ライフコラム

生きものがたり

清楚でスマートなユリカモメ 鳴き声は恐竜のよう

2014/12/20

冬羽の成鳥。姿は優美だが声はしわがれている=写真 石田光史

これから年明けまでのわずかな期間が私たち哺乳類と鳥類の「歴史」に相当する。太陽を回る惑星として46億年前に地球ができたとして、今日に至るまでを1年365日に例えると、脊椎動物が誕生したおよそ5億年前は11月末頃となる。魚類、両生類、爬虫(はちゅう)類という進化の中で恐竜の時代が12月中旬で、哺乳類と鳥類の繁栄はそれ以降のはずだ。

■カモメで唯一内陸でもよく見る

体温を一定に保つことができ、学習能力に優れ、子育てをする高等動物と威張ってみても、地球の歴史では新参者であり、私たちが下等と見なす命ほど大先輩に当たる。

ユリカモメの声を聞いて「恐竜みたい」と言った人がいる。恐竜の声を聞いたことはないが、ギャーとかギューとか聞こえるしわがれ声はお世辞にもよい声とは言い難い。見た目は清楚(せいそ)でスマートだから「天は二物を与えず」の好例と言えまいか。

ユリの花のように美しいのでこの名になったという人もいるが、「入りカモメ」「入り江カモメ」などが転じたという説を支持したい。日本だけで25種にもなるカモメ類のほとんどが海辺にいる中で、内陸まで入り込み、各地の河川や湖沼でもよく見かけるのは本種のみだ。ただし、川沿いにお住まいの方から「朝は上流に向かい、夕方は下流に飛ぶ」とよく聞かされるので、寝るのは海ではないかと考えている。

夏羽の成鳥。日本でも春には見られるが、すでに北上の時期となっている=写真 石田光史

日本野鳥の会のホームページ(http://www.wbsj.org/)には「見つけて渡り鳥」というコーナーがある。夏鳥や冬鳥の情報を入れていただき、共有できるようになっている。冬鳥情報のメーンがジョウビタキとユリカモメなのは、ともに身近にもいて、わかりやすいためだ。ユリカモメは海辺にいたとしてもカモメ類としては小型だし、くちばしも足も赤いという特徴で見分けられる。

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