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交差点も「観光地」 訪日外国人が喜ぶ意外なツボ

2014/12/23

ここは、あなたが空想し、映画で何度も目にした「the Tokyo」です――。欧米で人気のガイドブック「ロンリープラネット」の東京編にある一節だ。さて、質問。「ここ」とは、どこでしょう。

答えは「Shibuya Crossing」。つまり、渋谷駅前のスクランブル交差点だ。

記者も同書を片手に渋谷のスクランブル交差点に出かけた。これまで気にもしていなかったが、そこかしこに写真や動画を撮影する外国人の姿。なかには、交差点を行ったり来たりする人もいる。はとバスは一部の外国人向けバスツアーに交差点見学を取り入れている。スクランブル交差点は今や立派な「観光地」なのだ。

外国人観光客らはスクランブル交差点のどこに魅力を感じているのだろうか。英語の旅行サイトのコメントをのぞいてみた。「大勢の人が動き回っている光景がスゴイ」「おしゃれな人がいるかと思うと、漫画みたいな髪型の人もいる。人間観察にもってこいだ」……。日本人にとっては日常の風景だが、外国人はそこにニッポンらしさを感じているようだ。

2014年1~11月の訪日外国人客数は前年同期比28%増の勢いで伸びており、通年では1300万人規模に。円安や短期滞在査証(ビザ)発給要件の緩和が急増の背景にある。

JTB総合研究所の波潟郁代・企画調査部長は「外国人によるニッポン発見の時代が始まった」と指摘する。外国人は日本人と異なる視点でニッポンの今をSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で発信。それを見た人が日本を訪れるというサイクルが回りだした、とみる。日本人が見せたいニッポンだけでなく、「今後は外国人の見たいニッポンは何かを知る努力が必要だ」。

政府が13年6月発表した「日本再興戦略」のなかで、「2030年に訪日外国人旅行者3000万人超を目指す」との目標を掲げた。国連世界観光機関は今後、海外旅行者数は30年まで毎年3.3%増で成長すると予測する。日本再興戦略で掲げた目標を達成するには、このペースでは遠く及ばない。

2020年の東京オリンピックは訪日客獲得に大きな追い風となるのは間違いないが、経済波及効果の大きい観光に力を入れる国や地域は日本だけではない。「世界は観光大競争のまっただ中」(JTB総研の波潟・企画調査部長)。日本は、足元の好調さに浮かれてばかりもいられない。

(映像報道部 中野圭介)

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