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サラリーマン大家、確定申告の注意点 第23回 サラリーマンの不動産所得

2015/3/4

 マネー達人の公認会計士・税理士の山田真哉さんに旬のマネートピックについて聞くコラム。今回のテーマは「サラリーマンの不動産所得」です。サラリーマンでも給与以外に、不動産収入があるという人もいるでしょう。そういう人は、今月16日までに確定申告をしなければいけません。どのような注意点が必要なのか、山田さんに聞いてみました。

■青色申告なら事前に申請を

 ――前回「確定申告にまつわる対義語」というテーマでお話を伺い、青色申告と白色申告について取り上げたところ、読者の方から「サラリーマンでも青色申告できるんですか?」という質問をいただきました。

 「もちろんできます。ただ、いままさに申告期間中である2014年分の確定申告から青色申告を始めようという人は、原則、14年3月17日までに管轄の税務署に『所得税の青色申告承認申請書』を提出していなければなりませんでした。15年分の確定申告から青色申告を使いたいなら、今月16日までに提出をしましょう」

 ――サラリーマンでも転勤など何らかの事情があって持ち家を人に貸し、不動産収入を得ているという方も割といるようです。確定申告の期限が迫っていますし、この春、転勤などで持ち家を賃貸に出すという人もいるでしょうから、改めて注意点を押さえておこうと思います。

 「僕のお客さんのサラリーマンの方の中にもいらっしゃいます。子供に財産を残しておきたいなどの理由で、持ち家を売らずに人に貸しているんです。現在住んでいる家と、二重に住宅ローンを払っている人もいます」

■プレーンな白色、トッピング付きの青色

 ――まず、青色申告と白色申告のおさらいです。給与や年金など以外に、事業所得や不動産所得を得ている人は白色申告もしくは青色申告をしなければいけないわけですね。

 「そうです。ラーメンや讃岐うどんは何も追加しなければプレーンなものになりますが、それが白色申告。注文の時に、メンマ、ネギなどといろいろとトッピングを足したのが、節税というトッピングのついた青色申告だと考えればいいでしょう。ただ、青色申告をする人は、節税メリットを受けるために、その分確定申告書の作成に若干、手間がかかります」

 ――今回は、本格的に賃貸経営をしている人ではなく、サラリーマンが持ち家を1室貸しているというケースを想定しています。

不動産所得を確定申告する場合
事業の規模所得控除の額
白色申告なし
青色申告10万円控除
5棟10室以上65万円控除

 「となると、白色申告か『青色申告の10万円控除』を使うことになります。不動産所得がある人の確定申告は最大3種類から選べます(表参照)。前回もお話ししたように、青色申告には10万円控除と65万円控除という2種類の所得控除があって、当然ながら65万円控除のほうが節税できますが、不動産所得で65万円控除を使うには『事業的規模』である必要があります」

■事業的規模には明確な定義

 ――「事業的規模」というと、かなり大規模に賃貸経営をしていないとダメなのでしょうか。

 「『事業的規模』には『5棟10室』という明確な基準があります。5棟もしくは10室以上を貸していないと事業的規模にはなりません。事業的規模であれば、65万円控除を使えるだけでなく、仕事を手伝ってくれる家族に支払った給与を経費として計上できる『専従者給与』というものも使えるようになります」

 ――その基準があるので、1室ぐらいを貸しているサラリーマンは白色申告か「青色申告の10万円控除」で申告することになるんですね。

 「そうなります。サラリーマンだし、規模も小さいので白色申告でいいやと考える方も多いのですが、青色申告の10万円控除を使えることも覚えておきましょう。不動産所得は経費として計上できるものが少ないので、10万円控除を使えるだけでも大きいと思います」

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