WOMAN SMART

3つ星スイーツ

ワンコインで感謝チョコ 財布に優しく思いも伝わる

2015/1/29

今年はどんなチョコレートをあげようかな? 2月14日のバレンタインデーが近づくにつれて売り場が気になる女性は多いだろう。今月の3つ星スイーツは専門家らによる「日経スイーツ選定委員会」が、ワンコイン(税別500円台)で購入できるチョコレート菓子を計10品選んで食べ比べた。菓子職人のアイデアと素材へのこだわりが光る技あり品ばかり。お財布に優しく、職場などでお世話になった人々への感謝の気持ちがしっかり伝わる品といえそうだ。

★★★(3つ星)=文句なしのおいしさ。スイーツファンならぜひ食べるべきだ
★★☆(2つ星)=抜きんでている。電車賃を使ってでも買いに行きたい
★☆☆(1つ星)=水準を大きく上回る。遠回りしてでも買いに行きたい

★★☆NOAKE TOKYO「ボンボンキャラメル」

〈特徴〉棒の先に球状のチョコレート菓子がさしてある。どことなく懐かしい形状は、お祭りのリンゴあめやチョコバナナを思わせる。パリッとした外側のチョコレートをかじると中からキャラメルがとろりと流れ出し、果物の味がジュワッと広がる。開発したのは女性パティシエの田中伸江さん。洋菓子メーカーで商品開発に携わった後、ジュネーブで菓子作りの修業を経て2009年に「菓子に求めるワクワク感を伝えたい」と屋台販売から始めた。

味は、イチゴとフランボワーズのピューレを煮詰め、チョコレートとバターを加えてキャラメル状にしたガナッシュをホワイトチョコでくるんだものなど8種類。グリオットチェリーとバラ、レモンとミルク、洋ナシと蜂蜜などがあり、それぞれの味にあったチョコレートを選んで使う。「ピューレを煮詰める温度も時間も素材によって変えている」という繊細さだ。「大人の女性が食べても上品に見えるように」との配慮から長めの棒を使っている。

〈感想〉「見た目のかわいらしさ以上に、本格的な素材を味わえる」(下園昌江さん)、「8種類から相手のイメージに合わせて選ぶと喜ばれそう」(平岩理緒さん)、「束ねると花束のよう」(下井美奈子さん)

〈価格〉1本250円(税込み)。白とベージュの包み紙でのラッピング(30円から)も可能。1本から受け付けるが、バレンタイン近くは要予約。

〈店舗〉浅草店は東京都台東区浅草7-3ー7(電話03・5849・4256)午前11時~午後6時。日・月定休。

★★☆ ドモーリ「シングルオリジナルシリーズ品種産地別チョコレート」

2つ星を獲得したドモーリの「シングルオリジナルシリーズ品種産地別チョコレート」

〈特徴〉ドモーリ社はイタリアのトリノで、ジャンルーカ・フランゾーニ氏が1994年に創業したメーカー。商品はキャレタイプ(薄い板状のチョコレート)で、6枚入っておりエクアドルやペルーなどいくつかの産地のカカオの味を堪能できる。ジャンルーカ氏はチョコレートの原材料となるカカオ豆に強いこだわりをもっており「南米やアフリカ原生林の森に分け入りカカオ原種を探し、接ぎ木によって増やすことに15年以上取り組んでいる」(輸入代理店ノンナ・アンド・シディの岡崎玲子社長)ほど。

チョコレートのよしあしは「50%が豆、30%が工場設備、20%が発酵で決まると言われる」(岡崎社長)。ドモーリ社では通常は1日以上かかるペースト作りを2時間に短縮しできる技術を開発し、カカオの香りをより強く感じられる商品にしたという。また、製造過程で普通は加えるカカオバターを足さず、カカオマスと精製しないキビ砂糖のみを使うことで、濃く深い味わいを出すことを目指している。

〈感想〉「1枚で目の覚めるようなインパクト。仕事でもうひと頑張りという時にお薦め」(平岩さん)、「産地別のカカオの力強い香りが楽しめる」(下井さん)、「同じカカオ70%でもこれほど違いがあるのかと好奇心と知識欲をくすぐられる。本格的なチョコ好きに」(下園さん)

〈価格〉604円(税込み。税別560円)。

〈店舗〉ノンナ・アンド・シディ東京都渋谷区恵比寿西2-10-6-102(電話03・5458・0507)午前11時~午後7時。日・祝日定休。

★☆☆ トーキョーチョコレート「トーキョースーベニアチョコレート 島とうがらしチョコレート」

1つ星を獲得したトーキョーチョコレートの「トーキョースーベニアチョコレート」

〈特徴〉メリーチョコレートカムパニーが展開するブランド「トーキョーチョコレート」から、東京の手土産をイメージして作られたのはかわいいパッケージに入ったチョコレート。伊豆諸島や小笠原諸島産の唐辛子や塩を使った「島とうがらし」や「島塩とキャラメル」のほか、老舗かつお節メーカーのにんべんと協業した「旨味広がるかつおぶし」など、常時10種類ほどをそろえる。

〈感想〉「サクッとした食感とビターなチョコレートと思いきや、最後に唐辛子の味が刺激的。他とは差を付けたいときに」(下園さん)、「島とうがらしは予想以上にぴりっと刺激的。お酒のおつまみとしても楽しんでもらえそう」(平岩さん)、「何種類かを購入し、シェアしながら皆で楽しみたい」(下井さん)

〈価格〉1箱540円(税込み)

〈店舗〉伊勢丹新宿店 東京都新宿区新宿3-14-1地下1階(電話03・3352・1111百貨店代表)午前10時30分~午後8時。百貨店休業日定休。

★☆☆ シュガーファース「サンドウィッチショコラ」

1つ星を獲得したシュガーファースの「サンドウィッチショコラ」

〈特徴〉菓子店「銀のぶどう」などを展開するグレープストーン(東京都杉並区)が出したウエハース専門店「シュガーファース」の人気商品。2枚のカカオ味のウエハースに挟まれたはみ出るほど大きな板チョコレートが売りだ。板チョコレートはホワイトチョコレートとビターチョコレートをブレンドしており「マイルドなのにビターという味を作り出した」(同社広報)。バターをウエハース生地の上からかけて、焼き焦がして染み込ませる製法をとっており、独特のコクがある。

〈感想〉「生地のサクサク感が軽快で食べ応えがあり男性に好まれそう」(平岩さん)、「ウエファースとくせのない板チョコレートが重なり食べやすい」(下井さん)、「かわいいラッピング付きでこの価格はかなりお得感」(下園さん)

〈価格〉1袋3枚入り388円(税込み)。

〈店舗〉シュガーファース西武池袋店、東京都豊島区南池袋1-28-1西武池袋本店地下1階(電話03・3981・0111、百貨店代表)午前10時~午後9時(日・祝日は午後8時)。百貨店休業日定休。ほかにも店舗あり。

●ちなみに

2つ星を獲得したnoake TOKYOの「ボンボンキャラメル」

2月14日をバレンタインデーとするようになった起源はローマ帝国時代にまでさかのぼるとされている。「愛を告白する日」といわれるようになったのは、同日が家庭と結婚の女神の祝日とされ、女性が男性に手紙を渡す習わしがあったことと関係があるのだという話がある。

「バレンタインデー」と呼ばれるようになったのは、キリスト教の司祭だったバレンタイン(バレンティヌス)がローマ帝国時代、当時禁止されていたローマ兵士の結婚式を執り行い、皇帝に処刑された日がこの日だったことから、という説が有力とされている。

日本では女性が男性にチョコレートを贈る習慣が強いが、これは菓子メーカーの発案だという。日本でもパリのチョコレートの催事「サロン・ド・ショコラ」をまねて百貨店が催事を開くようになっており、ここには国内外から著名なチョコレート店が出店している。今年の話題は「ビーン・トゥー・バー」(カカオ豆から板チョコまでの一貫製法)。産地別の豆にこだわる独自製法のチョコレートを新作として出す動きも広がっている。

世界のチョコレート菓子職人も注目する日本市場。好意を寄せる男性に贈る「本命チョコ」のほか、職場などでお世話になっている人に贈る「義理チョコ」、「感謝チョコ」などに加え、最近は同性の友達に贈る「友チョコ」、自分へのご褒美として贈る「自分チョコ」なども登場。財布と商品をにらめっこしながらいくつもの袋を下げた女性たちで今年も売り場は大盛況になりそうだ。

職場などに気を使い、2000~3000円程度の詰め合わせを1箱買って「みなさんへ」とする女性もいる。だが男性に尋ねてみると「小さくても自分あてに、としてもらう方がうれしい」という声が記者の周りには多かった。そこでたくさん用意する際になるべく負担にならないよう今回はワンコイン(税別)程度で買えるものを設定した。意外にもユニークなものがたくさんあり、メーカーも気のきいた義理チョコ需要を意識しているのが分かった。せっかく贈るなら義理でもおいしくて、喜んでもらえるものにしたい。気のきいたスイーツは職場の潤滑油になると改めて思った。

(吉野真由美)

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●専門委員の横顔(五十音順)

下井美奈子さん

1973年生まれ。実家の母が菓子教室講師ということから、子どもの頃からスイーツの食べ歩きや菓子作りを行う。一般企業を退職した後、パリの料理学校「リッツ・エスコフィエ」で料理・製菓の資格取得。またパリの製菓料理学校「ル・コルドン・ブルー」「ルノートル」で学び、2年間のロサンゼルス在住中にも各国の製菓・料理を習得。情報サイト「オールアバウト」では立ち上げの2001年から、スイーツガイドを担当。多数のメディアで洋菓子情報を紹介するほか、商品開発、レシピ提供を行うスイーツコーディネーターも務める。共著に「TOKYO美食パラダイス」など。

下園昌江さん

1974年生まれ。大学卒業後、専門学校やパティスリーで製菓の技術や理論を学んでおり、製法にも詳しい。菓子の食べ歩き歴は15年。近年は特にフランス菓子に力を入れ、フランスを巡るツアーや焼き菓子を中心とした菓子教室も開催。監修本に「とびきりスイーツ見つけた!」。ウェブサイト「Sweet Cafe(スイートカフェ)」主宰。

平岩理緒さん

1975年生まれ。小学生のとき、訪れたデパートでスイーツの魅力に目覚める。大学卒業後、食品会社のマーケティングに携わる。2002年、テレビ東京の番組「TVチャンピオン」デパ地下選手権での優勝を機に、食の情報発信を本格化。退社後はフリーのフードコーディネーターとして活躍中。月に食べる菓子は100種類以上。和菓子店での勤務経験もあり、和、洋菓子全般に詳しい。著書に「アフター6のスイーツマニア」(マーブルトロン)。コミュニティーサイト「幸せのケーキ共和国」主宰。

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