花粉対策、朝一番が勝負 達人に聞く掃除・洗濯のコツライオン快適生活研究所長 伊野波美恵子さん

2015/2/18

暮らしの知恵

「花粉飛んでるね」「目がつらいよ」。そんなあいさつが交わされる季節がやってきた。今年は東北から北陸・東海地方にかけて花粉量が多くなる見込み。見えない敵に対してできることは何か。ライオンの伊野波美恵子・快適生活研究所長に家庭の花粉対策の基本を聞いた。
伊野波美恵子(いのは・みえこ) 東京都出身、お茶の水女子大卒、53歳。1984年ライオン入社。洗剤などの研究開発、広報を経て、2011年から快適生活研究所長。日用品ユーザーとの双方向メディア「Lidea」(リディア)を手がける。

――花粉症で悩む人が昔より増えた気がします。

「春になると原因不明の体調不良を訴える人は以前からいましたが、花粉によるものだと広く認知され始めたのは2000年ごろです。ライオンが初めて部屋干し洗剤を発売したのは01年。生活上の理由で外干しをしたくない人向けでしたが、洗濯物に花粉がつくのを防ぐニーズが年々大きくなるのを実感しました」

「日本の花粉症の8割は2~4月に起こるスギ花粉症ですが、夏のカモガヤや秋のブタクサなど花粉症を引き起こす植物は他にもあります。大気汚染などで人の粘膜は過敏になっているとも言われ、今や年間を通した問題になっています」

――花粉は目に見えないので厄介です。

「マスクで体内への取り込みを抑えても、花粉は服に付着したり、換気で部屋に入ってきたりします。花粉の動きを想像して家事を工夫してはどうでしょう」

――具体的には。

「掃除や洗濯は朝早い時間をうまく使うと効果的です。スギの花粉は約0.03ミリメートルと非常に小さく、人が動いて空気の流れが起きるだけでも舞い上がってしまい、花粉が床に降りてくるまでに約1時間かかります。帰宅して服を脱いだ直後や、子どもがバタバタと動いている夜は効率的とは言えません。静かな朝に床のふき掃除から始めるのがおすすめです」

「花粉の飛散量は時間によって変化します。都市部では午前11時~午後2時と午後5~7時がピークとの調査結果があります。洗濯物の生乾きやにおいを防ぐため外干しをするときは、夜から早朝のうちに干しましょう。花粉はぬれた洗濯物に付着しやすいため、飛散のピーク時間にはある程度乾いているのが理想です。部屋の換気も同様にピーク時間を外したほうがいいですね」

――朝は時間が限られていて難しい人もいます。

「私も共働きで2人の子どもを育てました。長男が花粉症だったので気持ちはわかります。私は『毎日こまめ掃除』と『週末しっかり掃除』を使い分けていました。こまめに心がけていた場所(表参照)は、花粉やほこりがたまりやすい玄関やトイレです。特にトイレは一見汚れていなくても服の上げ下げで床に花粉がたまりやすく、盲点です。ぞうきんがけが面倒ならばトイレットペーパーを60センチメートルくらいに切り、トイレ用ふき取りクリーナーを数回スプレーしてさっとふき取るのもおすすめです」

「時間に余裕がある時には掃除機のかけ方を意識してみてください。花粉が引っかかりやすいフローリングの溝、畳の目に沿ってゆっくり丁寧に。カーペットや布製のソファは掃除機ヘッドを密着させることで、繊維にからまった花粉を吸い取ることができます」

――外出時にできることはありますか。

「外出前に服に花粉を付着しにくくする静電気スプレーをかけると、効果があります。ライオンの昨年12月の研究では、かばんと服がこすれる部分やベルト回りで静電気が発生しやすいことがわかりました。最近の建物は気密性も高くて花粉を逃がしにくい構造です。建物に入る前に服についた花粉を手で落とすなどの対策は周囲への気配りにもなります。ひとりひとりができることを心がけたいですね」

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