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建設現場に「チームなでしこ」 女性の活躍待ったなし

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NIKKEI STYLE

 ヘルメットをかぶって重労働――。女性の職場として縁遠いイメージだった建設業界が変わりつつある。深刻な高齢化と、都心再開発やリニア中央新幹線など中長期的な工事量の増加を前に、女性の活躍は待ったなしだ。

千葉県市川市。東京外郭環状道路と京葉道路をつなぐジャンクションの建設現場。工期は約5年、請負金額は500億円を超える大型土木工事だ。この現場で、大成建設を中心に施工監督や作業員など約10人の女性で作る組織「チームなでしこ外環田尻」が活躍している。これだけ多くの女性が働く現場は異例だ。

「(掘削のための)地下水ポンプが詰まりやすいので、こまめに点検してください」。メンバーの一人、窪田しおりさん(25)は掘削や測量の計画・監督役を担う。現場の作業員たちの安全や工期管理に目を配り、時に声をかける。

チームメンバーは日々の仕事をこなしつつ、更衣室やトイレの改装など職場環境の改善に取り組んできた。現場全体を統括する大成建設の枌野勝也所長は工事予算の一部の権限をチームに委託、女性が働きやすい現場作りに使うように指示した。「お膳立てをするのではなく、彼女らが自ら発信しなくては」と話す。

チームリーダー、高橋菜帆子さん(28)は「今後業界に入る女性の力になりたい」と意気込む。チームのオリジナルバッジやシャツなどPRグッズの企画、作成も手掛け、建設現場のイメージアップに一役買う。

長期にわたる建設投資の減少で高齢化が深刻な建設業界。産業の維持には女性を含む若手就業者を増やすことが急務だ。そこで約140社が加盟する日本建設業連合会(日建連)は2014年3月、女性の活躍を推進するためのアクションプランを策定。現場作業員の女性比率を現在の約3%から5年で倍増させる目標などを掲げた。

複数の女性が所属する現場組織を「なでしこ工事チーム」として登録する制度を新設。第1号の「チームなでしこ外環田尻」を皮切りに、首都圏や関西圏などこれまで23チームに拡大している。

建設業で活躍する女性技術者・技能者の愛称を「けんせつ小町」と決め、今年1月にはヘルメットを花びらに見立てたロゴマークも決めた。日建連の有賀長郎事務総長は「意欲ある女性の活躍に向け、意識改革の一助になれば」と話す。

活躍の場は現場に限らない。前田建設工業の事業戦略室に所属する堀川真加さん(34)は短時間勤務ながらも、再生可能エネルギーなど新規事業の技術担当として10本ものプロジェクトを抱える。いかに短時間でフル回転できるかを毎日考える。

3歳と5歳の子どもを保育園に送り、始業より30分遅い午前9時に出勤、定時より1時間早い午後4時半に退社してお迎えに走る。仕事を抱え込まず周囲と共有することを心がける。「終業ぎりぎりまで作業をこなして同僚に託す。育児に理解のある職場なので、翌朝『あの件、どうなった?』から始められる」

事業戦略室は新規事業開発のために11年に設置された社長直轄の部隊。ここを支えるのが女性。室員24人のうち7人、うち4人が「ママさん社員」と社内では突出して女性比率が高い。統括の岐部一誠常務執行役員は「新しいものを生み出すために、仕事へのハングリーさやスピード感のある人材が欲しかった」と話す。家事や子育てと仕事の両方を全力でこなす女性こそがその条件を満たすと判断した。

ゼネコンの業務は国や民間からの請け負いで成り立っており、業績が外部環境に左右されやすい。環境変化に耐えられるよう前田建設は「脱請負」を掲げ、自社で企画・運営する事業の立ち上げを事業戦略室で模索している。

鹿島は14年7月、女性の活躍推進を目的に、部署横断組織「チームF」を立ち上げた。様々な職種の女性約30人が集まり、女性の目線で働きやすい職場を検討、提言する。約2年をかけて試行と検証を繰り返して職場の環境を整備し、女性の就業促進につなげる。

清水建設は14年11月、国内外の女性社員約300人を本社に集めて「女性活躍推進フォーラム」を開催した。職種の異なる女性社員5人が登壇して、キャリアへの取り組みや家庭との両立の悩みなどについて話した。参加者からは「これだけ多くの仲間がいることを心強く思った」(20代)などの声が上がった。

大手建設会社で第1号となる女性役員も誕生した。三井住友建設の社外取締役に昨年就任した北井久美子さん(62)は元労働省(厚生労働省)のキャリア官僚。男女雇用機会均等法改正に中心メンバーとして携わった。

当時はトンネルなど坑内での女性の労働を禁じた法律の撤廃にも関わった。「危険」という理由以外に「山の神が怒る」という神話さえ、まことしやかに語られていた。

だが、改めて建設業界に身を置いて北井さんはいま「人手不足のおかげで、女性の活躍推進の動きは思ったより速い」と感じている。三井住友建設では昨年12月、ダイバーシティ推進委員会を設置し、性別や国籍、勤務体系など多様性を認める職場作りを進めている。

「女性が働きやすい職場環境作りは、男性も働きやすい」との思いがある。制度が整い始め、次に必要なのは「現場の管理職の意識改革と女性自身の本気」と話す。(青木真咲)

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