片づかない部屋の多くは、“モノが多すぎる”のが原因。スッキリした部屋を目指すには、増えすぎたものを手放すことが大切だ。では、モノの要・不要はどう見極めればいいの?

部屋に置くものは把握できる量に絞ろう
かたづけ士の小松易さんが提唱するのが「出す→分ける→減らす→戻す」の4つのステップで片づける方法。「スペースごとに出して分別することで、モノの状態を把握でき、判断しやすくなります」
残すものの量は「見えるかどうかが基準」と話すのは、整理収納アドバイザーのすはらひろこさん。「奥にしまって見えなくなると、存在を忘れて死蔵品になってしまうので注意して」
少しずつ捨てるうちに、だんだん快感になるはず。今回は、皆さんが片付かないと悩みがちなリビングに注目。あふれる物の捨て方をお伝えしましょう。
(1)出す
棚やクローゼット、引き出しなどの収納スペースにしまっているアイテムをいったん外へ「出す」。まずは持っているものの数や種類を把握することが目的。
(2)分ける
捨てることを意識せず、「分ける」基準で要・不要に分別する。現状で使っていないものや、思い描く生活のイメージに合わないものは不要と考えよう。
(3)減らす
分けたもののうち、「不要」に分別したものを処分。単に捨てるだけでなく、「○○にあげる」「△△に売る」など、具体的に減らす方法をつくるといい。
(4)戻す
最後に「要」と決めたものを元あったところに戻す。量が減っているため、あふれていたものもスッキリ収まるはず。今後はそれ以上増やさないことを心がけて。
長く過ごすスペースだけに、余計なものが増えやすいリビング。散らかるのを防ぐためにも「とりあえず放置」はNG。帰ってきたらとりあえず置く、使ったらそのまま放置→“○○っ放し”に注意。
●本・マンガ:本棚はタイトルが見える分しか置かない

整った状態で本棚に入り切らなければ処分を。読み返す可能性が小さい本、図書館や書店で入手しやすい本は思い切って手放そう。途中で読むのをやめた本も、再度開く可能性は小さい。
・すきまへ詰め込み始めたら捨てるサイン
本を横にしてすきまに詰め込んだり、前後に重ねたりするほどの量になったら、片づけのサイン。重要度の低いものから処分を
・読み返すことはなさそう
・希少なものではない
・買ったことを忘れていた“積ん読”の本
・買い直せる
●雑誌:情報の鮮度は1年以内と心得て捨てていく

情報の鮮度は1年が目安。それ以上古い情報は役に立たないことが多いので、処分して情報の新陳代謝を図ろう。内容がだぶっているものも、片方だけ残しておけば十分と考えて。
・読み返したい記事はファイリングして保存
必要な記事は該当のページだけ切り取って保存を。ファイリングする量も「1冊以内」など基準を設けて。
・最新号を買ったら過去のものは捨てる
・同じテーマを手元に置くのは1冊まで
●CD・DVD:データにして保存できるものは本体を処分

「最近聴いていないな」というCDやDVDはパソコンに取り込んでデータ保存し、本体は処分しよう。また聴きたくなったときは、再度ダウンロードやレンタルして手に入れればOK。
・ケースの入れ替えで収納スペースを節約
残しておきたいCDは、不織布ケースに入れ替えるのも手。100円ショップなどで購入できる
・視聴しなくなった
・ジャンルやアーティストに興味がなくなった
●文具:もらったもの、使いかけのアイテムはサヨナラを
増えがちな文具はまず1カ所に集めて、手持ちの数を把握しよう。デザインや使い心地が好みでないものは、持っていても使わない可能性が大きい。
・アイテムや種類ごとに2~3個まで。それ以上のものは処分
・社名入りなど、人前で使いづらい
・使いかけのまま放置されている
ペン:好きな書き心地のものだけを残す


手持ちのペンを一通り試し書きして、好きな書き心地のものをセレクト。それ以外は捨てよう。
ノート:使いかけのものは思い切って処分を
数行書いただけで放置してあるノートは、今後も使う可能性は小さい。新品のものだけを残す。
付箋・マスキングテープ:見える場所に保管し使うかどうかを見極めて
付箋やマスキングテープは見える場所にまとめて保管。しばらく様子を見て、使わないものは処分。
この人たちに聞きました

かたづけ士。69年北海道生まれ。建設会社の総務で、片付けの重要性を学ぶ。05年に「スッキリ・ラボ」を開業し、「片づけを習慣化する」をコンセプトに、企業向けコンサルや講演などを行う。

整理収納アドバイザー。一級建築士、インテリアコーディネーター。総合情報サイト「オールアバウト」で収納記事を掲載。収納商品などのデザイン監修も。著書に『風通しのいい片づけ』(エクスナレッジ)など多数。
(ライター 工藤花衣)
[日経WOMAN2015年1月号の記事を基に再構成]