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豊かなはずが…それを感じられない日本の不思議 幸せの上手な買い方・手に入れ方(1)

2015/2/3

今月のテーマは「幸せの上手な買い方・手に入れ方」です。幸せとお金の関係を考えることはとても大切です。老後に限らず、目の前の生活を向上させていくうえで、経済的な豊かさだけ得られればいいわけではなく、精神的な豊かさ、つまり幸せを手に入れる必要があるからです。私は「お金と幸せについて考えるファイナンシャルプランナー(FP)」と自己紹介することがあります。幸せはマネープランの問題でもあるのです。

■お金があれば生活に余裕を感じるわけではない不思議

1月28日の日経新聞朝刊1面に興味深い記事が載りました。「アジア10カ国の若者調査」で、日本よりも平均月収が低い国が多いにもかかわらず、経済的余裕を感じている人の割合は高い、というものです。

過去1年に経済的な余裕があった人と回答した割合は日本では25%にとどまり、10カ国中最低だったそうです。しかしインド、インドネシア、ベトナムなどの国は、日本より所得水準が低いにもかかわらず8割近くが経済的余裕を感じていたとのこと。

一見すると、お金を多く持っているほど生活の余裕も得られそうですが、そうではない、というわけです。物価の問題もありますが、それ以上に本質的なものが理由にあげられると思います。それは幸せを私たちが感じるメカニズムです。

■変化があると豊かさは感じやすい

インド、インドネシア、ベトナムなどは日本ほどインフラが整っていたり、商品の選択肢にあふれていたりするわけではありません。ビックカメラやイオン、マツモトキヨシがどこにでもあるわけではないのです。

発展途上国のお店では「洗濯洗剤=1種類」「せっけん=1種類」しか選択肢がなく、同一商品が店に山積みになっていることがほとんどです。また、私たちが5~10万円程度で購入できる生活家電を給与の何カ月分もの予算で購入していたりします。

物質的な豊かさだけでいえば、日本は明らかに豊かです。安全で文化的な生活が営めます。しかし「すでに豊かな時代に生きている日本の若い世代」と「今までは豊かではなくとも、どんどん変化し豊かさが目に見えるアジアの若い世代」には大きな違いがあります。

それは「変化の実感」です。豊かさの中にあると、なかなかその豊かさを実感できないのです。日本に暮らす私たちは自分の幸せを「自覚する仕掛け」を意識する必要があるのです。

■幸せや豊かさは相対的な概念

豊かさは物質的なものだけではなく、幸せによっても導かれます。もちろん、幸せのすべてが消費で買えるわけではありません。

ガールフレンドと過ごす時間に覚える幸福感、スポーツ観戦に出かけてひいきのチームが逆転勝利をしたときの高揚感、お気に入りのコミックが大団円を迎えて最終刊を読み終えたときの読後感などは、金額とは無縁で私たちを満たしてくれます。

しかし、幸せの多くが金銭的な消費を介して得られていることは事実です。先ほどの3つの例でいえば、心のこもった誕生日プレゼントも大半は商品購入ですし、少なくともチケット代や書籍代が必要です。とはいえ、投じたお金以上の精神的豊かさや幸福感を手に入れることができます。

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