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元祖は鉄道会社か 知られざる株主優待のルーツ

2015/2/19

【優待の歴史 あれこれ】

■「アウトロー」貫けず 歌舞伎座が断念した優待

歌舞伎座は何と、投資家に毎月末、年間計12回の劇場招待券を配っていた時期がある。「超高額株」のため、手厚い優待がないと売買されなくなることを懸念したためだ。

そんな同社を揺さぶったのが、株券電子化の前段階として1991年に始まった証券保管振替制度。当時は年1回までしか株主を確定できないシステムだったため、歌舞伎座は参加を拒否。「毎月優待」を優先した。しかしその後、保振(ほふり)への参加が上場維持の条件となり、アウトローを断念。03年の参加と同時に毎月優待も取りやめ、年2回確定の現行方式に切り替えた。

■株価テコ入れ狙うも不許可に NTTの幻の優待

「やると決めたらすぐ実施する」――。1992年6月の定例記者会見で、NTTの児島仁社長(当時)は株主優待の導入検討を強調した。当時のNTT株は業績悪化や政府の追加放出観測などで上場来安値圏に低迷。テレホンカードや株主の利用料金割引など優待導入でのてこ入れを図ったが、公平性の観点から役所が許可しなかった。

90年代半ばまでは時折、導入の話が出たが、いつの間にか立ち消えに。同社株の低迷はその後も続いたが、あの時導入していれば、株価の持ち直しはもっと早かったかもしれない。

テレホンカードの例。珍しい公社時代の物だ

(日経マネー 嶋田有)

[日経マネー2015年3月号の記事を基に再構成]

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著者:日経マネー編集部
出版:日経BP社
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