マネー研究所

男の家計改善

確定拠出年金の公正さを揺るがす金融機関の営業力

2015/4/22

日経マネー

 枝葉の節約もいいが、男なら太い幹の「構造」を知り、改善を考えるべし――。労働組合シンクタンクの生活経済研究所長野の事務局長を務める塚原哲氏が、アッパーミドル層の男性を対象に「骨太」の家計改善法を伝授する。11回目は、大手企業で定着してきた確定拠出年金(DC)の投信ラインアップに、運営管理機関がコスト高の投信ばかりを挿入する手口と背景を解説する。

 大手企業ではDC(確定拠出年金)も定着のフェーズに入ってきた。DCは本来、勤労者に有利な制度だが、条件が整わなければ不利にもなり得る両刃の剣。特に影響が大きいのは、その企業で採用される投資信託のラインアップ(元本確保型商品を除く)だ。

 金融機関の窓口で販売している投信と中身は同じでも、別パッケージでDC専用の投信が用意されている。これらは運用管理費用(コスト)[注1]が2分の1から3分の1程度まで下げられており、DC専用のインデックス投信を中心にラインアップを作ると、コストを平均0.2%程度に抑えることも可能だ。

 しかし、信託銀行、コーポレート銀行、証券会社、保険会社といった運営管理機関には「コストの高いアクティブ投信を採用してほしい」という本音があり、一般的な勤労者も「インデックス投信よりアクティブ投信の方が収益面で勝る」という思い込みが強い。

 結果として、アクティブ型を中心とするラインアップを採用する企業が後を絶たないが、残念ながらこの時点でDC導入は失敗している。なぜなら、DCで採用されているアクティブ型は運用成績が振るわないことが多いからだ。

■インデックスに負けるアクティブ

 複数の投信の中から1つを選択するのは決して難しくはない。過去の成績を見れば、将来的にどのような値動きをするか、その特性をある程度は予測できるからだ。もちろん、リターンは時期によりプラスにもマイナスにもなる。だが、ブレの相対位置の変化は小さいので、高精度で将来を予想できるのだ。

 図1は投信を過去の成績からブレ(リスク)とリターンで並べたもの。値動きのブレが小さく、リターンの大きい方が手取りは増えるので、グラフでは左上にいくほど良い投信と評価できる。

[注1]運営管理機関にとっては収益源。一般には信託報酬と表記される

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