膝関節症治療、人工関節国産化へ支援拡大

膝関節症は、半月板や靱帯の損傷などスポーツによるケガで生じることもあるが、加齢により主に中高年で多いのが変形性膝関節症だ。厚生労働省の過去の推計によると、変形性膝関節症の自覚症状がある人は約1千万人、潜在的な患者数は約3千万人に上っている。

膝の人工関節手術は年間8万件近くと、10年前から倍増した。手術に使う人工関節器具の国内市場は310億円超とみられるが、その9割は米国など海外からの輸入品頼みだ。経済産業省が厚労省や文部科学省と連携しながら、国産化を後押し。医療機関と中小企業を結びつける「医工連携」に取り組む。

国産化の成否は「日本人の体質に合ったもの」「正座など日本人の生活様式に合わせたもの」を作れるかがカギを握る。岡山市のナカシマメディカルが開発するのは、「カスタムメード」の人工関節だ。骨は人によって大きさや硬さが異なる。そこで人工関節もサイズを調節するだけでなく、強度を患者それぞれの骨に合わせる。今後は臨床試験を経て、医薬品医療機器法(旧薬事法)の承認取得を目指している。

4月からは医療の研究開発の司令塔「日本医療研究開発機構(AMED)」が中心となり、よりきめ細かく支援する。市場ニーズに合わせた開発や、知的財産権の保護などで専門家がメーカーに助言。人工関節などの素早い製品化につなげる。