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80年代風、ポップな楽曲が急増 洋楽シーン最新事情

日経エンタテインメント!

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 長らく不振と言われてきた、日本の洋楽市場。CD売上枚数は、ここ数年は減少傾向が続いている。一方、2014年は配信ではシングルヒットが増え、市場を引っ張るアイドル性のあるアーティストも出現した。米チャートにポップ感が増すなか、風向きが変わるかもしれない。

親しみやすい楽曲が主流となり、シングルヒットが配信で増加

洋楽のシングルヒットが増加している。2014年のiTunesの年間シングルチャートの上位15曲中洋楽が5曲を占めた。ここ数年は、1~3曲だったのに比べ伸びている。背景として多くの洋楽関係者が指摘するのが、10代を中心とした若い音楽ファンが増えた点だ。

「今の10代はネットとライブが中心で、YouTubeなどを通じて海外の音楽や情報に触れられる機会が増えた。良い音楽ならジャンルを問わず聴く傾向があり、ライブやイベントでも姿を見かける」とワーナーミュージック・ジャパンインターナショナル本部の大森正之エグゼクティブ・チーフプロデューサーは解説する。

欧米の市場の変化も一因だ。現地では、ネット経由で音楽を聴くのがすでに主流だ。2014年の米国の音楽市場は、音楽ストリーミング再生回数が前年比で54%伸びた(米ニールセン調べ、以下同)。一方CDアルバムの売上枚数は11%の減少となり、急速にストリーミングへシフトしている。

ストリーミングではシングルのプレイリストなどを組み合わせて楽しむのが一般的。そのためシングルヒットが重要視されるようになったという声は多い。

「キャッチーなメロディーやインパクトの強いフレーズのある曲が増え、シーン全体にポップス色が強くなっている。この傾向は今年以降も続くだろう」とワーナーミュージック・ジャパンインターナショナル本部の小野誠二プロデューサーは指摘する。

日本でも今後ストリーミングが本格的に普及すると、米国同様にシングルの重要性が高まりそうだ。

振り返ると、80年代のポップスが主流だった時代には、マイケル・ジャクソンやマドンナといったお茶の間にも親しみのあるスターが誕生した。一方、90年から2000年代にかけて米国を中心に主流となった、ブラックミュージック色の強い音楽は、日本人にはなじみにくかった。再びポップスの時代が到来すれば、洋楽が日本の音楽市場の重要なポジションを再び獲得する可能性はありそうだ。

ファッションやビジュアルも魅力的、ネットで新世代アイドルの人気上昇

洋楽シーンが活性化したのは、ワン・ダイレクションとアリアナ・グランデの2大アイドルがブレイクしたことも大きかった。

「メディアやソーシャルネットなど様々なチャネルから、あえて多角的に若年層にアピールした」とワン・ダイレクションが所属するソニー・ミュージックジャパンインターナショナルマーケティング1部の黒木美和部長は話す。

ワン・ダイレクションは、英国のオーディション番組『Xファクター』出身という背景があった。音楽に加えてストーリーやビジュアルも含めて、魅力を訴えたことがブレイクにつながった。

アリアナも、独特のファッションや、日本人好みのかわいらしいビジュアルなど、総合的な魅力が日本のティーンに響いた。さらにアリアナは、2014年だけで4回来日。アーティスト側の日本市場を重視したPR戦略も功を奏した。

テレビで露出する機会が増えたことも追い風だった。80年代に全盛だった歌番組には、来日アーティストのコーナーがあったが、90年代にはその歌番組が低調に。

しかし10年程前から、朝の情報番組やバラエティー番組など、海外アーティストを積極的に起用する番組が増えてきていた。こうした環境が用意されていたことで、テレビと親和性の高い洋楽アイドルが、飛躍のきっかけをつかめた。

ガラリと変わった日本盤PR戦略、丁寧なコミュニケーションがヒットの鍵

ネットの普及を背景にしたリスナーの変化は、洋楽のPR戦略にも変化をもたらしている。洋楽関係者が異口同音に発するのが「言葉は悪いが、リスナーをだませなくなった」ということ。以前は、「全米ナンバーワン」や「グラミー賞有力候補」といううたい文句を使えば、比較的容易にリスナーを引きつけられたという。

しかし、ネットで情報や音楽に簡単にアクセスできるようになったことで、リスナーの知識量は格段に増えた。さらに自分の好きな曲を能動的に探すため、大げさなあおり文句は、かえってリスナーを身構えさせることにつながる。

こうした変化を受けて、セオリーが大きく変わったのが、日本盤の発売タイミングを巡る戦略だ。以前は、安価な輸入盤に需要を食われないよう、本国と同時か、可能であれば1週間でも早く日本盤を発売することが重要だった。それが現在は、本国のリリースからかなり遅れて日本盤が発売されるケースが目立つ。多いのが、アーティストの来日タイミングに合わせて日本盤を発売する例だ。

まず輸入盤でコアな洋楽ファンに浸透させて下地を作ったあと、大規模なプロモーションを行いやすい来日時に日本盤を発売し、一気にファンを獲得する戦略だ。

実際、アリアナ・グランデの1stアルバム『ユアーズ・トゥルーリー』の日本盤は、本国からほぼ5カ月遅れの2014年2月発売。直前の1カ月半に2度も来日し、インストアライブやテレビ出演などのプロモーションを実施したことで、日本盤発売後にオリコン週間アルバムチャートで3位に入った。

「丁寧なコミュニケーションを通じて、アーティストへの"信用"を得ることが重要になっている」とユニバーサルミュージックインターナショナル制作編成本部の佐藤宙部長は指摘する。

アリアナと同様に日本へのローカライズを強く意識したプロモーションを仕掛けたのが、2015年1月21日に発売したサム・スミスの1stアルバム『イン・ザ・ロンリー・アワー』だ。

サム・スミスは英国出身で22歳の男性シンガーソングライター。客演などを通じて注目を集め2013年2月にシングルデビューした。本国では2014年5月のアルバム発売と同時にバラードの『ステイ・ウィズ・ミー』が大ヒット。その時点で洋楽ファンの間では注目を集めていたが、ファンを一般層にも広げるために、日本盤の発売を年明けまで延ばす戦略を取った。

これは2015年2月8日(現地時間)発表の「第57回グラミー賞」に合わせるため。すでに1年前、2014年の初めから有力候補として名前が取り沙汰されており、話題が最大限になるタイミングを狙ったのだ。

グラミー直後の来日を準備

グラミー賞発表後の2015年2月18日には初来日公演を開催。「このタイミングで来日してもらうために、1年近く前から交渉してきた」と佐藤氏は解説する。

さらに、より広い層に魅力を伝えるために、本国のマネジメントから許可を取り付けて『ステイ・ウィズ・ミー』の日本語詞を制作。日本語バージョンをChage、クリス・ハート、MS.OOJAの3人が歌唱し、その姿を2014年11月からYouTubeで順次公開してきた。アルバムの発売に合わせて、3人のパートをつなぎ、ひとつの曲として公開する仕掛けだ。

実際に2015年のグラミー賞では主要3部門を含む4冠(新人賞、楽曲賞、レコード賞、最優秀ベスト・ポップ・ヴォーカルアルバム賞)を達成し、今回の主役となった。青写真通りにブレークするかはこれからだが、話題性のみに頼らず、きめ細かく魅力を伝える努力が、洋楽復活の鍵を握ることを示していると言える。

(日経エンタテインメント! 上原太郎)

[日経エンタテインメント! 2015年3月号の記事を基に再構成]

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