2015/4/17

リアル金持ちの現場

【理由2】 社会的地位

マーク・ザッカーバーグ氏(右)とその妻プリシラ・チャン氏(左) 写真:ロイター/アフロ

「ノブレス・オブリージュ(高い社会的地位には、社会的な責任が伴う)」という言葉を聞いたことはありませんか? 米国ではこの精神が広く浸透しています。同時に、寄付などにより名声を得たい“下心”もあり、財団設立の動機になります。

古くは石油王ロックフェラーや鉄鋼王カーネギーのように、芸術や教育分野で多額の寄付をしてきたことで有名な富豪が欧米には多くいます。特に、学校や病院などには寄進者がいることが多く、御影石などに名前がはっきり刻み込まれています。フェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグ氏と妻プリシラ・チャン氏は、13年の世界寄付金ランキングでは2人の総額で世界1位を獲得しています。寄付金額は何と、日本円で1000億円を超えるそうです。

【理由3】 税金対策

財団設立は税金対策でもあります。一定の条件を満たすことが前提ですが、相続や遺贈により取得した財産を国や地方公共団体、特定の公益法人などに寄付した場合には、その財産は相続税の対象から外れます。相続税負担が大きな富裕層にとって強い動機となるわけです。特に15年からは相続税の基礎控除額が減り最高税率が上がるため、相続対策への関心がさらに高まることは必至です。

以上で信託や財団が、いかに富裕層のニーズに合っているかをご理解いただけたのではないでしょうか。ただし、そのサポートが可能な日本のPBは、国内系の一部大手と外資系のみです。なのでリアル金持ちが使うPBは、結局のところ限られてくるわけですね。

冨田和成(とみた・かずまさ) ZUU社長兼CEO。一橋大学在学中にソーシャル・マーケティングで起業。卒業後、野村証券で同年代のトップセールスなどを記録し、最年少でプライベートバンク部門に異動し活躍。退職後にZUUを設立し、金融ポータルメディアZUU onlineなどを運営。

[日経マネー2015年2月号の記事を基に再構成]

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