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創造力を刺激、代官山に自分だけの「仕事場」を

2015/1/3

日経トレンディネット

代官山駅入り口交差点にあり、長く代官山のシンボル的存在だった「代官山Loveria(ラヴェリア)」と「代官山東急アパートメント」跡地に2014年11月28日、5年間限定の新施設「TENOHA DAIKANYAMA(テノハ代官山)」がオープンした。

同施設は、広域渋谷圏の大規模な再開発を予定している東急不動産の新規事業。5年間限定という制約を逆手にとり、ビジネスとライフスタイルを融合させる大胆な実験と位置付けられたプロジェクトだ。同社が都市型商業施設の新ブランドとして表参道・原宿エリアに開業を予定している「キュープラザ原宿」などの展開に実験結果を生かしていきたいという。

「TENOHA DAIKANYAMA(テノハ代官山)」は東急東横線代官山駅から徒歩3分。地上8階、地下1階、塔屋1階建て。敷地面積は3877.97平方メートル、延べ床面積は7496.47平方メートル。代官山のシンボルだった建物はそのままに、外観はより緑が多く、内部はスタイリッシュで洗練された空間に生まれ変わった

2013年までは代官山の旧施設を取り壊して新たな建物への建て替えを予定していた。だが2013年9月、2020年の東京五輪開催の決定を機に「情報発信の拠点となるような施設として再開発に生かしていきたい」と発想を転換。急きょ取り壊しを中止し、テノハ代官山のオープンを決め、わずか3カ月ほどでリノベーションした。「ある意味、5年限定だから大胆な決断ができた」(同社)。

同社が試みようとしている、「ビジネスとライフスタイルを融合させる大胆な実験」とはどのようなものなのだろうか。

■1時間利用からシェアオフィスまで対応するビジネスゾーン

同施設は大きくビジネスゾーンと商業ゾーンに分かれている。ビジネスゾーン「TENOHA LAB」は1階が時間単位で貸し出すコワーキングスペース、2階が契約制のサービスオフィスとなっている。会員同士でのアイデアの共有やつながりのあるクリエイティブなオフィス空間を目指しているという。

ビジネスゾーンTENOHA LABは、1~2階合わせて、総面積約370平方メートル
TENOHA LAB の1階は全席フリーアドレスのコワーキングスペース「STUDIO」と、ミーティングルーム。月額1万5000円、または1時間1000円で誰でも使用できる

2階は会員のみが使用できるサービスオフィスエリア。法人登記や郵便物の受け取りも可能。「ROOM」11室、「OFFICE」14室。365日24時間利用可能(入会には審査あり)
セミプライベートな空間「DESK」(1部屋2平方メートル、月額3万円~)が44席

自由にアレンジ可能な個室サービスオフィス「ROOM」(5.1平方メートル、月額10万円~)が11室

■ローマの老舗カフェが日本初上陸

一方、商業ゾーンには日本初出店となるイタリアンバール「ボンドルフィボンカフェ」、本格カジュアルイタリアンレストラン「TENOHA & STYLE RESTAURANT」、ライフスタイルショップ「TENOHA & STYLE STORE」の3つのショップがオープンしている。

インテリア・雑貨・食品・アパレル・グリーンなどを取り扱うライフスタイルショップ「TENOHA & STYLE STORE」。国内外問わず、約1200商品をセレクト。インターネットサイト「スタイルストア」を活用し、ネットとリアルを融合させた販売手法を展開するという。約290平方メートル。営業時間:11~20時
イタリアンレストラン「TENOHA& STYLE RESTAURANT」では「味は極上、価格は日常」をテーマに、旬の食材を意識した、毎日食べたくなるイタリア料理を提供するという。約455平方メートル、席数140席で、ピッツエリア、レストランエリア、個室、キッチンスタジオ、テラスとさまざまな利用シーンに対応できるとのこと。営業時間:11~23時
ローマで150年以上愛され続けているコーヒーを提供する「ボンドルフィカフェ」が日本初上陸。ローマから空輸しているコーヒー豆を使い、エスプレッソの苦みが少ないのが特徴だという。20席、約90平方メートル。営業時間:10~23時

■各エリアが融合し、成長する施設

「テノハ」は“手のひら”と“葉”の造語。モノを作り出す手と手が広がり、たくさんの葉のように代官山から人やモノ・サービスが育っていく場所となることを願い、名付けられたという

最もユニークな点は、これら施設内のショップやシェアオフィスの機能を融合しようとしていること。例えば、シェアオフィスを利用しているクリエイターの作品をショップで販売する。また、レストランで提供している料理の食材をショップで販売したり、逆にストアで扱っている食材を使った料理をレストランで提供したりといったことを予定している。

個々のショップやラボが複合的な機能を持ち、さらに融合することで成長していくような施設を目指しているという。そのためさまざまなワークショップも企画。例えば2月のバレンタインシーズンには、レストランとショップの共催で手作りチョコレートのレッスンなども予定している。

同施設では今後も拡大開業を目指す。代官山東急アパートメント7階部分をニューヨークスタイルにリノベーションし、女性専用フィットネススタジオ「ラフィール代官山(仮称)」を2015年3月にオープンする予定。また東急ホームズのショールーム(ミルクリークショールーム)を移設し、2015年1月にオープンする。住宅事業ユニットも、アパートメント内に情報発信拠点の開設を検討中だという。さらに東急電鉄が開発を手がける商業施設「(仮称)代官山東横線上部開発計画」が2015年春に開業し、キリンビールの新業態「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO(仮称)」も出店の予定。

特に注目したいのは、1200点もの商品を集めたショップ。見たことのない食品やアーティストものの雑貨、使い勝手の良さそうな伝統工芸作品が多く、女性の人気を集めそうだ。

代官山は東急不動産が創業後3年目にあたる1955年に外国人向けの高級賃貸アパート「代官山東急アパートメント」を開業した場所。当時は珍しい全戸洋室、スチーム式暖房、給湯システムを完備し、美容室やメイド室までが設けられていたという。こうした、新しいライフスタイルを発信してきた伝統が、同施設にも受け継がれているような気がした。

(ライター 桑原恵美子)

[日経トレンディネット 2014年12月8日付の記事を基に再構成]

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