筋トレすれば誰でも「ムキムキ」になるは間違い筋肉のウソ・ホント(1)

日経ヘルス

筋肉をつけることの効能はあるけれど、筋トレすれば誰でも筋肉がたくさんつくかといえば、それは間違い。「筋肉」をよく知れば、効果的な体調管理を行えます。2回に渡って筋肉の最新常識をリポート。筋肉に関するあなたの「常識」を最新情報にアップデートしましょう。

筋トレすると女性もムキムキになる?

【ウソ】
女性は筋肉がつきにくいもの。余計な筋肉がつくようなら、誤ったフォームでトレーニングしているのかも?

「女性は、女性ホルモンの影響で速筋細胞が細く、皮下脂肪が多い。そのため、普通の筋トレをしてもムキムキにまでなることはまずない」と、日本女子大学家政学部の佐々木一茂講師。

でも脚や腕がムキムキになり困ったという人もいる。そんな人は「筋トレのフォームが間違っていたり、体が硬かったりして、大きくしたくない筋肉を鍛えてしまっているのでは」と指摘するのは、パーソナルトレーナーの島田弘さん。「例えば、体が硬くて肩甲骨が動きにくい人は、背中の筋肉が使えずに腕ばかりが太くなる」(島田さん)。

また、速筋細胞が多い人や男性ホルモンの影響を受けやすい人はムキムキしやすい。その場合は「トレーニングの頻度を減らせばいい」と近畿大学生物理工学部の谷本道哉准教授。「ムキムキになるのはトレーニングの効果が高いということ。内容を変える必要はない。2セットやっていたら1セットに、週2回だったら1回に減らすといい」(谷本准教授)。

筋トレは脂肪肝の予防になる?

【ホント】
50~60代女性に多い脂肪肝炎も、筋量をキープすれば予防になる。

閉経後になりやすい病気にNASH(非アルコール性脂肪肝炎)がある。肝臓に過剰に脂肪がたまり(=脂肪肝)、炎症が起きている状態を指す。肝硬変やがんになる可能性が高い。「閉経後は、過食の傾向が強くなって肥満になりやすく、NASHにもなりやすい」と、筑波大学附属病院消化器内科の正田純一教授は話す。

予防の1つのカギとなるのが、糖代謝とそれにかかわるホルモン「インスリン」だ。

食事で血糖値が上昇すると、インスリンが分泌され、糖はグリコーゲンとして肝臓、筋肉に、余りが中性脂肪として肝臓や脂肪細胞に蓄積される。「筋肉は糖を蓄積する重要な器官。そのため、筋肉量が少なければ糖代謝はうまくいかず、やがてインスリンの分泌が不十分になり、肝臓にたまる中性脂肪が増え、脂肪肝となる」(正田教授)。

この流れを断ち切るのに有効なのが“筋トレ”。筋肉が増えればインスリンと関係なく消費する糖が増え、インスリンの効きが良くなる。「筋量の減少は閉経後に加速する。閉経前から筋量維持を」(正田教授)。

多くの女性が「最近筋肉が減った」と感じている?

【ホント】
雑誌『日経ヘルス』のアンケートでは74.4%もの人が筋肉の減少を実感。

本誌のアンケートでは、最近筋肉が減ったと感じる人が実に7割以上という結果に。減ったと感じる部位のトップはやはりお腹。体がたるみ、疲れを感じるようになったのは筋肉が減ったからだと考えているようだ。

筋肉をつける筋トレに対して、必要だと思う・どちらかといえばそう思う人は96.4%に上ったが、実際に習慣的に筋トレしている人はわずか30.5%。週に1~2回、ジムに通う人が多い。一方で、筋トレ経験者は61.0%も。学校などでスポーツのパフォーマンス向上のためという人が多かった。

調査概要 2014年9月19日~10月9日まで『日経ヘルス』および『日経ウーマンオンライン』の読者を対象にウェブ上で調査を実施。回答者は20~74歳の女性164人、平均年齢は40.2歳。会社員が64.0%を占めた

(日経ヘルス 宇野麻由子)

[日経ヘルス2014年12月号の記事を基に再構成]