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松田聖子、中森明菜…再び活況、永遠の80年代歌姫

日経エンタテインメント!

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NIKKEI STYLE

 中森明菜の復活劇に代表されるように、80年代アイドルを取り巻く市場が活況を呈している。仕掛けるレコード会社の戦略や狙い、ブームを支えるファンが集うCDショップの売れ筋商品、歌い手が感じる80年代アイドルソングならではの魅力という3つの視点から、その人気の理由を分析し、今後を予想する。

2014年末の『第65回NHK紅白歌合戦』は松田聖子、中森明菜、薬師丸ひろ子と80年代のトップアイドル3人が一堂に会した。小泉今日子が出演し、松田聖子やおニャン子クラブらの楽曲が劇中で流れた2013年のテレビドラマ『あまちゃん』をきっかけとした80年代アイドルブームが、一過性ではないことを裏付ける番組となった。

『あまちゃん』に出演した薬師丸ひろ子は、正式枠では紅白初出場。1984年の主演映画主題歌『Woman "Wの悲劇"より』を歌った。中森明菜は、米国からの生中継で特別枠として出演し、新曲を披露。新作発表を継続する松田聖子は、デビュー34年にして初めてのトリで『あなたに逢いたくて~Missing You~』を熱唱した。

中森明菜の復活劇は注目を集めた。彼女は、2010年秋より活動を休止していたが、2014年8月に初のオールタイムベストをオリジナルとカバー2作同時でリリース。紅白まで本人稼働が一切なかったにもかかわらず、2作合計で15万セットを超える異例のヒットに。ニュースやイベント、CDの再発売など、情報が途切れなかったことがヒットにつながったようだ。

中森明菜の宣伝を担当するユニバーサルの高瀬一将氏は、このプロモーション戦略について「本人が稼働しておらず、使える素材も限られていたので、少しずつ情報を出すタイミングを考慮した」と語る。また、ヒットの理由について、「長期間活動しているアイドルは、レコード会社を何度か移籍しているケースが多く、その壁を越えたオールタイムベストを求めるファンは多い。長年続けていた、レコード会社をまたいだベストをという交渉がタイミングよくまとまったためでは」と推察する。紅白出演後、ベスト盤の売り上げも再浮上し、配信先行発売の新曲も初登場トップ10入りを果たした。

紅白に出場した3人だけではなく、2014年は荻野目洋子と菊池桃子が、新録音でアルバムを発売しライブを開催。2015年に入っても2月に工藤静香が新曲を追加したベスト盤を、3月には斉藤由貴がデビュー30周年アルバムを発売するなど、80年代アイドルの活発な活動が市場を盛り上げる。

この背景には子育てが一段落した80年代歌姫たちが多いことがある。加えてファン世代も同様に、仕事や子育て一色の生活から卒業しつつあることもブームを加速させる。「2014年8月に六本木のディスコ、マハラジャで、『中森明菜NIGHT』を開催したところ、自分が大好きなものを再び楽しもうという、40代で大盛況だった」(高瀬氏)。

ファンの絶対数なら80年代、「お茶の間の人気者」だった強み

さらに高瀬氏は、80年代のアイドルが多くの歌番組により、現在のアイドル以上に「お茶の間で幅広く親しまれていた」こともブームの背景にあると指摘する。売上枚数は現在のアイドルのほうが多いが、それは限られたファンが特典のために何枚も同じCDを購入しているケースが多いためだ。ファンの絶対数は80年代アイドルのほうが多かったため、その潜在需要から高い爆発力を持つのだ。

タワーレコード新宿店に専門コーナーが設置されるほど、80年代アイドルのCDセールスは好調だ。その理由として、技術の進歩によりSHM-CDなど高音質のCDが登場し、一度レコードからCDに買い直した愛聴盤を、さらに買い直すケースが多いことが挙げられる。

この需要を狙ったのが2014年夏にレコード会社5社から一斉に発売された『ゴールデン☆アイドル』シリーズだ。岡田有希子や河合奈保子ら、現在は活動のない伝説のアイドルの音源を最新技術を用いて高音質CD化。さらにアナログレコードのジャケットを原寸大で復刻したブックレットを付け、コレクター心をくすぐることでセールスを伸ばす。高音質化について、工藤静香の制作を担当するポニーキャニオンの浅見真人氏は、「ハイレゾ音源の配信も、多くの80年代アイドル歌手と相性がよいと想定している」と話す。

今後、80年代アイドル熱がより高まり、ひとつのジャンルとして定着していくために必要なのは、彼女たちのライブビジネスの本格的な立ち上げだろう。80年代アイドルで定期的にライブを開催しているのは松田聖子以外ほぼ見当たらない。薬師丸ひろ子は2014年12月に2日間のみライブを開催したが、その後は未定。中森明菜も予定は聞こえてこない。

工藤静香は毎年ディナーショーを実施しているが、ホールクラスの会場でのライブを望む声が多いという。「アップテンポの80年代ソングを手拍子とともに楽しみたいけど、混み合うなかでずっと立ちっぱなしはつらいと感じる方が世代的に多いのでは。ホールで、全イス席でのライブが開催できれば」(浅見氏)。こうした新たなニーズに合わせつつ、会場限定グッズを販売するなどの工夫で、まだまだ80年代アイドル市場の伸びしろは広がりそうだ。

コアファンと楽曲支持がブームを支える、CDショップ店長に聞く

80年代アイドルファンは何を求めてブームを盛り上げるのか。その最前線の売れ筋を識者に聞いた。

タワーレコード新宿店では、昭和アイドル専門コーナーを常設している。従来は近隣に企業が多い立地から、仕事帰りの会社員などを狙った「大人向けコーナー」として設置。70年代前半にヒットしたフォークソングなど幅広いジャンルを含んでいたが、2013年のテレビドラマ『あまちゃん』をきっかけに80年代のアイドルソングへの問い合わせが増え、該当作品を並べているうちに、「気づけば昭和アイドル専門コーナーになっていた」と同店の花野顕店長は話す。

この専門コーナーを支えているファンは、80年代アイドルをリアルタイムで楽しみ、CDを買う習慣を持つ40代の男性だが、大きく2つのタイプに分けられるという。

まずは「ずっとこのジャンルを追い続けているコアファン」(花野氏、以下同)だ。80年代当時も通のみぞ知っていたアイドルを応援していた層が支持するのは、レアなアイドルの音源をCD化した『アイドル・ミラクルバイブルシリーズ』。「特に伊藤智恵理や松本典子などは常に問い合わせがあり、高い人気です」。

もうひとつは、アイドルに歌詞や楽曲を提供しているアーティストに着目した「アイドル楽曲ファン」だ。例えば竹内まりやは、伊藤つかさや堀ちえみ、中山美穂など多くのアイドルに楽曲提供をしたことで有名だ。「河合奈保子さんの『けんかをやめて』(1982年)などを含む竹内まりやさんの提供曲ベスト『Mariya's Song book』はロングセラーです」と花野氏。松本伊代の『センチメンタル・ジャーニー』(1981年)などを含む作曲家、筒美京平氏の楽曲BOXセットも問い合わせが多く、「アイドル楽曲ファンは増加している印象」だという。

80年代アイドルは現在も、当時からのファンをターゲットに活動するケースが多いが、若い世代へ積極的にアプローチしているのが森高千里だ。24歳のDJ、tofubeatsと組み、2014年夏にはフェス「サマーソニック」へ出演したり、『ララ サンシャイン』や『ザ・ストレス』など代表曲をtofubeatsがリミックスしたアルバム『森高豆腐』を配信するなど、新たなファンを増やしている。森高千里のフィーチャリング曲を収録したtofubeatsのアルバムも「店頭での売り上げは好調」だという。

花野氏は最近の動きとして「2014年末の『NHK紅白歌合戦』の放映後に中森明菜さんの問い合わせが増加した」と語る。多くの人々が目にするテレビ番組で、80年代アイドルが登場する機会が増えているのも、ブームの後押しとなっているようだ。

(ライター つのはず誠、榑林史章、日経エンタテインメント! 伊藤哲郎)

[日経エンタテインメント! 2015年3月号の記事を基に再構成]

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