働き方・学び方

おとなの数学

1cmを100回倍にすると 小学生にも分かる解き方 桜美林大学教授 芳沢光雄

2014/12/23

 算数や数学にはとかく、ややこしい公式や定理を覚えるイメージがつきまとう。しかし、難しい式がわからなくても、子供のような素朴な発想に戻って考えれば、意外と簡単に解ける問題も少なくない。いろいろ工夫して答えを導き出せば、算数や数学がもっと楽しくなるだろう。そんな例を紹介する。

■公式に頼らず、素朴な発想で工夫

 日常生活を思い起こしてほしい。算数や数学以外では、正式な方法を知らなかったり、道具がなかったりしても、何とかやりくりしているものだ。

 例えば、定形外の郵便を出すとき、はかりがなければ平均的な新書の重さは200g弱で、500cc入りの牛乳パックの重さは500g強なので、それらと比較して間に合いそうな切手をはればよい。物差しがないとき、何かの大体の長さを測りたいならば、親指と人さし指の間を少し広げたときの長さが10cmであったり、両手を大きく広げたときの左手と右手の間の長さは身長より少し短い長さであったりすることを用いるとよい。

1cm×2倍を100回繰り返すと……

 もちろん、そんなことをするのは、個人的な性格もあるだろう。これは私の例だが、もともとものごとを“工夫”するのが好きなようだ。20年ぐらい前にはパソコンで、ベーシック言語を使ってプログラムを書いて遊んでいた。さまざまな野菜やサフランを使ってブイヤベースをよく作った時期もある。根底には、素手で立ち向かう空手の精神が好きなこともある。

 人によって程度は違うが、長さや重さなど物理的な量の測定に関しては、各自工夫していると思う。算数や数学でも同じように、工夫して解いてみてはどうだろうか。大学の授業でも、「すぐ公式に頼るのではなく、自分がもっている素朴な発想をフル活用することを忘れないでほしい」と言うことがある。累乗の計算と樹形図を具体例に説明しよう。

■1cm→2cm→4cm…を100回繰り返すと宇宙超える

 小学生に対する出前授業で、よく次のような質問を生徒に出す。

 「1cmを倍にすると2cm、2cmを倍にすると4cm、4cmを倍にすると8cm、8cmを倍にすると16cmですね。これは1cmを4回倍にすると16cmということですね。それでは1cmを100回倍にすると、どのくらいの距離になると思いますか」

 子供たちのいろいろな答を聞くと楽しいものである。「ボクの家から○○君の家まで」「東京から大阪まで」「日本からアメリカまで」……。

働き方・学び方

ALL CHANNEL