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リアル金持ちの現場

名声と実利を一手に 富裕層が財団を設立する理由 リアル金持ちの現場(5)

2015/4/17

日経マネー

日本の「超富裕層」たちは何に関心があり、どんな金融サービスを利用しているのか…。かつて野村証券で金融資産10億円を超える大手顧客を対象としたプライベートバンク部門で辣腕をふるったZUU社長兼CEO(最高経営責任者)の冨田和成氏が、超富裕層の実態を解説します。

「トラスト(信託)」「ファンデーション(財団)」──。欧米の富裕層なら一度は聞いたことがある言葉です。プライベートバンク(PB)は富裕層に対し、信託や財団をつくり、そこに資産を移転することを盛んに提案しています。

資産を信託へ移転すると、資産の所有者は信託になり、富裕層自身からは切り離されます。つまり自身に何が起ころうと、信託の資産まで差し押さえられることはなくなるわけです。かといってその資産を「手放す」わけではなく、自身は「委託者」として、信託の資産から生まれる収益を受け取る受益者になります。万一に備えたい富裕層のニーズに非常にマッチした仕組みなのです。また相続対策としても活用されています。

一方の財団とは、社会貢献など非営利の公益事業を行う法人です。海外では米マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏が、第一線を退いた2008年夏以降、世界の医療や教育問題の改善を目指し慈善活動を行うために夫人と共に設立した「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」に注力しているのは有名な話です。著名投資家ウォーレン・バフェット氏も、3兆円を超える資産を当財団に寄付しています。

この2人に賛同し、40人の大富豪が財産の半分を慈善事業に寄付すると宣言しました。米オラクルのラリー・エリソン氏やマイクロソフト共同創業者のポール・アレン氏、米イーベイ創業者のピエール・オミダイア氏、米クアルコム共同創業者のアーウィン・ジェイコブズ氏などIT業界関係者の他、ベンチャーキャピタリストのジョン・ドーア氏、映画監督のジョージ・ルーカス氏、前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏らが名を連ねています。

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