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2015年は「耐える年」 経験則で占う株式相場

2014/12/20

株式投資の基本は「安い時に買い高い時に売る」――。頭では理解できても「それが分かれば苦労はない」というもの。一助になるのが「アノマリー」と呼ばれる経験則だ。過去の相場の特徴的な動きから導き出された「法則」だが、不思議と当たることが多く、そうバカにできない存在だ。

年末に向け一段高を期待する市場関係者が口にするのが「掉尾(とうび)の一振」。「物事の勢いが最後になって盛んになること」を意味し、大納会に向けて株価が上昇する状態を指す。実際、12年と13年の年初来高値は大納会に付けた。大納会の2営業日前からは節税を目的にした損失確定売りがなくなることが一因とされる。米国でも同様の「サンタクロースラリー」なる言葉がある。

迎える15年はどうか。干支(えと)は未(ひつじ)年。相場格言では「未辛抱」と言われ、耐える年とされる。大和証券が1949年以降の十二支別の年間騰落率を集計したところ、未年は平均で8%高と下から4番目の低調さだ。とはいえ14年は「午(うま)尻下がり」と言われ下から2番目の成績だが現状では健闘している。来年も外れることを願いたいものだ。

季節がらみのアノマリーも多い。1月は株価が上がる年が多く、「1月効果」と呼ばれる。その理由を三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は「新年は海外の年金などに資金が流入しやすく、大口の買いが入るため」と分析する。国内企業は3月期決算が多く、同様の事象が4月にも起こりやすい。また、3月には期末を前に国内の機関投資家が運用成績をよくみせるため「お化粧買い」を入れ、株価が押し上げられがちとされる。

上がった株を売るタイミングとしては「セル・イン・メイ(5月に売れ)が有名だ。米国発の格言だが日本でも当てはまり、5月は相場が崩れることが多い。一説には「ヘッジファンドの決算期は11月が多く、5月の中間決算末前に換金売りを出す」とされるが、ヘッジファンドは12月決算が多いとの声もある。明確な根拠は乏しそうだ。

むしろ有力なのが年前半で上昇した分の利益確定売りだろう。直近10年間の日経平均の動きをみると、5月に下落した年のほとんどは1~4月に株価が上昇していた。

曜日別では「月曜日の株安」が有名。理由は「米国などが日曜で日本株の主力の買い手である海外勢のエネルギーが乏しいから」(大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリスト)。同様に金曜も売りが出やすい曜日とされる。休日に悪材料が出ても対応できないことから、週末を前に投資家が運用リスクを減らす傾向が強いからだ。

本当か。今年の日経平均の騰落額を11月まで算出してみた。確かに月曜は平均5円安、金曜は1円安とやや売り優勢。火曜(17円高)や水曜(37円高)とは対照的だ。だが、思わぬ伏兵がいた。実際最も下げが大きかったのは木曜だった。アノマリーはやはり一定の参考にとどめるのが正解のようだ。

(大越優樹)

[日本経済新聞朝刊2014年12月13日付]

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