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こだわりOFF

100歳までボケない「ココナツオイル」の野菜レシピ

2015/1/28

 ご飯が好きな日本人。食事はどうしても糖質に偏りがちだが、過剰摂取は脳にも体にもよくない結果に。「ケトン体回路」をオンにすることで、糖質に頼らない脳と体のアンチエイジングにトライしよう。
白澤卓二さん、順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。1958年、神奈川県生まれ。1982年、千葉大学医学部卒業。東京都老人総合研究所分子病理部門研究員などを経て現職。専門は寿命制御遺伝子の分離遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学など。日本抗加齢医学会理事

 アンチエイジングの研究を専門とする順天堂大学大学院教授の白澤卓二さんが警鐘を鳴らし続けているのが、現代人の糖質に依存する食生活だ。炭水化物や糖質は、体内に取り込まれるとブドウ糖に分解される。このブドウ糖は私たちのエネルギー源となる大切な栄養素だが、その血中濃度が高過ぎると、逆に深刻な事態を引き起こすというのだ。

 「血糖値が高くなると、すい臓からインスリンが分泌されてその調整が行われます。しかし常に糖分を過剰に摂取していると、これが効きにくくなり、やがては糖尿病に至ることもある。またエネルギーに変換されなかった余剰のブドウ糖は中性脂肪となって脂肪細胞に蓄えられ、肥満、高脂血症などを引き起こします。さらに脳内でもドーパミンの量を調節できなくなり、糖が足りないとイライラする中毒症状に陥ってしまいます」(白澤さん)

■ケトン体体質になって脳をアンチエイジング

 こうした状態から脱するために、今、白澤さんが勧めているのが自らも実践する「ケトン体食事法」だ。ケトン体とは何か。

 「ケトン体とは、肝臓で脂肪酸によって作られる物質です。人間の体には、糖質、たんぱく質、脂質を源とする3つのエネルギー産生回路があり、エネルギー量が枯渇しないよう、これらが段階的に働く仕組みになっています。ケトン体はここで力を発揮するのです」(白澤さん)

 血中のブドウ糖がなくなると、肝臓に蓄えられたグリコーゲンからブドウ糖が作られ、それも不足すると今度は筋肉のたんぱく質がブドウ糖を合成する。そして、これも使い果たしたときに働くのが、脂肪酸を分解したケトン体だ。

 「このケトン体によるエネルギー回路が使われると、特に老化防止の面では効果が期待できます。体が『栄養分が足りない危険な状態だ』と認識して長寿遺伝子が活発に動き始め、細胞の劣化を防ごうとするからです。そのため老化にブレーキがかかるのです」(白澤さん)

 特に脳細胞は、ブドウ糖よりもケトン体を好む性質を持つ。ケトン体が送られると脳内にα波が生まれ、リラックスした状態になる。

 「血中のケトン体濃度が高い『ケトン体体質』になるために、私は2週間、炭水化物と糖質を最小限にする方法を勧めています。朝は野菜ジュースのみ、昼と夜は野菜、魚、肉を食事の中心に据え、腹七分目を心がける。そうすれば、血糖値が上がりにくく、インスリンを分泌しにくい体に変化します」(白澤さん)

■「ケトン体食事法」にはココナツオイル

ココナツオイルで血中の脂肪酸を増やす。最近、注目が高まっているココナツオイル。中鎖脂肪酸のため、直接肝臓に運ばれて分解されエネルギーに変換されるので、脂肪になりにくい。血中ケトン体濃度を高める効果もある。1日の摂取量は大さじ2が目安だ

 さらに、この「ケトン体食事法」を後押しする強力な味方として、白澤さんが注目しているのがココナツオイルだ。

 ココナツオイルには、血中のケトン体濃度を上げる働きがあることが分かっている。しかも、普通の植物油が長鎖脂肪酸が主であるのに対して、ココナツオイルは中鎖脂肪酸が豊富。直接肝臓に運搬・分解されてエネルギーに変換されるため、その吸収力は長鎖脂肪酸の約4倍、代謝は約10倍の速さで行われ、脂肪になりにくい、というメリットもある。

 「僕は朝、糖質を取らずにココナツオイル入りのコーヒーを飲みますが、昼には血中のケトン体濃度の数値が上がっています。仕事の集中力が途切れないし、そのスピードも格段に上がる。睡眠のリズムも良くなりました。脳の情報伝達がスムーズにもなるので、アルツハイマー病の防止にもつながります。そして野菜もアルツハイマー病予防に有効だとされていて、毎日野菜ジュースを飲むと、その発症率を76%下げるという実験結果もあります。ココナツオイルと野菜を組み合わせると、脳の若返りには極めて効果的なのです。毎日の食事に取り入れて、体と脳の若返りに挑戦してみてください」(白澤さん)

ケトン体食事法では、野菜と質の良いたんぱく質の摂取が欠かせない。食品を色によって7種類に分けて、それぞれを満遍なく取るとよい。特に朝はジュースにして飲むと、糖質依存を克服しやすくなる

■ココナツオイルと好相性の野菜レシピ(1)

【作り方】(1)ブロッコリーは小房に分け、600Wの電子レンジで1分半ほど加熱する。エビは殻を外して背ワタを取る。(2)フライパンにココナツオイル、みじん切りにしたショウガ、小口切りにした赤唐辛子を入れて熱し、さらにみじん切りにした長ネギを入れて炒める。(3)香りが立ったらエビを入れて色が変わるまで炒め、プロッコリーと鶏ガラスープの素を加えて1分間ほど炒める。塩、コショウで味を調える
【作り方】(1)グリーンアスパラガスはハカマを取って斜めに切る。ジャガイモは小さめの乱切りにする。(2)帆立は厚みを半分に切り、塩、コショウをしてから、ココナツオイルを熱したフライパンで両面をさっと焼く。(3)鍋に水と顆粒コンソメ、ジャガイモを入れて中火で熱し、ジャガイモが軟らかくなったらアスパラと(2)を入れ、蓋をして3分間ほど煮る。(4)牛乳とカレー粉を加え、沸騰直前まで温める。塩、コショウで味を調える。(5)器に盛り、パルミジャーノチーズを振る

■ココナツオイルと好相性の野菜レシピ(2)

【作り方】(1)トマトはヘタをくりぬき、横半分に切る。ベーコンはみじん切りにする。(2)トマトを耐熱皿に並べ、塩、コショウをし、ベーコン、チーズ、ハーブパン粉の順に載せ、ココナツオイルを回しかける(上の小さい写真)。(3)オーブントースターに入れ、5分間ほど焼く
【作り方】(1)ニンジンはスライサーなどで千切りにし、塩をして5分ほどおき、水気をよく絞る。オレンジは房に分けて皮をむく(上の小さい写真)。(2)ボウルにAを入れ、よく混ぜてドレッシングを作る。(3)ニンジンとオレンジを(2)で和え、塩、コショウで味を調える。(4)器に盛り、あればミントの葉を載せる
【作り方】(1)小松菜はさっとゆでて、4cmの長さに切る。ボウルに「A」を入れ、混ぜ合わせておく。(2)鶏ささ身を耐熱容器に入れ、酒と醤油を振る。600Wの電子レンジで1分間ほど加熱し、冷めたら手で裂いておく。(3)小松菜とささ身を「A」で和えて器に盛り、すった白ゴマを載せる

(ライター 志賀佳織、写真 岡田義博=料理、吉澤咲子、料理作製 熊谷有真)

[日経おとなのOFF 2014年12月号の記事を基に再構成]

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