目指すは日本のシアトル 福岡市長の野望

政令指定都市は数あれど、福岡市ほど元気がいいところも珍しい。この5年、人口も税収も増え続けているのは、ここくらいだ。そんな福岡市が国家戦略特区の指定を受け、「創業支援都市」を宣言したのが昨年3月。福岡から生きのいい会社をどんどん生み出していくと、矢継ぎ早にユニークで実効性のある政策を打ち出している。先頭に立っているのが、若き市長、高島宗一郎(40)だ。高島は「福岡市を日本のシアトルにしたい」と意気込む。

福岡市長の高島宗一郎氏

支店経済の街から創業の街へ

福岡市の繁華街、天神にあるTSUTAYAの3階に昨年10月、スタートアップカフェという風変わりなコーナーができた。3万冊のビジネス書が並ぶ本棚、広い机に大きな模造紙、ネット環境も完備している。ここを訪れるのはビジネスを始めたい、会社を興したいと考える人で、起業のための相談や情報収集が目的だ。相談員として専門家が常駐し、朝10時から夜10時まで、休日も開いている。開設以来、半年で400人もの起業家候補が訪れた。市役所の中にあった窓口での年間相談件数をはるかに上回る。「古くさい役所の中に窓口を開いたところで、起業を夢見る若者は相談に来ないでしょう」と高島は語る。

高島は支店経済の街だった福岡市を、創業の街に変えたいと思っている。高島が描く福岡市の未来像は米国のシアトルだ。首都ワシントンから遠く離れ、人口も半分なのに、アマゾン、マイクロソフト、スターバックスなど世界的な成長企業がどんどん生まれている。海山に囲まれた豊かな自然環境、コンパクトな都市機能、優れた学生を抱える大学など、福岡市はシアトルと似ている点が多いと感じた。福岡から世界に羽ばたくベンチャー企業を生み出したい。高島の野望が動き出す。

特区で起業なら法人税を引き下げ

福岡市は妖怪ウォッチの大ヒットで有名なレベルファイブなどコンテンツ系の成長企業も多い。大企業を誘致するのは難しい。福岡市は製造業の工場を作る場所でもない。コンテンツやアニメ、ゲームなどソフト系のビジネスを創業し、福岡市に本社機能を置いてもらう。知識創造型の産業こそ、福岡市にふさわしいと考えている。

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