マネー研究所

Money&Investment

後が怖い相続節税 遺産の分け方で考える損得 「2回目」も見据え対策を

2015/3/22

相続税対策を考える際は「2回目の相続」まで見据えることが大切になる。例えば父親が亡くなって相続が起きた後、しばらくして今度は母親が亡くなってもう一度、相続の手続きや税金の支払いが必要になることは多い。1回だけの対策で安心していると、余分な税負担や親族間のもめ事につながりかねない。

「父の遺産はすべて母さんに相続してもらおう。そのまま家に住み続ければいいし……」。東京都に住む矢沢栄一さん(仮名、50)が、同居していた80歳の父を亡くしたのは今年1月。残された財産は、時価6000万円ほどの一軒家(土地分5000万円)と、預金3000万円だ。栄一さんは、離れて持ち家で暮らす弟(40)と話し合い、遺産をすべて母(78)が引き継ぐことに決めた。

この方法だと確かに、夫に先立たれて心細くする母にとって良さそう。しかも節税面でも得策に見える。配偶者が相続をする場合、財産額が少なくとも1億6000万円まで課税されないからだ(配偶者の特例、図A)。この例で相続税は一銭も払わずに済む。

同じように「亡くなった人の配偶者が、財産すべてを相続して税金をゼロにしようという例が増えそう」と相続税に詳しい阿保秋声税理士は見る。だが、「このやり方には落とし穴もありうる」。

■楽なのは初めだけ

当面は正しいように思えても、将来、配偶者が亡くなったらまた多額の財産相続が起きる。その際、「子どもに多額の税負担が発生する可能性がある」(税理士の藤曲武美氏)

図Bは、2次相続まで含めて財産の分け方や税金のかかり方を試算した。「母をいたわるパターン」が、栄一さんの例を参考にしたもの。父の死後はひとまず母が全財産を相続し、母の死後に兄と弟が半分ずつ分けるという前提だ。

マネー研究所 新着記事

ALL CHANNEL