国税調査官はブログも当然見ている

国税調査官時代のエピソードを講演などでお話する際、常に「税務調査に入られにくい企業つくりに役立ててほしい」という思いを伝えたいと考えています。自分では、毎回当たり前のことをお話ししているのですが、最近、その中でとても驚かれることがあることに気づきました。それは、調査官は「ホームページやブログをチェックしている」ということです。講演に参加された個人事業主のAさんとのやりとりを再現してみましょう。

A:「ちょっと聞いたんですけど、国税調査官って調査に行く先のホームページ(HP)も見るんですか?」
飯田:「もちろん見ますよ」
A:「え~、ホンマですか~」
飯田:「調査官は集められた情報を元に、あらゆる角度から分析をし、どこに調査に行くかを決めています。HPの情報って何の苦労もせず、誰もが手に入れることのできる情報だということはおわかりですよね。調査官がそれをチェックしないわけがないという風に説明すると分かっていただけると思います」
A:「なるほど…。HPには経営理念とか、企業の情報を掲載してますもんね」
飯田:「インターネットが普及するまでは、調査先の情報は提出された申告書や国税庁で集められた資料からしか得ることができませんでした。調査に行って初めて社長さんの顔を見ることが当たり前でしたからね」
A:「ありがとうございます。でも、まさか、フェイスブックやブログなどは見てないですよね」
飯田:「いえいえ、当然見ています」
A:「そうなんですね。ありがとうございました。ちょっと、帰ったら、ブログにおかしなこと書いてなかったかチェックしますわ……」
プライベートな書き込みは要注意(写真はイメージ)

実は、このAさん。思い当たることがあったのです。取引先のお客さんに親近感を持ってもらうために、プライベートな内容をブログで発信していたのでした。

「今日は完全オフで○○温泉に蟹食べ放題ツアーに来ています!」

この書き込みを見て調査官は何をするでしょうか。この内容をKSK(国税総合管理、の略)という国税局のシステムに入力します。

日時:○○年○○月○○日○曜日
場所:○○温泉
氏名:Aさん
企業名:○○○
内容:オフと称して○○温泉に宿泊

数年後、Aさんに税務調査が入ったとします。調査官は過去3~5年の経営内容を短時間のうちに調べ上げなければなりません。その中から不正発見のきっかけ「端緒」を探すのです。

調査官は、おもむろにその会社の経費帳を開き、○○年○○月○○日の箇所を指さすでしょう。そして「この旅費交通費について説明していただけますか?」と質問するのです。

近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし
注目記事
近づくキャッシュレス社会
ビジネスパーソンの住まいと暮らし