン・ドンゴン: 元祖イケメン俳優から実力派映画俳優に

『友へ チング』など映画出演も多い。2010年に女優コ・ソヨンと結婚。出会いから10年の美男美女夫婦の誕生は大いに祝福された。2012年には10年ぶりのドラマ出演を果たし、ヒットに。昨年は映画『泣く男』で円熟味を増した演技と相変わらずの肉体美を見せた。

●チョ・インソン: あのブームから11年、渋い実力派俳優に

2004年に韓国で「バリ廃人」と呼ばれるファンを大量に生み出した『バリでの出来事』から11年。一時は作品選びの迷走や兵役による活動休止があったが、脚本家ノ・ヒギョンのドラマ『その冬、風が吹く』『大丈夫、愛だ』の連続ヒットで再浮上した。

●ペ・ヨンジュン: 作品を選びすぎ、今ではすっかり実業家

『冬ソナ』ブームから12年。韓国ではもともとテレビドラマ俳優という認識だったが、その俳優業も開店休業中。作品をえり好みしすぎ、まるで実業家に転身したかのよう。2014年は契約不履行による詐欺で訴えられ、“いい人”というイメージも少しダウン。

韓流スター、人気「女優」たちの今

●キム・テヒ: 人気ナンバー1女優に初のスキャンダル

『IRIS‐アイリス‐』など、愛らしいルックスとソウル大出身の知的さで長らく好感度ナンバーワンを誇ってきた彼女に昨年初めてのスキャンダル。相手は歌手兼俳優のRAIN。入隊中の無断外出やデート発覚などで芸能人優遇論が勃発したり、賭博での借金未払いが報じられたりで散々。男を見る目はなかった?

●ソン・ヘギョ: 元共演者キラーも恋愛封印で演技派に?

『秋の童話』でアジアを号泣させたヒロインも2015年には33歳。イ・ビョンホン、RAIN、ヒョンビンと数々の共演者と浮名を流した彼女も、2013年に『その冬、風が吹く』で共演したチョ・インソンとは熱愛ならず。現地報道などによると、恋愛断ちして演技開眼を目指したとか。

●チェ・ジウ: 『冬ソナ』のイメージ脱却できず?

『冬ソナ』で大人気を得た彼女だが、その後、役に恵まれず、大フィーバーも収束ぎみ。かつての清純派女優のイメージ脱却を図るため韓国でも大ヒットした日本ドラマ『家政婦のミタ』リメイクに挑戦するも結果は振るわず。2014年、クォン・サンウと11年ぶりの共演ドラマも低調だった。

●ハ・ジウォン: 人気も実力も兼ね備えた無敵のトップ女優

デビュー当時から演技派女優と言われ、『ファン・ジニ』など代表作は数知れず。作品ごとにイメージをガラリと変える天才肌で、2013年のドラマ『奇皇后』も大ヒット。トップ中のトップ女優だが、今まで一度もスキャンダルがないのもすごい。2015年で37歳、そろそろ熱愛報道があってもいい年齢。

●ユン・ウネ: スキャンダルをものともしない人気

『宮~Love in Palace』で共演したチュ・ジフンや『コーヒープリンス1号店』のコン・ユ、『お嬢様をお願い!』のユン・サンヒョンと、必ず共演者との熱愛説が出るほどモテモテの彼女。それだけ男性受けがよい一方で、ラブコメ出演で女性人気も悪くなく、CMにひっぱりだこ。

●イ・ヨンエ: 結婚後は一線を退き芸能活動は休止状態

日本では『宮廷女官チャングムの誓い』のチャングム役で知られる彼女も2009年に結婚。拠点をアメリカに移し、双子のママとして優雅に暮らしていたが、2014年、夫が詐欺容疑で告訴された。しかも妻の肖像権を使ったビジネスでのトラブルとあって、夫婦関係、穏やかならざる状態。

●コン・ヒョジン: ヒット作連発も、恋愛は大不調で破局続き

ここ5年の活躍が特に素晴らしく『パスタ~恋が出来るまで~』『最高の愛~恋はドゥグンドゥグン』などドラマでヒットを連発。だが私生活では10年交際したリュ・スンボムと破局、その後イ・ジヌクとも3カ月で別れ、仕事と恋愛の両立はならず。

●チョン・ジヒョン: 結婚後もアジアン・ビューティーは健在

2009年に当時の事務所社長から携帯をコピー・監視されるという仰天トラブルがあったが、2012年に資産家のエリートと結婚。『猟奇的な彼女』の人気ヒロインは33歳となった現在も精力的に活動し、2013年にはドラマ『星から来たあなた』で再びアジアを熱狂させた。

●ハン・ヘジン: サッカー選手の妻として内助の功に専念

『朱蒙』など知的で穏やかな優等生的イメージを持つハン・ヘジンは、長らくお嫁さんにしたいナンバーワン女優とうたわれていたが、2013年にサッカー選手キ・ソンヨンと交際わずか半年でゴールイン。8歳年下の夫を支えるためか、結婚後は目立った活動がなく少々さびしい。

●ムン・グニョン: 子役出身の清純派女優に初の熱愛発覚

『メリは外泊中』など国民の妹として愛された彼女も、2013年に初の熱愛報道が。相手はドラマで共演したキム・ボムだが7カ月で破局。演技派の若手俳優同士なだけに周囲は見守りムードだったが、彼らの欧州バックパック旅行中のラフすぎる格好に引いた人も…。

(ライター 小田ナリ子、日経エンタテインメント! 白倉資大)

[日経エンタテインメント! 2015年4月号の記事を基に再構成]

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