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大は小を兼ねない 炊飯器選びは子どもの年齢で変わる

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仕事も子育ても忙しい共働き世帯にとって、「家電選び」は面倒な作業かもしれません。中でも炊飯器はご飯を炊くだけなのに機能も価格も多岐にわたり、「そんなに味に差が出るの…」と思ってしまいます。とはいえ、日々の食生活を支える製品だけに、特に成長を控えた子どものいる家庭にとっては慎重に選びたいというのが本音でしょう。

そこで今回、共働き世帯に最適な炊飯器選びのポイントについて、家電コーディネーターの戸井田園子さんに聞きました。

炊飯器の「加熱」方法を変えた、IH式

──今回は炊飯器の選び方について教えてください。

戸井田園子さん(以下、戸井田):最近、食べ物の季節感がなくなってきていますが、例えば「新米」などは、数少ない季節を感じさせる食材です。「食育」という点からも、成長期の子どもがいる時期にこそ、炊飯器選びにはこだわったほうが良いと思いますね。

──炊飯器は昔に比べてどんなところが進化しているのでしょうか。

戸井田:これまで電気炊飯器には、大きな変化が二度あったと言われています。最初の変化は「加熱」の変化です。1988年、松下電器(現パナソニック)から、内釜に磁力線を当てることで釜自体を直接発熱させるIH式電気炊飯器が登場しました。釜自体が発熱するので、お米がむらなく炊けるのが特徴です。各社もIH式に移行していきます。

ちなみに松下電器は当時、IH式炊飯器の広告を日本経済新聞に掲載したんですよ。白物家電の広告を日経に出すのは異例でしたが、男性にアピールしようと考えたんですね。一生のうちに食べる量を考えると、女性より男性のほうがごはんを食べる量が多いのは間違いありません。そういう意味で炊飯器は男性の関心が高い調理器具なんです。

実際、2度目の変化も、男性に支持されました。

定年を迎える団塊世代に人気の炊飯器とは

──2度目の変化とは…。

戸井田:2度目の変化は「釜」の変化です。2006年、三菱電機が本炭窯の炊飯器を発売しました。大きな炭の塊から、内釜を削りだしたんです。当然、コストもかかります。当時の炊飯器の売れ筋価格は2万~3万円だったのに、この製品は10万円を超える価格で販売されました。

実はこの時、三菱はプレスリリースを出さないで、商品を店頭に並べました。メーカーとしても手探りだったのでしょうし、本炭釜を作るのには手間がかかるので数が作れないという事情もあったようです。

しかし、この製品が大ヒットしたのです。ちょうど団塊の世代のいちばん上の世代が定年になる時期で、外食が多かった男性たちが家でごはんを食べる回数が増えたんです。彼らはお金も持っているし、食へのこだわりもある。そういう人たちに支持されたのです。

小容量でおいしく炊ける高級炊飯器も登場

戸井田:たとえば3.5合炊きの炊飯器はお店に行くと6000円程度で買えます。ところが、最近は3.5合炊きで5万円以上の炊飯器も登場しているのです。

これも、子どもが独立した団塊世代に向けて開発された製品です。夫婦二人暮らしだから大容量の炊飯器は必要ない。おいしいごはんを、必要なときに、必要な量、炊くというニーズを想定して開発されました。

話はそれますが、面白いのはこの製品が、最近増えてきた一人暮らしのアラフォー世代にも支持されているんです。実は一人暮らしのアラフォーの嗜好ってシニアに似ているんですよ。シニアは健康に気をつけますが、一人暮らしのアラフォーも未来のことを考えて健康に気を使う人が多いんです。

昔の炊飯器は、炊けるごはんの量が多い製品ほど価格が高かったのですが、今はそうではありません。大容量の炊飯器より高い小容量のモデルもあります。

──ただ、子どもがいる共働き世帯は「大容量で決まり」ではないでしょうか。

戸井田:必ずしもそうとは言い切れないんですよ。使い方によっては小容量が向いている世帯もいるんです。

朝ごはんを炊いて朝飯とお弁当に使い、残りは保温しておいて夕食に食べる。そういう家庭なら大容量が向いています。これは「3食ごはん」という家庭ですね。でも、最近はそうではない家庭が増えてきています。

──「3食ごはん」ではない家庭ですか…。

戸井田:そうです。朝食はパンという家庭も多いですよね。先日、JA全中が行った調査でも、「朝食の主食として最もよく食べるもの」は、全体でパン派(49.8%)がごはん派(38.7%)を上回っています。

夕食も、かならずごはんを食べるとは限りません。週2回は麺類かもしれませんし、共働き世帯なら「仕事で忙しいから今日は買って帰ろう」という日もあるでしょう。お昼も、子どもが保育園や小学校ならお弁当を作る必要はありません。

だから、子育て中の世帯でも「ごはんは食べる分だけ炊く」という家庭は少なくないのです。

ごはんをおいしく炊く目安は、容量の8割

──でも、大容量の炊飯器を買っておけば、いざというときに困らないのではありませんか。

戸井田:意外に知られていないのですが、多くの炊飯器は「大は小を兼ねない」のです。

──大容量の炊飯器で少量の米を炊いてもおいしくないということでしょうか。

戸井田:そうです。一般的な炊飯器は「容量の8割のお米を炊いたときが一番おいしい」と言われています。

お米を炊く過程は「ひたし」「炊き」「蒸らし」という3つの段階に分かれます。お米を水に浸して、それを加熱して炊いて、さらに蒸らしておいしくする。これは電気炊飯器も変わりません。

多くの炊飯器では、最初の「ひたし」の段階で、内釜にどのくらいの量の米が入っているか、分からないんです。炊く段階で、一定の温度まで上昇する時間を測定して、初めて釜の中にある米の量を炊飯器のマイコンは把握するんです。だから、その前の「ひたし」の時は、一番無難な60%程度だと推測して作業を始めるんです。

最近は三菱の上位機種のように、重量センサーを内蔵し、内釜に入った米の量を量って時間を設定する機種も出てきました。また日立は「2合炊き」というボタンを用意して、それを押すと2合だと判断して適切な時間になるように調整します。こういうモデルなら「大は小を兼ねる」と言えますが、まだ少数派なんです。

「3食ごはん」でなければ、都度炊くという選択も

戸井田:4人家族でも、子どもが小さいときは、大量にごはんを炊いても、食べきれません。ラップをして冷凍するといっても、その手間は面倒ですよね。だったらその都度ごはんを炊いたほうが、いつでも炊きたてのおいしいごはんが食べられる。

省エネの観点からすると、一度に大量に炊いたほうがいいのは間違いありません。朝夕にごはんを食べるなら、2合を2回炊くより、一度に4合炊いたほうが合理的でしょう。

でも、1週間に3回程度しか食べないのなら、2合ずつ毎回炊いた方が手軽で炊きたてのごはんが食べられます。

忙しい共働き世帯は、1週間分の献立の計画を立てている人も多いのではないでしょうか。私も会社員だったときは、計画を立てていました。そういう人なら、週に何回ごはんを食べているかすぐにわかるはずです。ぜひ自分の家が「一度に大量に炊いたほうが良い」のか、「食べる量だけ炊いた方が良い」のか確認してみてほしいですね。

──食生活によって、炊飯器選びは変わるんですね。

戸井田:炊飯器選びは、食事の嗜好だけでなく、子どもの年齢でも変わってくるから難しいんです。

例えば保育園の時は夏休みはありませんが、小学校になると夏休みがあります。ふだんは給食があるけれど、夏休みはお弁当を作らなくてはいけない。そうなると大容量のほうが便利になります。1回に食べるごはんの量も、男子の場合、小学生と中学生では全く違ってきます。

だから、炊飯器に関しては、子どもの成長に合わせて買い替えるという考え方もあると思います。

──「壊れたら買い替える」ではなく「子どもに成長に合わせて買い替える」方法もあるわけですね。どうもありがとうございました。

戸井田園子さん
大手プレハブメーカーでインテリアコーディネートを担当し、インテリア研究所を経て商品企画部へ。その後、インテリア&家電コーディネーターとして独立。現在は、情報ポータルサイトAll Aboutをはじめ、雑誌・新聞・テレビなど幅広いメディアで活動中。家電業界出身ではない中立的な立場と消費者目線での製品評価や、分かりやすい解説に定評がある。好きな家電は、お掃除ロボットなど時短家電。

(日経DUAL 大谷真幸)

[日経DUAL 2014年8月28日付の掲載記事を基に再構成]

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