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貸したお金、もめないために 友人でも契約書を メールや第三者の発言が証拠になることも

2015/2/1

Aさんは友人から半年前、「訳があってカネに困っている」と請われ、現金20万円を渡した。Aさんは貸した金だと思っているが、友人は「もらったもの」などと言い張り、返してくれない。当初は信用していたので借用書のたぐいは受け取らなかった。どうすればいいのだろうか。

Aさんと友人との間に「金銭消費貸借契約」、つまり、貸し借りがきちんと成立していたかどうかが、まず問題になります。受け取る方が返す約束をしていれば、一般に借用書などと言われる正式な契約書がなかったとしても貸借契約は成立すると考えられます。

Aさんのケースでは、友人に貸すつもりでカネを渡したのは事実ですが、友人は「もらった」と主張しています。返済を求めるためには、「友人が借入金として返済する約束をしていることを証明する必要がある」と、弁護士の上柳敏郎さんは指摘します。

そこでネックになるのがAさんと友人が契約書を作らなかったことです。契約書があれば、それを基にAさん自身が返済するよう交渉したり、弁護士に代理人として交渉してもらったりすることができます。場合によっては簡易裁判所に支払い督促を出してもらうことだって可能です。

契約書がない場合は、「友人が受け取ったおカネが借入金であると証明するのは容易ではない」と上柳さんは言います。間接的に貸借があったと認められる証拠をそろえることが必要になってくるでしょう。

弁護士の平澤慎一さんは、「例えば友人からおカネを貸してもらったことへの感謝のメールや領収書などが証拠になる」と指摘します。また第三者が「友人がAさんからおカネを借りたと発言していた」などの証言をしてくれればそれも有効かもしれません。

いずれにしても金銭消費貸借は争いになると面倒なので、金額が多くて後々トラブルを避けたいなら、契約書を作ることが大切です。平澤さんは「友人でもお金を貸す以上は最悪の事態を想定する必要がある」とアドバイスします。

契約書には貸借金額、利息、返済方法などを明記し、貸主と借り主の双方が署名なつ印します。返済が滞ったり返済不能に陥ったりする可能性も考えて、連帯保証人をつけたり、担保として不動産に抵当権を設定することも考えられます。

重要な貸し借りであれば「契約書を公正証書にしておきたい」と司法書士の船橋幹男さんは言います。公正証書は公証人が作成する公文書で、強い証明力と執行力があります。期限通りに返済しない場合は強制的に債権回収されても構わない、という旨の条項(強制執行認諾条項)をつければ万全です。返済されなかった場合、借り主の預金や不動産などの財産に対して直ちに強制執行が可能です。

[日本経済新聞朝刊2015年1月28日付]

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