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出張族に朗報、新大阪駅の「デパチカ」はちょい飲み可

2015/4/18

日経トレンディネット

 2015年3月4日、JR新大阪駅の3階在来線改札内に「エキマルシェ新大阪」がオープンした。コンセプトは「さっと立ち寄り15分でプチ満足」。利便性の高い駅ナカ立地を生かし、新幹線の乗り換え客や通勤、通学客が短時間で気軽に利用できるスイーツや駅弁などの専門店と飲食店26店舗を集積した。

 「エキマルシェ」ブランドの施設としては宝塚駅、大阪駅に続く3店舗目。これまで存在感が薄く、暗いイメージがあった新大阪駅の駅ナカ施設が一新された。「利用者へのアンケート調査とインタビューで現状に対する不満と要望を聞いたところ、『買いたいものがなく、女性ひとりで入れる店がない。ありきたりの土産ばかりで、自家需要の土産やクイックに利用できる店が欲しい』という声が多かった」と、ジェイアール西日本デイリーサービスネット取締役・駅編集事業本部副本部長の渥美信氏は話す。

 そこで、ターゲットを新幹線の乗り換え客中心から、乗降客の6割を占める在来線だけの利用客まで拡大。毎日の仕事帰りに軽く飲んだり、家族へのお土産を買ったりというニーズに応えるべく、15分あれば満足できる施設を目指したという。

 開業50周年を迎える新大阪駅はここ数年、国内外の観光客が増え、関西の玄関口としての期待が高まっている。エキマルシェ新大阪は2009年度から始まった駅改良工事の一環。店舗面積を従来の1.5倍に拡大し、JR西日本エリアの改札内では最大規模となる。3期に分けて開業し、1期で26店舗、2016年春ごろまでに計36店舗がオープンする予定だ。

場所はJR新大阪駅の3階在来線改札内。これまでの暗いイメージを一新し、新しい商業施設としてオープンした「エキマルシェ新大阪」。2015年3月4日には26店舗がオープンした
カフェをはじめ、人気串揚げ店やたこ焼き店など大阪ではおなじみの店の味を楽しめる

中央の待ち合いスペースを囲む形で店舗が集積
買ってすぐにその場で食べられるよう、共有のレストスペースも用意

■注目はチキラーソフトにチキ弁、揚げたてプリッツ…

 今回開業したのは、関西ゆかりの老舗や企業アンテナショップ、新業態など。関西の玄関口という立地を生かし、地元で人気の行列店やエキマルシェ新大阪限定で展開する関西ならではの味をそろえ、関西名物として国内外の観光客にも発信していく。全店舗のうち新業態が7店舗、駅ナカ初出店が11店舗。ココだけで展開するメニューや商品を販売する店舗は16店舗に及ぶ。

日本初のチキンラーメンのアンテナショップ「チキラーハウス」。オリジナルのスイーツと弁当をはじめ、新大阪限定のひよこちゃんグッズやチキンラーメンも販売

 なかでも注目は、関西に本社を置く有名企業が手がけるコンセプトショップ。食品メーカーの直営店は百貨店や各地の商業施設で話題を集めているが、同施設でもオリジナルの限定商品が並ぶ。大阪出張や観光土産として話題を集めるのは必至だ。

 大阪発祥のインスタントラーメン「チキンラーメン」を世界で展開する日清食品は、日本初のチキンラーメンのアンテナショップ「チキラーハウス」を出店した。目玉商品は新たに開発した「チキンラーメンソフト」と「チキ弁」の2種類。チキンラーメン味のソフトクリームにはチキンラーメンをトッピング、チキ弁には味付けご飯のうえに、炭火で焼いた焼き鳥とじっくり煮込んだ鶏のうま煮、砕いたチキンラーメンを載せた。

 チキ弁はひもを引っ張って加熱するタイプで、鶏肉が硬くならず、フタを開けたときに炭火焼きの香ばしい香りが食欲をそそる。「チキンラーメンの良さを生かしながら、驚きもプラスした味。女性でも一箱ペロリと食べられる」とPR担当者。ぜひ押さえておきたいところだ。

本格炭火焼き鳥と鶏のうま煮、チキンラーメンを絶妙のバランスで合わせた「チキ弁」(1188円)
新大阪店限定販売の「チキンラーメンソフト」(378円)。チキンラーメン味のソフトに、砕いたチキンラーメンがちりばめられている

 JR東京駅と新千歳空港で、できたての限定菓子を提供する江崎グリコは、揚げたてプレッツェルを販売する「ぐりこ・や Kitchen」を出店した。店内のキッチンで作る新大阪限定商品は、プリッツ製造のノウハウを生かした新食感のプレッツェル「プリッタ」。複数の種類の小麦粉とでんぷんをブレンドした特製生地をキャノーラ油で揚げることで、中はモチモチ、表面はサクサクの、ほかにはないプレッツェルに仕上げた。

 ビールに合うスナックタイプ4種類と、甘さを楽しむスイーツタイプ2種類の計6種類を展開。「新大阪駅で新幹線に乗り換える人の7割が出張客なので、車中でビールのおつまみとして楽しんでほしい」と、江崎グリコ・グループ広報部の市田拓也氏は話す。通常のプレッツェルとは違う食感と味付けなので、たしかにお酒との相性はいい。プリッタは消費期限が翌日なのが難点だが、高級ポッキー「バトンドール」に続く大阪土産として人気を集めそうだ。

店内の厨房で揚げ立てのプレッツェルを限定販売する、江崎グリコの「ぐりこ・や Kitchen」
「プリッタ」はソルト&ペッパー、チリトマト、お好みソース、チェダーチーズ、シュガーバター、キャラメルの計6種類。7本入り380円。スティックタイプなので車中でも食べやすい

 また、関西ではテレビCMなどでおなじみの神戸発祥の植垣米菓が、初の直営店を出店。催事以外では関西でしか販売していない、発売から80年以上というロングセラー菓子「鶯(うぐいす)ボール」を量り売りで限定販売する。同店では通常の鶯ボールより上質の原材料を使い、伝統製法の手揚げで作ったこだわりの商品などを展開。「近畿の味にもこだわり、丹波黒大豆のきなこと宇治の抹茶、和歌山の南高梅、安富町のゆず、淡路のタマネギの6種類のフレーバーを用意した」(植垣米菓の植垣智博専務)。米袋をイメージした土産用パッケージもかわいい。

神戸で誕生し、米菓一筋百余年の植垣米菓が手がける初の直営店「うぐいすボール」。通常商品より上質な原材料を使用した手揚げのうぐいすボールなどを同店限定で量り売りする
手揚げの鴬ボールは国産100%のもち米と小麦粉を原料に、北海道産のビート糖と淡路島の藻塩で甘辛く味付けした関東風あられ。米油で揚げることで中の餅が膨張してはじけた独特の形状が特徴。その形が梅のつぼみに似ていることから、梅と好相性のうぐいすの名をつけたのだとか

■行列店の人気スイーツや限定商品がずらり

 物販コーナーには、定番人気の大阪土産やエキマルシェ用に開発された商品を販売する13店舗が軒を連ねる。改装前から営業している、豚まんの「551蓬莱」、ふわふわの焼きたてチーズケーキが人気の「りくろーおじさんの店」、大阪銘菓の「御菓子所 泉寿庵」に加え、神戸牛のミートパイで有名なユーハイムの「なにわ鯛焼きパイ」やフルーツポンチゼリーが人気の大阪谷町の果物店「フルーツ ガーデン 山口果物」、心斎橋の日本茶専門店が手がけるスイーツ専門店「宇治園」などが新たに加わった。

 JR西日本のグループ会社が直営する新業態「旅弁当 駅弁にぎわい」には、全国各地のご当地駅弁が107種類並ぶ。選ぶのに迷いそうだが、同店オリジナル駅弁があるほか、2週間単位で入れ替わる駅弁の実演販売もあり、毎回違う駅弁を味わえる。

全国の人気駅弁107種類がずらりと並ぶ「旅弁当 駅弁にぎわい」。実演販売コーナーも併設し、オープン時には「神戸牛めし」(1400円)と「ひっぱりたこ飯」(1000円)を紹介。淡路屋全店で予約が殺到している「トワイライトエクスプレス弁当」(1400円)は、1日300個を完売する人気商品
神戸の洋菓子メーカー、ユーハイムがプロデュースする鯛焼き形パイの専門店「なにわ鯛焼きパイ」。神戸元町本店で創業時から愛されてきた「神戸牛のミートパイ」(378円)のほか、「鯛焼きパイ」(248円)とあんこがのった「ゑびすさんのプリン」(248 円)など同店限定商品が登場

明治2年(1869年)創業、京都府山城町の茶商を起源とする、大阪心斎橋の日本茶の老舗「宇治園」がプロデュースするスイーツの専門店では、クリームパンの人気店「八天堂」とコラボした「宇治園のくりーむパン」(250円)を限定販売
天明元年(1781年)創業、大阪北新地で230年以上の歴史のある老舗和菓子店「いなば播七」が、駅ナカ初出店。約1キロの特製「ジャンボ大はぎ」は本店のみの販売。同店では1個154円の「大はぎ」を販売している

■仕事や出張帰りの「ちょい飲み」に最適

 飲食ゾーンには、全国的に有名な大阪名物や大阪人に愛される名店、大手酒類メーカーが手がけるパブなどが集結。各店とも乗り換えのちょっとした合間に楽しめるメニューやテークアウトを用意しているので、出張帰りのビジネスパーソンはもちろん、女性ひとりのちょい飲みにも重宝しそう。駅構内の飲食店としては手ごろな価格も魅力だ。

 サントリースピリッツは、バーボンウイスキー「ジムビーム」を気軽に楽しめる全国初の直営パイロットショップをオープン。2014年夏、東京に期間限定でオープンした「ジムビームバー」が若者に好評だったことから、常設でのオープンとなった。店内では、かんきつ系フルーツを搾った新しい飲み方「シトラスビームハイボール」や、「天然水の超炭酸ソーダ」を使用した「ビームハイボール」など多様なスタイルの飲み方を楽しめる。「まい泉」の限定揚げたてヒレかつサンドをはじめ、ジムビームに合うフードやおつまみも充実。ロックとストレート以外はテークアウトできるのもポイント。

バーボンウイスキー「ジムビーム」を楽しめる全国初の常設ショップ「ジムビームバー」。生絞り果汁がたっぷり入り、さっぱりした飲み口が新鮮な「シトラスビームハイボール」。オレンジ、グループフルーツ、レモンの3種類で各500円

 アサヒビールは、鮮度にこだわった樽生ビールを提供する直営ビアバー「ヴィア ビア オオサカ」をオープンした。アサヒビール発祥の地・吹田工場で製造された商品を中心に樽生ビール全6種類をラインアップ。ビール本来の味わいを最大限に引き出すため、ブランドごとに異なる注ぎ方で提供する。「石釜焼の野菜ピザ」や「食べごろ野菜の焼きバーニャカウダ」、オーダーされてからスライスする「切りたてふわとろ生ハム」など、女性を意識したメニューも多数用意した。

吹田工場で製造された樽生ビールなどを提供するアサヒビールの直営店「ヴィア ビア オオサカ」。女性が気軽に楽しめるよう、ビールに合うフードメニューを充実させた。石釜焼きの野菜ピザは全12種類、タパスは全15種類。オープン 記念限定企画として超レアな樽生ビールも毎週登場。自由自在に泡を調整できる海外製のボールタップを使用し、ビールのブランドごとに注ぎ方や泡付けを変えている。アサヒスーパードライは、クリーミーな泡とシャープなビールが持ち味。今まで味わったことのないスーパードライを体験できる
老舗串かつ専門店「松葉」の3号店。立ち食いスタイルで、揚げ置きが基本なので待たずに食べられるのが便利

 さらに、梅田の新梅田食道街と地下鉄梅田駅の改札近くにある老舗串かつ専門店「松葉」が、3号店を出店。1948年創業の松葉総本店は、お客の目の前で揚げる立ち食い形式が特徴で、1串100~180円といった庶民価格が、仕事帰りのサラリーマンに愛されてきた。新大阪駅店では新幹線の車内でも味わえるようにテークアウト用のセットメニューも用意。トマトやシイタケなど女性客を狙ったネタも増やした。「“揚げ師”が客の入り具合や客層を見て食べそうなネタを揚げ置きするので、時間がないときでもサクッと食べて帰れるのが強み」(松葉)だ。

大正11年(1922年)創業の大阪発祥の洋食店「オムライス 北極星」がエキマルシェ大阪に続いて、駅ナカ2号店をオープン。胃の弱い常連客のために生まれた元祖オムライスをテイクアウト、イートインで手軽に味わえる。人気のチキンオムライス、ハヤシオムライスなど全6種類。新大阪駅店限定の「からだ想いのサラダオムライス」(写真右・1180円)は健康志向の女性におすすめ。繊維質とミネラル豊富なヒジキとレンコン、タケノコ、コンニャクなどを混ぜて炒めたごはんをふんわりと卵で包み、野菜たっぷりのサラダをのせた一品

(ライター 橋長初代)

[日経トレンディネット 2015年3月10日付の記事を基に再構成]

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