1%が後悔のもと 投信コスト、長期ほど収益に差3つの費用、買う前に比較

インデックス型は投資家にとって商品性が分かりやすいが、運用成績は運用会社によって差が出にくい。このため神戸氏は「インデックス型は信託報酬が安いものを選ぶのが基本」と指摘する。

一方、指数を上回る成果を目指すのがアクティブ型。ファンドマネジャーが調査に手間を掛け、企業の業績や市場動向に応じて銘柄を入れ替えたりするので信託報酬は高くなるのが一般的だ。

アクティブ型の信託報酬や販売手数料は上昇傾向にある。以前は国内株や先進国の債券を投資先とする投信が多く、投資家に商品内容を説明しやすかったが、新興国やREITなどに投資先が多様化。「商品の仕組みやリスクの説明に時間がかかるようになった」と投信評価会社モーニングスターの吉田誠・調査分析部長は指摘する。

投信を売却する際もコストがかかる場合がある。例えば信託財産留保額で、換金額に一定の比率をかけた額を負担する。投信は集めた資金を株式や債券などで運用し、解約の依頼があると一部を売却して現金に換える。売却には手数料がかかり、投信の資産から支払う。このため投信を引き続き保有する人が費用負担しないよう、解約する人が一定額を払う。

投信を選ぶ際は売れ行きや利回り、基準価格の推移などに目が行きがちだが、コストへの意識を強く持ちたい。信託報酬が年1.5%の投信の場合、販売手数料が3%でなくノーロードの金融機関で購入すれば、運用開始時点では2年分の信託報酬が節約できる計算だ。信託財産留保額のない投信も少なくない。

(編集委員 川鍋直彦)

■成功報酬型の投信、日本で広がるには
信託報酬の料率は一定という投信が多いが、信託報酬が成功報酬型の投信もある。楽天投信投資顧問の「楽天みらいファンド」は基本となる信託報酬は年0.2%。基準価格が最高値を更新すると、それまでの最高値を上回った部分に12%の成功報酬がかかる。ただし成功報酬を含めた信託報酬はどんなに基準価格が上がっても1.2%が上限。色川徹社長は「成果があがらない間は報酬を低く抑えるため、投資家に納得してもらえるのではないか」と話す。
投信が普及している米国では成功報酬型は少なくないが「仕組みが複雑な面があるので商品説明が難しくなる」(投信評価会社)という指摘もある。日本で成功報酬型が増えるには投資家層の広がりが必要のようだ。

[日本経済新聞朝刊2015年2月4日付]

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