勢力予測 どうなる、アイドル&お笑いの5年後
日経エンタテインメント!
【アイドル】5年後を見据えて動く各陣営、2000年生まれに逸材続々
これまでのアイドルシーンは、80年代のおニャン子クラブ以降のように、ブームの後は一旦、落ち着くことが多かった。しかし今回は、AKB48のブレークから5年が経過しても継続している。
アイドルの旬が20歳前後ということを考えると、2020年のシーンを支えるのは、2000年生まれの世代。実際、2014年から各陣営がこの世代に力を入れ始めている。
2014年後半に、大きく動いたのがハロー!プロジェクト。モーニング娘。'15、アンジュルムなど、既存のグループに若いメンバーを続々と追加したほか、ハロプロ研修生出身者で新ユニットを結成する。8人中4人が2000年生まれの若いグループになる。AKB48も2014年3月、チーム8を結成。47人のメンバー中、2000年生まれが12人を占める。
2014年、2000年生まれの新メンバーを追加したのが、SUPER☆GiRLSと私立恵比寿中学。どちらも、事務所内の下部組織からの抜てきだった。ソロアイドルでも、大物感が漂う吉田凛音が昨年メジャーデビューした。
これまでのブームと異なるのは、ひとつのグループの単発人気で終わるのではなく、複数のグループが支持を得ている点。各陣営とも将来に向けての布石をしっかり打っており、シーンの盛り上がりは5年後も継続していそうだ。
【お笑い】若林、山里が次世代MC最右翼、2000年組が中心となるか
2014年は『笑っていいとも!』『さんまのSUPERからくりTV』という、「BIG3(タモリ、たけし、さんま)」の看板長寿番組が終了。お笑い界の世代交代が現実味を帯びてきた。
近年はトーク番組が全盛のため、ひな壇芸人などにスポットが当たることもあるが、番組の価値を左右する「MC(司会・進行役)」にどれだけ起用されるかが、芸人にとって一段上がる大きなポイントになる。
現状は、雨上がり決死隊やくりぃむしちゅー、ナインティナインら、芸歴約25年の経験豊富な世代が、定着している人気番組を守る安定ゾーンにいる。続く1995年前後にデビューした有吉弘行、ブラックマヨネーズらは、番組改編期にメーンとなる存在で、GP帯(ゴールデン・プライムタイム。19時~23時)の新番組を担当する例が多い。
彼らより下の世代にはしばらく動きがなかったが、5年後には、2000年前後デビュー組が芸歴20年を迎える。そのため、新たな戦力として抜てきのチャンスが巡ってくるとみられる。
なかでも有力候補なのがオードリーの若林正恭。レギュラー番組に就く際に、MCを任される機会が増えている。また、南海キャンディーズの山里亮太も活躍の場を増やしそう。トーク力があり、多趣味で知識が豊富な万能選手。この春は、4月放送開始の生番組『世界HOTジャーナル』(フジ系)で、東野幸治と共にMCに起用された。ほかには、ピースも注目株。MCの素質がある綾部に、作家デビューをした又吉と、全く異なる武器を持つコンビは、時代に求められそうだ。
(日経エンタテインメント! 上原太郎、ライター 内藤悦子)
[日経エンタテインメント! 2015年4月号の記事を基に再構成]
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