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遅れる待機児童対策 30代は多数派、選挙へ行こう

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日経DUAL
従来の働き方や価値観が大きく変わりつつある今、第一線で力強いメッセージを発信し続ける、病児保育サービスの認定NPO法人フローレンス代表理事・駒崎弘樹さん。今回、子育て世代を取り巻く数々の問題に「何とかしなくちゃ」「何かアクションを起こしたい」と思っている人に向けて、励みとなるような話をしてくださいました。駒崎さんと一緒に、これからの社会をより住みやすい場所にしていくために、まず自分たちにできることを考えてみてはどうでしょう。

認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹です。

2004年春に全国初の訪問型・共済型の病児保育サービスを立ち上げ、2015年で11年になろうとしています。これまで一貫して、「子育てか仕事かの二者択一ではなく、両立が当たり前の社会を目指したい」という思いで、自治体や国に対する提言なども行いながら走り続けてきました。1979年生まれ、35歳の僕自身、公務員の妻と共に4歳の娘と2歳の息子を育てる、日々奮闘中のバリバリの共働き世代です。

日本の保育インフラの「失われた20年」

さて、2015年春から「子ども・子育て支援新制度」がいよいよ本格始動します。実は僕もこの制度設計に深く関わらせていただきました。この制度のポイントはいくつかありますが、定員20人に満たない小規模保育も認可の対象になるなど、より柔軟な保育制度が実現します。

1994年の「エンゼルプラン」に始まり、5年おきに少子化対策の計画が打ち出されるも、待機児童問題解消や育児支援が根本的になされないまま、放置されてきた日本の保育インフラ。まさに「失われた20年」を通過してしまったと言えます。

今回の新制度については、消費税増税の先送りで当初予定していたよりも財源が減ったという問題があるとはいえ、それでも7000億円分の"おさいふ"が付いたということは大きな前進です。

そう。これまで日本の保育インフラの改善が遅れた最大の要因は、財源が無かったから。医療には国民健康保険がある。介護には介護保険がある。年金には国民年金がある。でも、保育の財源はどこから…。

医療や介護や老後の年金は誰でもいつかはお世話になる費用ですが、保育は子育てをしていない人にとっては直接関わるサービスではありません。だから、費用をあらかじめ徴収しづらいんです。お金の当てがないから政策の立てようが無かったんですね。

でも、そんなことを言っていられないくらい保育園不足は深刻になり、少子化は加速しました。不況の長期化によって共働き世帯は増加の一途というのに、「保育園入園100人待ち」なんてざら。怒れる親たちが「保育園一揆」まで起こす騒動にもなっています。

そうして、ようやく重い腰を上げて政府が本気を示したのが今回の新制度なわけですが、では、そもそもなぜここまで対策が遅れたのか。日本の未来を大きく左右する次世代の育児支援に、政治家が本気にならなかったワケ。それはズバリ、「子どもは票にならない」からでしょう。

これは選挙のたびによく言われることで、政治家が「数が多い高齢者の票を集められる政策を重視する」結果として、若い世代に向けた政策が遅れてしまったんですね。僕たち若い世代自身も、「どうせマイノリティーだから声は届かない」と投票すら諦めてしまっている場合が多くあります。

30代はマイノリティーではない

さて、本当に僕たちはマイノリティーなのでしょうか。

数字で見てみましょう。2014年12月に総務省統計局から発表された人口推計によると、日本の総人口は1億2707万人。このうち、一番多い年代の人数はどれくらいだと思いますか。

恐らく、多くの人がいわゆる団塊世代を含む60代だと予想するのではないかと思います。実際の数はといえば1812万人。10代の数が1169万人、20代は1286万人ですからやはり60代は多数派と言えます(ちなみに、70代以降は1422万人、796万人と減少していきます)。

しかし、30代は少数派かといえば決してそうではありません。その数、堂々の1606万人。40代に至っては1845万人と、60代を抜いてトップ。50代は1545万人ですから、30代は50代よりも多数派なのです。意外かもしれませんが、それが事実なんです。

なぜ僕たち30代が「少数派扱い」されてしまうのかというと、それは選挙で投票に行く人が少ないから。母数で勝っても、率で負ける。結果、政治家に軽視されてしまうのです。

だから、僕は強く言いたいです。30代の共働き・子育て世代よ、「投票に行こう!」と。

次の選挙は、ベビーカーを引いて、子どもの手を引いて、投票所に行きましょう。一票を投じて政治家を選ぶ、という行為を子どもに見せることは、大事な市民教育にもなると思います。

政治家や行政は常に実践可能なアイデアを求めている

職業人として仕事にコミットし、親として育児にコミットし、そして市民として社会にコミットする。この三位一体の価値観を男女共に持てるのは、前世代には無い、僕たちの力です。

投票以外でも、例えば自治体の審議会に参加できるチャンスがあれば手を挙げてみるのもいいと思います。

政治家や行政の担当者って「市民の意見に耳を貸さない」というイメージがあるかもしれませんが、全然そんなことありませんよ。実践可能なアイデアはないかと常に求めているものです。ただ、専門外の分野であったり、配置されて間もなかったりで、実践するノウハウが不足しているだけ。

僕自身も、空き家を生かすことも可能な「おうち保育園」のアイデアを提案し、小規模保育のモデルにしてもらったという実績がありますし、民間がソリューションプロバイダーになり、行政に"パクッて"もらえれば、万々歳だと思います。

さらに簡単なアクションで言えば、自治体のホームページにアクセスして、「市長への手紙」といったメール投稿欄に意見を書き込むだけでも効果がある場合もあります。実際に書き込む人はあまりいないので、しっかりとロジックの通った意見が届くと、目に留まりやすいんだそうです。

三位一体感覚を持つ共働き世代が「世代的マジョリティー」として存在感を示し、政策に対して意見を発信していく。そんな意識とアクションによって、日本の保育インフラはこれからもっと良くなっていくはずです。

駒崎弘樹
1979年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、「地域の力によって病児保育問題を解決し、子育てと仕事を両立できる社会をつくりたい」と考え、2004年にNPO法人フローレンスを設立。日本初の「共済型・訪問型」の病児保育サービスを首都圏で開始、共働きやひとり親の子育て家庭をサポートする。2010年からは待機児童問題の解決のため、空き住戸を使った「おうち保育園」を展開し、政府の待機児童対策政策に採用される。2012年、一般財団法人日本病児保育協会、NPO法人全国小規模保育協議会を設立、理事長に就任。2010年より内閣府政策調査員、内閣府「新しい公共」専門調査会推進委員、内閣官房「社会保障改革に関する集中検討会議」委員などを歴任。現在、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員会座長、内閣府「子ども・子育て会議」委員、東京都「子供・子育て会議」委員、横須賀市こども政策アドバイザーを務める。著書に『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』(英治出版)、『働き方革命』(ちくま新書)、『社会を変えるお金の使い方』(英治出版)等。一男一女の父であり、子どもの誕生時にはそれぞれ2カ月の育児休暇を取得。

(ライター 宮本恵理子)

[日経DUAL 2015年1月22日付の掲載記事を基に再構成]

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