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保険の新常識

医療保険は割に合うか 入院確率から試算してみた 保険コンサルタント 後田亨

2015/2/16

お金が手に入るチャンスと失うリスクがある次のようなゲームがあるとします。あなたが参加したい(してもいい)と思うものはあるでしょうか。

(1)毎年6%の確率で10万円もらえるが、94%の確率で1万9000円を失う
(2)毎年20%の確率で10万円もらえるが、80%の確率で4万円を失う
(3)全員から集めた参加料の70%が払い戻されるが、個々にどれだけ行き渡るかの確率は不明
入院確率をもとに、医療保険で支払われる可能性がある給付金の試算額と保険料との関係をみると、費用対効果が低いことに驚くかもしれない

これらは1泊2日以上の入院をすると一律10万円の給付金が支払われる、ある医療保険商品の費用対効果の一例をおおざっぱに示したものです。保険会社の方から入手した「人が入院する確率」のデータをもとに私が試算しました。ただしこの入院確率は男女別ではないトータルの数字だということを初めにお断りしておきます。

冒頭の3つが何を意味するか具体的にいうと、(1)は30代前半の女性がこの保険に加入した場合、1年間に支払われる可能性がある給付金(以下「期待給付額」とします)と保険料との関係です。(2)は65歳の女性が69歳まで5年間加入した場合の期待給付額と保険料の関係。(3)は一生涯加入し、保険料が給付金として還元される確率(同「還元率」)を示しています。

年代別の入院確率に基づく期待給付額と、それに対するこの商品の保険料を一覧にしたのが表1です。冒頭の(1)で6%としたのは、30~34歳の人が年間に入院する確率5.5%を丸めた数字です。給付金10万円が5.5%の確率で支払われる期待給付額は10万円×5.5%=5500円。30歳で加入した女性であれば、年5500円のために向こう5年間、毎年1万8744円を負担する計算になります。「1万9000円を失う」としたのはこの年間保険料を指します。年間の還元率は3割弱です。同様に冒頭の(2)の20%と4万円も、それぞれ65~69歳の入院確率と年間保険料のことです。還元率は51%です。

表1.入院確率から試算した、医療保険給付金を受け取れる期待額と、それに対する保険料
1年間で入院する確率1年間に支払われる可能性がある給付金
(期待給付額)
男性の年間保険料女性の年間保険料
20~24歳3.5%3500円1万4904円1万6584円
25~29歳4.1%4100円1万6344円1万7784円
30~34歳5.5%5500円1万8264円1万8744円
35~39歳5.7%5700円2万664円1万9824円
40~44歳5.2%5200円2万3664円2万1504円
45~49歳6.5%6500円2万7384円2万4024円
50~54歳8.3%8300円3万1824円2万7024円
55~59歳10.3%1万300円3万7104円3万504円
60~64歳15.4%1万5400円4万3104円3万4704円
65~69歳20.3%2万300円4万9584円3万9624円
70~74歳27.4%2万7400円5万6904円4万5384円
75~79歳30.9%3万900円6万4704円5万1744円
80~84歳39.0%3万9000円
85歳以上41.2%4万1200円

(注)入院確率は独自に入手したデータで、男女の区別と安全割増なし。期待給付額は、ある医療保険で1泊2日以上の入院に対し支払われる10万円の給付金に入院確率を掛けて算出。保険は79歳まで契約可能

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