2015/1/16

リアル金持ちの現場

例えば親が亡くなり、3人の子に資産が分配されたと仮定します。5億円の資産を分割し、相続税を納めたとしても、1人当たり1億円を超える資産を一気に手にする形となります。

つまり「相続の大量発生によって富裕層が増えている」のが09年からの傾向です。毎年の日本全国の相続資産は概算で50兆円にも及ぶといわれており、この傾向はこれから5年、10年とさらに加速していくものと考えられます。そして相続が増加しているということは、事業承継も同程度の割合で増加しているということです。富裕層人口の推移から、相続・事業承継マーケットが急拡大するのが容易に見て取れます。

相続税ルールが大改正

これを後押しするかのように、2015年から相続税の基礎控除額が大幅に引き下げられ、相続税・贈与税の最高税率も引き上げられました。一方で現政権は、法人税を将来減税する方針を打ち出しています。つまり、個人よりも法人で収入を受け取る方が、税金が低くなる可能性があることを示唆しているわけです。

こういった環境と、プライベートバンクをはじめとする金融機関の戦略が相まって、最近増えているのが企業オーナーによる「資産管理会社」の設立です。

富裕層は資産管理会社で節税する

前回述べたように、日系のプライベートバンクは相続・事業承継を重点分野と位置付けて、富裕層へ攻勢をかけています。

「事業承継をスムーズにするために、資産管理会社を設立しましょう」。彼らが企業オーナーに投げかけるのはこんなセールストークです。銀行系のプライベートバンクであれば、そこで資産管理会社への融資のビジネスも発生します。

近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし