ジャズで年越し 定番、新顔、意外なビッグネームも

新しいジャズの楽しみ方を提案する「Something Jazzy 女子のための新しいジャズ・ガイド」の著者、島田奈央子さんによるジャズガイド。最近の話題やおすすめのアルバムを紹介します。

2014年もいよいよ年の瀬を迎えました。仕事納めや忘年会、家の大掃除など、忙しい毎日が続いているのでは。そんな時こそ、ジャズでリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。

さて、7月にスタートしたコラム「JAZZYカフェ」も、今回で最終回となりました。記念すべき第1回は、「子供と聴きたい名演奏」。その後も、へこんでしまった時に聴く「元気の出るジャズ」や、仕事もはかどる「ジャズとコーヒー」など、様々な切り口で、お薦めのジャズをご紹介してきました。

どのテーマにも共通しているのが、「普段の生活の中に音楽を取り入れると、なんとなく気持ちが豊かになる」ということ。私の場合、ジャジーな音楽が流れているだけで、心がスッキリしたり、食事がおいしく感じられたりして、友達との会話も弾みます。好きな音楽が増えれば増えるほど、好きな時間も増えたような気がします。このコラムでジャズという音楽が少しでも身近に感じられたり、心に響く曲を発見できたりした方がいたら、うれしいです。ぜひ、これからもジャズのある毎日を楽しんでください。

レディー・ガガとトニー・ベネットがデュエット

今年のジャズシーンを少し振り返りましょう。まず、大きなニュースとしては、あのポップスターのレディー・ガガと、アメリカで最高の男性ボーカリストでエンターテイナーと称されるトニー・ベネットが、デュエットでジャズアルバム「チーク・トゥ・チーク」をリリースしたことでしょう。

トニーはこれまでもジャズを歌い、名ピアニストのビル・エヴァンスと共演した作品を発表していますが、ガガは作品の中でジャズを歌うのは初めて。あの奇抜な衣装のガガがジャズを歌うなんて……。やはり興味が湧きますよね。彼女は昔からジャズを愛好していたそうで、大好きな1930年代中心のナンバーをトニーと選曲し、2人が拠点にしているニューヨークで1年をかけて録音したそうです。

豪華なビッグバンドのサウンドをバックにトニーと歌うガガは、まるで水を得た魚のよう。自由自在に、とてもナチュラルに歌っています。「これはジャズの名曲集だけど、モダンに仕上がっているでしょ」と彼女が言えば、もう納得。古き良きジャズの味わいを残しつつも、現代風のポップスが見えてくる世界に、新しい風を感じます。

ガガの堂々とした歌いっぷりは、トニーと60歳の差があることを感じさせず、息もぴったり。アルバムは第57回グラミー賞のBest Traditional Pop Vocal Albumカテゴリーにノミネートされています。

また、ピアニストの上原ひろみさんや山中千尋さんのように、グローバルに活躍する日本のミュージシャンの活躍もめざましいですね。このコラムでもご紹介したトランペッターの黒田卓也さんはNY在住で、日本人として初めて米国のブルーノートと契約し、今年デビューアルバムをリリースしました。米国のカレッジチャートで1位を獲得するなど、注目されています。彼は単身NYに渡り、人脈を広げ、チャンスをつかんだそうです。チャンスを待つだけでなく、彼のように自発的に動き、世界で活躍する日本人ミュージシャンがいることに誇りを感じます。

注目記事
次のページ
「日本らしさ」生かすジャズも
今こそ始める学び特集