元祖は鉄道会社か 知られざる株主優待のルーツ

高度経済成長期には急増する個人投資家を取り込もうと、裾野が一気に拡大。1980年代初めには100社程度が採用していた。バブル崩壊後は株価対策としてむしろ導入に弾みが付き、大和IRによれば93年には283社が導入している。

2000年前後からは小売やサービス業が相次いで導入した。08年のリーマン・ショック直後には経営悪化で取りやめる企業も多かったが、ヤマハ発動機のように復活組も増えてきたことから、14年9月末時点では1150社と過去最高を更新した。大和IRによると昨年12月時点では1170社を超えている。新規株式公開(IPO)と同時に導入する企業も増えている。

小売や食品は飽和状態

では、株主優待は今後、どのような企業が導入していくのだろうか。それを読み解く鍵は業種別の偏りにある。建設機械のコマツのような老舗かつBtoB企業の採用が増えているが、これを裏付けるのが右のグラフ。

業界内での優待実施率は小売や食品などでは7割を超えており、この10年では差し引きでほとんど増えていない。逆に輸送用機器や機械などの増加が際立っており、最近の動向と合致する。

一方で、同じ株主還元でも現金配当を重視して優待から距離を置く企業も多い。全上場企業(ETFなどを除く)に占める優待実施率は既に3割を超えているが、「5割になることはまずないのではないか」(松永さん)との見方が大半だ。

今後は「長期保有してくれる個人投資家の獲得」という本来の趣旨に沿って、既に優待を導入している企業でも長期優遇を入れるなど、仕組みに工夫を凝らす企業が増えそうだ。

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