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大物下落 ハリウッド俳優、ギャラ高額ランキング

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 ハリウッドの俳優はどのくらいのギャラ=出演料を稼ぐのか。映画業界紙『ハリウッド・レポーター』『バラエティ』や世界最大の映画情報サイト『IMDB.com』などに掲載されている最新作、もしくは過去2~3年の出演作のギャラを基に男優と女優に分けてランキング化した。

映画1本当たりの出演料が最も高い男優はロバート・ダウニーJr.。『アベンジャーズ』と『アイアンマン3』でそれぞれ手にした5000万ドル(58億5000万円)だ。映画会社は「俳優の主演映画が世界的なヒットが見込めるか」を判断してギャラを決めている。アメコミヒーロー映画はアメリカをはじめ世界的に大人気。特に近年はダウニーJr.がふんするアイアンマンが一番人気で、アイアンマンなどのヒーローが集結した『アベンジャーズ』は全世界で15億1900万ドル、『アイアンマン3』は12億1500万ドルの興収を上げている。高額ギャラも当然だろう。

次はレオナルド・ディカプリオが『ウルフ・オブ・ウォールストリート』で得た2500万ドル。ディカプリオは2000年に『ザ・ビーチ』で2000万ドルを超えて以降、高額ギャラをキープしている。ダウニーJr.がアイアンマンという当たり役で高額ギャラを手にしたのとは対照的に、トップスターとしての動員力で高額ギャラを維持している。

女優のトップはサンドラ・ブロックが『ゼロ・グラビティ』で手にした5000万ドル。ブロックのギャラは通常1000万~1500万ドルといわれている。だが、映画会社では製作費を抑えるため、ギャラを低額にする代わりに、興行収入から分配金を支払う契約をブロックと交わした。同作は全世界で興収7億1600万ドルの大ヒットとなったことから、ブロックの収入も増えたようだ。

次はアンジェリーナ・ジョリーが『マレフィセント』で手にした1800万ドル。女優としては珍しくアクション映画に数多く出演しており、『ウォンテッド』『ソルト』を大ヒットさせたことからギャラがアップ。現在も高額ギャラを維持している。

ギャラ相場全体の高額化が止まる、スター映画の需要が頭打ち

ハリウッドのギャラの最近のトレンドは3つある。まず「ギャラ相場全体の高額化が止まる」。ハリウッドではギャラ2000万ドル以上がトップスターの証とされ、「2000万ドルスター」と呼ばれていた。10年ほど前には2000万ドルスターが男女合わせて20人以上いたが、現在では9人だ。映画会社の親会社である大手メディア企業にとって、映画は一部門にすぎず、ケーブル局や地上波テレビなど多角的に運営している。高額なギャラを支払ってまで人気スター主演の映画を作る必要がない。そのためギャラ相場全体の高額化が止まっているようだ。

2つ目は「大物俳優がランキング上位から脱落」。2000万ドルスターだったトム・クルーズやトム・ハンクスはランキング外、ジュリア・ロバーツはかつてのギャラの半額以下の800万ドルとなっている。特にクルーズの激減が目立つ。『ミッション・インポッシブル』の2作目と3作目でそれぞれ7500万ドルを手にしたが、4作目では1250万ドル+歩合収入。大物俳優の主演作の興行収入が年々落ちているため、ギャラが下がっているのだ。

3つ目が「ギャラ高コメディー俳優の世代交代」。ベン・スティラーやウィル・フェレル、クリス・タッカーら2000万ドルを得ていたコメディー俳優もランキング外。こちらも主演作の興行収入が落ちているため、ギャラが下がっている。唯一アダム・サンドラーが2000万ドルだが、主演作はヒットしていない。このため、経済誌『フォーブス』が選ぶ「ギャラもらいすぎ俳優」の1位になっている。逆に、旬なコメディー俳優としてランキング入りしたのがブラッドリー・クーパー。『ハングオーバー』1作目では60万ドルだったギャラが、3作目では1500万ドルにまでアップしている。

(ライター 相良智弘)

[日経エンタテインメント! 2015年3月号の記事を基に再構成]

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