女のおしゃべり、男の独り言 どっちが迷惑?
なぜおしゃべり好き?
出張の際、新幹線で女性グループに取り囲まれたら、うるさくて本もまともに読めないことがある。
あるとき3人席の通路側に座っていたら、左隣に来た60代くらいの女性2人組が東京駅から京都駅まで、ずっとしゃべり続けていた。最後に「あ~、よく話したね。どうでもいいことばかりね」と笑いながら、何だか達成感に浸っているふうだった。一方、右隣の若い女性2人組は男性アイドルグループの追っかけをしているようで、延々とその話題で盛り上がっていた。
女性はどうしてそんなにおしゃべりが好きなのだろう。本人たちは楽しいのかもしれないが、すぐ隣で聞きたくもないのにずっと聞かされる身にもなってほしい。旅行なら窓の景色を楽しむなど、もう少し静かにしていることはできないのだろうか。
出張から帰れば、今度は自宅で妻のおしゃべりに付き合うことになる。僕の方はそんなに話すことがないから、彼女の独演会を拝聴することがしばしばだ。適当にあいづちを打って聞き役を務める。そこから解放されて、ひとり静かにビールのグラスを傾けるひとときがやっぱり一番だ。「男は黙って○○ビール」というCMがあったが、よくわかるなあ。
何とかして独り言
「あー、もう! ったく……。○△※×□」。最後は聞き取れなかったが、台所から夫の声が聞こえる。洗い物をしていて、コップを取り落としたらしい。
夫が台所に立つのはありがたい。だが、うるさい。ハプニングが起きるたびに反応する。何かを落とした、あると思ったところに片栗粉がない。予想外に手間が掛かってキッチンタイマーがピーピー鳴っているのに止められないときは、独り言とは思えない音量になる。
私だって料理中に予想外のことに見舞われるが、黙って手を動かす。言ってもコップは手に戻らないからだ。実は嫌々料理しているのかも。そう思って「手伝おうか?」と話しかけると、うるさそうに「自分のペースでやってるから放っておいて」。はい、お邪魔しました。
「パパ、機嫌が悪いのかなあ」と子どもとヒソヒソ。食後に夫に聞いてみると「別に機嫌悪くないよ。なんで?」とごく普通に答える。周囲に不快感を与えている自覚はないようだ。だったら心の声でとどめてよ。こちらは気が休まらない。普段は口数が多い方ではないのに、心の声は雄弁らしい。そのうち、テレビにいちいち文句を言うおじいさんになっちゃうぞ。
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