2015/1/16

リアル金持ちの現場

一方、上場企業の大株主の場合は3%ルールというものが存在し、個人で3%以上の株式シェアを保有する場合は、その配当金は配当課税(現行20%、復興特別所得税を除く)ではなく、富裕層にとっては税率の高い総合課税[注1]として扱われます。そのため3%以上の保有分を資産管理会社に移動させる人が多いのが現状です。

あと一つ、資産管理会社の株式の相続税評価額を計算する場合は、事業会社の株式の含み益の40%相当額を控除できます。つまり事業会社の株の代わりに資産管理会社の株を持つことで、相続税の節税につながるのです。

[注1]年収1800万円超4000万円未満は税率40%、4000万円超は45%(復興特別所得税を除く)。

【メリット3】 オーナーの家族への所得分散

資産管理会社から企業オーナーの家族に給与を支給することで、相続や贈与ではない形で所得を分散でき、相続税の支払資金を確保できます。また、資産管理会社から後継者に給与を支給することで、後継者の株式買い取り資金の確保にもつながります。

資産管理会社の設立以外にも、相続・事業承継の対策としては相続時精算課税制度、財団、隔世贈与、信託、生命保険、不動産などが選択肢としてあります。これらの手段の活用も、資産管理会社の設立と同様、今後増えていくことと思われます。

冨田和成(とみた・かずまさ) ZUU社長兼CEO。一橋大学在学中にソーシャル・マーケティングで起業。卒業後、野村証券で同年代のトップセールスなどを記録し、最年少でプライベートバンク部門に異動し活躍。退職後にZUUを設立し、金融ポータルメディアZUU onlineなどを運営。

[日経マネー2014年11月号の記事を基に再構成]

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